end2 赤い殻に消える声

暗闇の中、息が詰まるような沈黙が続いていた 背後では、仲間だったはずの声が遠ざかり、現実世界へと帰還する光が見える じゃぱぱ達は救われた 彼らの姿はもうここには無い 👻「ねぇ、いいの、？」 君が何をしようとしてるか、 僕には分かっている 👻「そんなことをしたら、」 👻「君も…彼らも、幸せになれないんだよ、？」 👻「それでも君は、」 👻「…呪いを受け入れるって言うのかい？」 ゆっくりと振り返って、優しい笑顔で君は言う ⚡️「もう…ええよ、皆んなの笑顔見れただけでもう十分やから、」 👻「…そうか、だったら僕はもう、何も言わない」 👻「君の意思に任せるよ…」 眼前に迫る“影”が問いかける たっつんは震える唇で、そっと囁いた ⚡️「頼むだるま、俺を本当のだるまにしてくれ＿＿」 --- その言葉を口にした瞬間、足元から黒い亀裂が入り、身体を飲み込んでいく ⚡️「ぐあああ…っ、ああああああああっ！！！！！」 抵抗も悲鳴も、何一つ届かない ただ、“鬼”の冷たい手が、俺の心臓を優しく抱きしめる 俺はもう、戻れないのか… ⚡️「ぐ…っ、うぅ…ﾎﾟﾛｯ」 もうたっつんとして、皆んなに会うことは… できないんや… だるま「`…これで良かったのか？`」 ⚡️「…は、？」 だるまが表情を変えずに尋ねる だるま「`お前は本当に良かったのか？`」 だるま「`この選択が間違っているとは言わない`」 だるま「`だが、本当にこれでお前は良いのか？`」 だるま「`これがお前の望んだことなのか？`」 ⚡️「…っ、」 その質問に俺は答えない これで、良かったんや …でも、本当はこんなこと望んでない 本当はもっと皆んなと一緒にいたかった 笑って、泣いて、 他愛のない会話をする日々を過ごしたかった もし、時間が戻るのなら、 全部、やり直したい… …今更、やり直せないよな 時は、戻らないのだから だるま「`…そうか`」 何かを察したようにだるまは呟いた だるま「`俺はお前には、幸せになってほしかった`」 俺に幸せなんて、もう来ない この呪いを受け入れた以上、もう幸せなんて感じれないんや だるま「`…呪いのことは気にするな`」 だるま「`お前が望むなら、俺1人で全部溜め込んでみせるよ`」 ⚡️「なんで急に…そんなこと言うんや、」 突然の言葉に俺は困惑してしまう ⚡️「俺に…死のゲーム、を提案…してきたのは、お前…やろ、？」 だるま「`…俺はな、たっつん`」 ⚡️「なん、や…」 意識が朦朧とする もはや自我を保てるのもここまでだろう だるま「`お前らを恨んでるわけじゃないんだ`」 だるま「`…ただ、、昔に戻りたかっただけなんだ、、`」 昔って、なんだ、？ だるまの昔… だるま「`皆んなに愛されていた頃に、`」 だるま「`ただ……`」 愛されて、いた、ころ… 🦖『たっつん、戻ってこいよ…っｸﾞｽｯ』 🦖「絶対だぞっ！！ﾎﾟﾛｯ』 あいされてた…、 ⚡️「…じゃ、`ぱ…`」 ⚡️「`あり、がとう…、`」 ⚡️「`さよ、なら…ﾎﾟﾛｯ`」 だるま「`耐えてだるまとなれ、…ありがとな、たっつん。そばにいてくれて`」 👻「__父さ…、__」 意識が途絶えた 気づけば自分の足は動かなくなった 声を発することもできなかった 俺の身体は赤く染まっていた もう俺は、戻れない --- 🦖「たっつん…っ、ﾎﾟﾛｯ」 🌷「たっつんさん…っ、なんで…ﾎﾟﾛｯ」 シェアハウスに戻ってきて数時間が経った 戻れたことの嬉しさよりも、 たっつんを失ったことの悲しさが心を埋め尽くした 何日経っても、 何週間経っても、 たっつんが俺たちの前に現れることは無かった 🎸「のあさん、動画撮ろうだって…」 🍪「あ…分かりました、、」 初めの頃は皆んな感情が無くなっていたが、 🦊「見て見て！銅64個手に入れたよ！どうだいっ！✨」 🐸「おお…うん」 👓「シヴァさん冷たぁww」 だんだんと日常を取り戻せるようになっていった 「`あははっ…`」 けれど、たまに俺らの部屋の片隅で笑い声が聞こえる 🍫「…えっ、？」 窓の外を横切る、 ❄️「…っ！？え…？」 こちらを見ている気配を感じる その度に足が止まり、笑顔も消える 🦖「…っ！？誰！？」 何度振り返っても、 そこには何もいない 「`だるまさんがころんだ`」 その声が響くと、俺らの時間は止まる ほんの一瞬、いや… 永遠にも似た停止 そして何事もなかったように時は動き出す 俺らは気づかない だが、その視線を送り続けているのは、 ⚡️「`…`」 かつて仲間だった“たっつん”だ ゲームは終わらない 
たっつんの姿を見ることも声を聞くこともない 動けない 助けられない いや本当は、 助けることなど望んでいない もう「見届けること」しかできないのだ 
たっつんはとっくに呑み込まれ、新たな鬼の一部と化している 
今度は俺たちがその列に並んだのだ だから、サバイバルは続く 🐏「え、待ってだるまいる…っ！！」 
誰かが逃げ、 🍗「助けて…っ、」 誰かが囚われ、 そしてまた声が響く。 ⚡️「`だるまさんがころんだ`」 その声を、彼は繰り返す 自分の意思ではなく、呪いの意思として それが存在を繋ぎ止める唯一の方法だから --- たっつんと再び会うことはない 彼は既に鬼に喰われ、 名も、声も、影も残してはいない あなたも同じ道を選んだ 違いがあるとすれば、 たっつんは抵抗して敗れた あなたは自ら“受け入れた” その選択の責任は、永遠に背負うことになる 光は二度と訪れない 仲間の笑顔を思い出すたびに、 胸の奥で「なぜ選んでしまったのか」という後悔だけが繰り返される それすらも、やがて呪いの声に飲まれていくだろう。 ＿＿「だるまさんが、ころんだ。」 その囁きの中で、あなたの存在は完全に鬼へと沈み込む 生還など、最初から用意されていなかったのだ この選択こそが、終わりなき絶望の始まりだった＿＿。 赤い殻に消えた声　完