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シックス・ラバーズ 第1話
長すぎました。ごめんなさい。
桜咲く、穏やかな春の日。
俺は、高校生になった。
今日は高校の入学式。
新しい友達が出来るか心配だ………
―――などという心配は一切ない。
なぜなら、小学校も中学校も、友達0だったからだ。
もうここまで来れば友達なんていらない。
高校生になっても、俺は独りで生きていくんだ!
そんなことを考えていると………
俺「………ん?どうしたんだ、あの子。」
他の生徒はみんな、体育館へ入っていくのに、その女子だけはガサガサとうろちょろしていて、歩き回っていた。何かを探しているみたいだ。
まあいい。放っておこう――――という訳にもいかなかった。
俺は、困っている人をみたら放っておけない性格なのだ。意外に。
親父はレスキュー隊、お袋は看護師だったこともあってか、俺の家では「困っている人を見たら見捨てない」というのが家訓でもある。
なので俺は見捨てずに、勇気を出して話しかける。
俺「あのー、何をされているのですか?」
すると、その女子はこちらに気づいた。
茶髪のボブヘアーの目がパッチリした女の子。しかし、その目は潤んでいて、今にも泣きそうな様子である。
「……ないんです……ないんです……!大事なハンカチがっ……!!」
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俺「うーん、ここもないなー。そっちは?」
「ないです……」
かれこれ数十分は探しているのだが、一向に見つからない。
入学式開始まで、あと10分しかない。
そして、俺は探しながらふと疑問に思ったことを彼女に投げかけてみた。
俺「―――なんで、そんなにそのハンカチが大切なんです?別にハンカチならまた買い直せばいいんじゃ……」
「――――そういう訳にはいかないんです。あのハンカチは、私の親友からもらった大切なハンカチなんです。だから、なんとしてでも見つけ出せないと……でももう、あなたは大丈夫です。入学式、遅刻しちゃうでしょ?あとは私一人で探しますから……」
そう言われたものの、やはり俺は妥協はしたくない主義だ。
一度やると決めたものは、放り出さずに最後まできちんとやり通したい。
俺「いや、見つかるまで俺も探し続けるよ。」
「え……本当ですか……?」
〈10分後〉
ハンカチを探し始めて、1時間弱。
ついに、そのときは来た―――――
「ガサッ」
道の小脇にある茂みの中に「ソレ」っぽいものが。
茂みの中に手を突っ込んで、それを引き出す。
―――これだ!
俺「―――見つかりましたよ!!」
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「どうも、ありがとうございました!なんとお礼をしていいか………」
俺「いえいえ、見つかって良かったですね。それじゃ………」
「待って下さい!一緒に入学式行きましょう!どうせ、行き先は一緒なんだし――――」
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俺(ふぅ。入学式終わった。災難だったな。二人してギリギリに来てしまった。)
遅刻ではなかったが、1番最後に来たのは俺たちだ。
――――この高校は6クラスもある。
もう、名前も知らないあの子と会うことも二度とないだろうな。
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「和花!入学式お疲れ様。」
「うん。お疲れ。でも、すっごく大変だったよ〜っ」
「え?何かあった?」
「うん、藤香にもらった大事なハンカチを落としちゃって……探してたらギリギリになっちゃった。」
「それで……一人で探してたの?……そっかー。私がいたら一緒に探してあげられたのに……ごめん!」
「全然大丈夫だよ。だって藤香は“新入生代表の言葉”を言うから早く来なきゃいけなかったでしょう?それに、一緒に探してくれた人がいたんだ。見つけてくれたのも、その人で……」
「へー、親切な人っているんだね。」
「うん!とっても良い人だった。でも、そういえば、名前聞くの忘れちゃったなー―――」
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俺(ここが、教室か……)
「ガラッ」
周りを見渡す。一人で静かに佇んでいるものや、もう気が合ったらしく、話に花を咲かせている二人組もいる。すこし騒がしい。
すると、すぐ手前の席に座っている子が、どこかで会ったことのあるような気がした。
まじまじと見ていると、その子と目が合う。
誰だろう。確かに会ったことはある。だが、名前を思い出せない。
その子も、俺をまじまじと見ているとようだ。
「………げっ、アンタ…」
その子は、どうやら俺が分かっているらしかった。
俺の高校生活は、いったいどうなってしまうのだろう……
つづく
「俺」の性格が訳わからなくなってしまった……
とりあえず、この調子で書いていきます。