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お母さんはどこへ…
私(菜琉)のお母さんは行方不明になってしまった。どこへ行ったんだろう。
ある日、学校から帰り家に入ると、いつもは家にいるはずのお母さんがいなかった。
「ただいまー、お母さんどこー?」
反応がない。
テーブルを見てみるとメモが置いてあった。
読んでみようかな。
「菜琉へ。お母さんは知らない人に連れていかれました。探しに来てください…って!お母さんは、誘拐されたってこと⁉助けに行かなきゃ!」
私の家にお父さんはいない。
私が幼稚園だったころに病気で死んでしまったのだ。
しかも兄弟もいない。
「私、一人で探さないといけないのっ…⁉」
ピンポーン
ドアのチャイムが鳴った。
「はーい」
ドアを開けてみると、そこには幼馴染の亜奈がいた。
「ポストの中見てみたら、菜琉のお母さんが誘拐されたみたいなメモがあって!本当なの⁉」
「亜奈の家にも届いてたの⁉」
「…探すの手伝わせて!私、菜琉のお母さんにはいろいろ恩があるから!」
「ありがとうっ…!」
涙が出そう。
一人で探すよりはいいはず…だから本当に感謝している。
「まず菜琉の方のメモ見せて?」
「うん、いいよ。」
「…連れていかれましたって書いてるけどさ、誘拐される前にこれ書いてるんじゃじゃないの?だとしたらこのメッセージはおかしい!」
「本当だ。私だけじゃ気付かなかった…。」
「これってさ、普通に菜琉お母さんのドッキリかすぐに帰ってこれないってことじゃないの?」
「そうかもね!じゃあ、また明日!」
こんなメモのことを深く考えなければよかったじゃん!
「ただいまーっていっても誰も反応しないか…」
「おかえり、帰った時に家にいなくてごめんね。」
「もう、帰ってこれないってメモは流石に怖かったって!」
「…何?そのメモは。お母さんは知らないわよ。」
「え?このメモお母さん書いてなかった?」
そう言って私はメモを渡す。
「これ…本当に何?」
お母さんがそう言ったあと、リビングのドアの方から足音がした。
その人は手に銃を持っていた。
「この親子、ちょろかったな。ドアのチャイムが鳴った時は警察かと思って焦ったけれどな…。」
最後の言葉は主人公ではなく、殺人犯です