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3話 優しさ
もう私が幸せな錯覚しちゃうぐらいなら優しさなんて要らないよ。優しさが人を苦し
める。よくある話。でも、私は優しさなんて無いから。
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俺は昔からずっと理想があった。母さんたちが居ること。幸せな妄想は砕け、
代わりに現実だけが俺に残る。
「母さん?」
今日も朝から幸せな夢物語。こんな自分が嫌。#名前#と出会えて嬉しかったな。
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あれは四歳ぐらいだっけ。なんでだろ?俺の家族が死んじゃったのは。
家族で幸せに歩いていた。たったそれだけ。なのに、トラックが急に突っ込んで
きた。俺はなんにも出来なかった。ズボンの裾を掴み、
「パパッ、ママっ!」
そう呼ぶことしか出来なかった。今思うとなんで俺の家族が居なくなったんだろ?
ずっとずっと思ってる。だから俺は今いるメンバーに縋って、大切にして貰う。
これがお母さんたちの代わりだって信じてるよ。まぁ、家族が居なくなればずっと
独り。寂しかったよ。#名前#と出会うまでは。
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俺は六歳になった。今日も独りブランコを漕ぐ。古いから金属の音が聞こえる。
「はぁ、」
誰からも愛されない。そんな俺が、生きてていいのかな?今日も古いランドセルを
持って、立ち上がる。満足に食べれないご飯。痩せた腕はゾンビと言われる。でも
一つの足跡が一歩一歩近づいてくる。俺は反射的に後退りをする。
「貴方は?」
そこに居たのは俺より年下で、細い女の子だった。体は硝子のように力を入れると
割れてしまいそうだ。
「俺はくに!君は?」
俺は初めて声をかけてくれて嬉しかった。
「#名前#だよニコッ」
その時の俺は気づかずにその子の作り笑顔に夢中になる。二人ブランコに座る。
「ねぇ、歌ってよ!」
俺は#名前#の声が気になる。
「歌?下手だよ」
少し笑いながら化けの花を歌う。
「何その目、やっぱその目。はじめましてじゃないね。」
社会の大人たちの冷たい視線へ向けているのかもしれない。
「見ないで理解できないでしょう?まるで咲いてしまった化けの花」
透き通る高音、涙が出るほど哀しかった。
「くに君も歌ってよ!」
#名前#の一言で現実に戻る。
「ショーケースの中過ごしてた、誰も彼も過ぎ去っていった。」
俺は施設という檻に居たのかな?他の子は引き取られたけど俺はそのまま。
「名前はレオ、名前読んでよ。君が付けてくれた名前だから。」
俺は今出る声で必死に歌ったんだ。
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私、くにくんと出会えて幸せだったなぁ。ずっとずっと私と話してくれて。世界で
一番の幸せ者だなぁ。君からの優しさなんてもう、泣いちゃうだけだもん。
要らないよ。
1082文字!
結構書いた方!