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ソロ活〜カラオケ編〜
桜木澪は遠くの地方から寮に入って中学校生活をしている。
中学に入学するとほとんどの人が彼氏・彼女を作ったり、普段一緒に行動する友達・グループを作るはずだ。それはそれで楽しいかもしれない。
だが、中学2年生の桜木澪は周りがそういう生活する中で1人で異郷の地を堪能する・・・
そんな彼女を描いたのがこの物語である。
もしかしたら1人でカラオケにいく人って結構いるかもしれない。
だが、いても少数派だろう。
寮から徒歩10分もかからないところにあるカラオケチェーン店。
実は私はカラオケに行くのは初なのである。
エレベータに乗ってカラオケの受付まで行く。
すると。聞き覚えのある、最近流行であるだろう曲が流れていた。
「いらっしゃいませ。」
受付に立っている店員は若い。
確かにこういうところって年配の人が働いているイメージはないよな。
あらかじめアプリで予約していたため、スムーズに受付を終わらせることができた。
案内されたブースに行くとそこには私の想像とはまた違った世界が広がっていた。
ソファーの前には大きなテレビがあった。
テーブルの上には曲を選択する用と飲み物や食べ物を注文する用との2つのタブレット端末が置いてあった。
まず飲み物を何か頼もう。
炭酸飲料か単なるジュースにするか。
普段炭酸飲料を飲まない私だが、たまには飲んでみようか。
注文してから3分もたたないうちに店員が来た。
「お待たせしました〜。こちらメロンソーダとフライドポテトですぅ」
お待たせしましたってそこまで待ってないんだけど。
体に悪そうな緑色の炭酸飲料の上にはアイスが乗っかっていた。
これって混ぜて飲むべきなのか?分けて飲むのか?
まずは混ぜずに飲むか。
いかにも人口的なメロンの味が喉を通る。炭酸のシュワシュワがたまらない。
混ぜて飲んでみる。
メロンとアイスの甘い味が通る。私は混ぜたほうが好みかも。
フライドポテトには塩とケチャップが添えてあった。
これはどっちもつけると味が濃くなっちゃうよな。
どっちがいいんだろうか。
今日の気分で・・今日は塩だな。
流石にメロンとトマトの相性のよさは考えられない。
待って、私は別に食事をするためにカラオケに来たわけじゃない。
1人で歌に来たのだ。
曲選択用のタブレットをタップして曲を選ぶ。
きっと人と言ったら歌わない歌を歌いたい。
ちょっと古めの男声の歌・・
歌詞はいい曲なのだが、歌っている人が頭にタオルを巻いてギターを弾いている人だからどうも女性がカラオケで歌う歌だとは思えない。
こういう歌も誰かと一緒に来ているわけじゃないからこそ楽しめる、ソロ活ならではの楽しみだ。
1人だし大声で歌っても大丈夫。
思う存分歌えばいい。
自分が満足するだけ歌えばいい。
何曲歌った時だろうか
突然部屋の電話が鳴った。10分前コールだった。
「残り10分でーす。よろしくお願いしますぅ。」
もうそんなに時間が経ったのか。
2時間の予約だったからかれこれ110分はここで過ごしたことになる。
あと2、3曲か?まあだいぶ疲れてきてるし丁度いいか。
最後はやっぱり自分の好きな歌を歌おう。
精一杯、夢中で歌う。音漏れ?そんなの気にしない。自分が楽しければそれでいいのだ。
時間になり、料金を払ってカラオケを出た。
意外とよかった、初カラオケ。
また行ってみたい。
寮に帰るとクラスメイトから話しかけられた。
「なんか、澪、楽しそうだよね〜」
「え?」
「今日どこ行ったの?」
「カラオケに…」
「澪がカラオケに?意外!」
意外?そうかなあ…
でも楽しかったし、周りもそう見えているんだったら本望だよなあ