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正反対
僕は|春輝《はるき》。
僕は…幼馴染の、|栗山《くりやま》 |杏菜《あんな》のことが好き、だ。
杏菜は、可愛くて、人気者で、運動神経良くて、頭も良くて…
僕と、正反対なのだ。
「はーるきっ!」
「なに、杏菜?」
今日も杏菜は話しかけてくれる。
でもそっけなくなってしまう自分が情けなかった。
「春輝、ちょっと来てー!」
え…?
杏菜、何をやろうと…?
「私、ね。春輝と関わるのを…やめようと、思う。」
「え…?」
信じられない。
僕と、関わるのを、やめる…?
「あのね、春輝と一緒にいると、嫌われちゃって…。」
「そ、そうなの…?」
「でもね、私、春輝のことを…世界一、愛してる。」
「え…?」
「えへへ、驚いたでしょ?」
僕は頷くしかなかった。
「だって、関わるのをやめるって言ったもんね!」
「う、うん…」
「それでも、春輝に伝えたいことがあるんだ。」
長い長い沈黙の後、杏菜は言った。
「私、ね。春輝のことが、大好き。」
僕は最後の勇気を振り絞って言った。
「僕も、だよ。」
どれだけ離れていても、ずっとずっと、大好きです。