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嘘。
消滅。
悪意。
絶望。
音。
闇。
『まって、いかないで』
『おいていかないで、おかあさん!』
『大丈夫だよ』
『……だぁれ?』
『私は■■』
『うえええぇぇん』
『痛かったよね、もう大丈夫だからね』
『……ぐすっ』
『……あつい…』
『大丈夫、寝たら良くなるよ』
『……うん、おやすみなさい』
『ねー! みてみて! 学年1位! すごいでしょー!』
『おーすごい!よく頑張ったじゃん、よしよし!』
『えへへー』
『どうしたの? 大丈夫?』
『うん、いつものことだから……っ』
『?! 起きて! 起きて! ■■!』
『……先生』
『残念ながら、もう……』
『……そう、ですか』
『だぁれ?』
『私は|翡翠《ひすい》』
翡翠__
『|儚葉《くらは》!』
僕は儚葉。
蝶が舞う。
その姿は、とても、キラキラしていて。
僕も蝶みたいに飛ぶんだ。
宙を。
風を切って。
僕は屋上から飛び降りた。
君がいない世界に意味はない。
さようなら__
ドスン、と音がして。
辺りには何も残らない。
「……お疲れ様、儚葉」
しなやかな手が伸びた。
翡翠色の髪と目。
「私もやっとあっちに行ける」
空を見上げたそのひとは、さらさらと風に吹かれて消えていく。
「__◯月✕日未明、△市□町で男女の死体が見つかりました__」
「__男女は屋上から飛び降りたと見られております__」
終わり。