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NEXTNEST/Buddies
knさんの方性転換させちゃってるっす。それと一人称も変わってます。だんだん戻ります。(性別以外)曲パロです。
誤字見つけても許してね!!!
嫌な方は回れ右!!
コンコン、と小さいノック音を立てる。
そんな音を聞いた自分はドアを開け、目の前にいる人と話す。
その人は、「ご機嫌いかが?」など、丁寧な口調で話を進めていく。
「それより、なんの用で僕の家に?」
「いえ、貴方見た目も声も、性格もいいじゃない?話しててとても楽しいし。だから私の経営してるキャバクラで働かない?」
「…お誘いは嬉しいですけど、少し考えさせてください。」
僕は、自分の居場所を探しているけれど、今まで行ったところは全部ダメだった。
こんな自分は世界に一般人として溶け込めているか?
そんなことを考えながら自分の部屋のドアを開ける。ぼーっとしながら鏡の前に立ち、手をそっと添える。
「僕は今何がしたいんだろう…」
キャバクラか…そこに行けば、自分を少しでもいいと思ってくれる人は現れるだろうか?
コン、コン、コンと机の上、指でリズムをとる。自分がそんなところで人とまともに話せるだろうか?服とかは慣れるまで時間がかかるだろうが大丈夫なのか?
「悩んでても何も始まらんよね…」
決意した自分は、明日、そこで働くと言ってみようと思い、ベットの中へ飛び込んだ。
そういえば、とずっと何か気になっていたのはなんだろうと思い、また考える。
「あ、明日の天気、」
天気くらいなら、どこでも見れるし誰でも知ってる。けど僕のことを知ってていつでも僕のことを見てくれてる人はいる?
「…考えても意味ないや」
---
「僕、キャバクラ?で働いてみようと思います」
昨日考えに考え、決めた答え。
自分の新しい世界はどんなところなんだろうと思いながら人の後ろをついていく。
「ここよ。皆、集合〜!」
『どうしたんですか店長〜?』
『え、後ろの子めっちゃ可愛い〜!』
『それな!?どうやったらあんな可愛くなれるんだろ…』
『あの髪型美人じゃないと似合わないよね〜…』
「自己紹介してくれる?」
やっぱり自分はこんな賑やかな場所は苦手かもしれない。でも、いつまでもうじうじはしてられないよね。
「捏島 羽衣奈と言います。よ、よろしくお願いします…」
『じゃあ君のあだ名きょーから〜んー
男の子っぽくなっちゃうけど、そのまま「コネシマ」でよくね〜?』
『てかもう男装してもらう?』
『キャバクラなのに?』
『裏方回ってもらお〜』
自分の追いつけないところで話がどんどん進んでいく。どうしたらいいだろう…
何もできない自分を恨みながらセンパイ達の話を聞いていく。
『じゃあコネちゃんきょーから裏方お願いするね!こっちの方が人数足りなくなったら出てきてもらって〜』
「決まったかしら?そろそろ開店するわよ?」
話し込みすぎていたのか、もう夜の19:00を回りそうである。店の外には何人かの人がもう待ち構えている。
「じ、じゃあ、裏に回りますね」
『呼ばれたらおいで〜』
ぱたん。と音を少し大きくわざとらしく立てて制服は着替える。まだスーツなだけマシかもしれない。
『あっ!○○さん!!ちょっとお待ちくださいね〜!今日入ってきた新人の子がいるんですよ!』
もうすぐに出番が来てしまったのか、などとため息をつく暇もなく腕を引っ張られ、連れていかれる。
『コネちゃん似合ってるよ!本当に男の子みたい!男の子だったら惚れてたかも〜』
自分は昔から髪を男の子のように短くしていた。周りからは「伸ばさないのって女の子のくせに変だね」と言われ続けてきた。けれど、褒められたのが嬉しくてここにいてもいいかもと思った。
「あ、君が新人の子?ふ〜ん…男の子?女の子?どっち?」
「あ、わ、私は女です…」
「緊張せんでもいいよ。僕は鬱。よろしくね。あ〜、何て呼べばいい?」
「コネシマです。なんとでも呼んでくだい。」
はじめての事にいろいろ驚きながらも自分は鬱さんに話していく。
「へ〜僕、一目惚れしたかも」
『やばくない!?今までで鬱さんに恋した人はいっぱいいたけど鬱さんが恋した人は初めてだよ…』
『ね…コネちゃん美人だからわかるけど。
流石にムカつくわぁ…』
センパイたちが後ろでブツブツ呟いてるのを僕は気に留めず、いま鬱さんに言われた言葉を頭でループする。
「一目惚れ…?」
「そ。一目惚れ。」
「なんで僕なんか…」
「君、一人称とか僕なんだ。もっと好きになったかも」
焦りすぎて出てしまった元の一人称も鬱さんには聞こえていたようで。ちょっと嫌かなと思ったけどそれも逆効果で。
『ちょ、一回店閉めます!すいません出ていってください!!』
センパイが鬱さん以外のお客さんたちを追い払うように外に出していった。
『…じゃあ鬱さん、聞きますね。』
「なにを?」
『コネちゃんのこと、本当に一目惚れで好きになりました?前から知っていたとかないですか?』
「ないよ。本当に一目惚れやって。」
『コネちゃん…コイツのどこがいいんですか?』
「君らのそういう性格がなさそうなところ。」
『っ、!じゃあコイツの本性暴けばいいんですね!?』
そうセンパイが言えば僕の方を向いてワインのビンを持って僕を殴ろうとした。そのビンは僕に直撃___することはなく、僕はなぜか意識していないのにも関わらず、反射的に避けてセンパイを足で床へ倒した。
「っ、ごめんなさいセンパイっ!」
『お前、ふざけんなよ!!お前なんか消えちまえ!お前が来たせいで!!あたしが鬱さんに一番近かったのに!!』
やっぱり、神様は自分に味方してくれないようで。
「ふ〜ん。コネシマって言ったっけ?」
「あ、はい…」
「全然タメでいいよ。」
『んなっ!?』
「ちょっと君は黙ってて〜」
鬱さんに名前を呼ばれた自分はどう返したらいいかわからず、今すぐにここから消えたいという思いでいっぱいになった。
「僕ね、コネシマのこと本気で好きになっちゃったんだ。だからさ、
僕と一回付き合ってみない?」
と鬱さんに言われながら、ほっぺに手を添えられる。いきなりのことに自分はつい「わっ、」と声を小さく出してしまう。なぜか嫌な感じはしない。むしろこのままがいいと思ってしまうのはダメなことだろうか?
「ほっぺすべすべ〜いいな〜。」
『はぁ!?なんで、なんでそんな奴が、っ
所詮は顔なの!?ねえ!!』
「うるさいなぁ〜。
コネシマって、ほっぺ触られたらそんな反応するんだね〜。可愛いじゃん」
大声で正気に戻った自分は、鬱さんに言われた言葉を思い返す。
付き合う…?可愛い…?自分が?
前にも似たようなことがあった。何回も何回も。見た目だけで判断され、自分の性格が良くないと分かると追い出して、傷ついて、その繰り返し。もう、怖いくらい経験しているのに、まだそばに置いてほしいと願ってしまうのは、帰る場所を探しているからなのかな?
「僕は、怖い。正直言って、貴方と付き合うことが怖い。」
「どうして?」
「また僕の性格がバレたら、捨てられるんじゃないかと思って」
「大丈夫。よっぽどのことがない限り、いや
絶対君を、コネシマを捨てたりしないよ。だからさ、付き合って」
一度だけ、一度だけなら、この人ならいいと思ってしまったんだ。
「…これから、お願いします。」
「決定!それじゃあコネシマお持ち帰りしま〜す」
お持ち帰り?と思う頃には体が宙に浮いていた、鬱さんに姫抱きされていたのだ。
「!?!?おっ重いですよ!?」
「いや軽いけど?ちゃんとご飯食べてる?
それとすぐそこの車までだから。大丈夫。誰にも見られないよ」
「そういう問題ちゃうくてっ!」
自分はつい出てしまった関西弁を必死にこれは隠そうと口を塞ぐ。遅かったようだけれど。
「ほんまにコネシマとは気が合いそうやわ。
これかは軍基地帰るで。そこで他の奴らに紹介するからさ。男の子って言うことでええ?」
「いいですよ」
「はい、タメ口な。敬語使ったり使おうとしたらキスするから」
キス、きす、キス!?!?
「え、あ、わかった…けど」
「どしたん?」
「軍の人たちの前でキスはやめてぇや…」
そう言えば彼はクスッと笑ってから、
「はいはい」と面白そうに笑った。
---
「あ〜!大先生が新しいやつ連れてきてる〜!」
自分のことを言われ心臓が跳ねた。その衝撃かどうかはわからないがごめんなさいと敬語が出そうになってしまった。
「こいつらの前でも敬語なしやで。そしたらわかるよな?」
「はいはい…わかっとるよ」
「大先生〜??今日はどこに行ってきたのかな〜???」
「ア、イヤソノトントンサンコレニハフカイ、フカーイジジョウガ、アルンデスゥ…」
キャバクラで見た時よりも情けない鬱さんの姿を見て、自分はぷっと軽く笑ってから声を上げて笑った。
「あっはっはっw面白いなぁ〜w」
「お前そんな風に笑うんやな!俺はゾムやで!よろしくな!え〜と」
「コネシマや。よろしくな」
「シッ、シッマ!よろしくな!!」
「…うん」
あだ名から付けられたあだ名、なぜか変な感じがしなかった。まぁ、元々書き方を変えただけっていうのもあるだろうけど、初めてあだ名をもらった時のように、すごく嬉しかった。
「そうやシッマ、グルッペンのところに行かなあかんのとちゃう?」
と女の子のような見た目をしている(声はバリバリ男)シャオロンが言った。
「グルッペン?」
「あーそや。大先生連れてったって」
「あーい。シッマ行くで〜」
「あ、おう」
少し小走りな大先生の後ろを追いかけるように歩き始める。
「シッマすごい大人しいな。こんなとこに来て平気やろか」
「男の子…よなあいつ?性別確認してへんけど」
「さあな…」
なんて3人の話し声は暗い闇の中に溶けて消えていった。
---
「グルちゃ〜ん新しい子連れてきたで〜」
「入れ」
大先生がドア越しに声をかければ、ドアの奥からは低い声で、入れと聞こえてきた。大物感すご。
「君がトントンが言ってたコネシマか。
私はグルッペンだ。よろしくな。」
「コネシマや。よろしくな」
「シッマ、グルちゃんには話すから緊張解いていいよ。あと演技も」
そう大先生に耳元で言われ、ポケットから手を出し腰に手を置く。これがいつもの体勢だ。
「あんまり深くは話さんでよ?」
「わかってるって〜」
ー説明中ー
「なるほど。コネシマは女なのだな?それと
帰る場所が欲しかった、と。」
「そう。それで敬語使ったら罰としてk」
「わー!!!!ストップストップ!止まれぇぇ!!!」
「いいじゃん〜シッマのけち〜」
そんなに安易に言われてはこっちがどう接していいかわからなくなる。やめてほしい。
「罰として?なんだ?」
「キスするの〜」
「ああああぁぁぁ…あんま言わんでぇぇ…」
「なるほどな〜大先生もやるなお前〜」
なんてニヤニヤされながら言われたらもう顔が真っ赤になるから必死に手で顔を隠す。
「でも、いつか僕はここを出ていくと思う。
また自分の置き場を見失うから…
僕の居場所探しが終わる時は多分、こない」
「そうか。ならばここが居場所になるように私たちがすればいいのだな?」
「…できるかな?」
「やって見せようじゃないか。」
すると、ドアの向こうから「そうだぞ〜!!」
「隠し事はなしだぞ!!」とか声が聞こえてきた。
「全部聞かれてた…?」
「ありゃ〜…ごめんね?シッマ」
「大先生が謝ることちゃうよ。」
「シッマお、女の子なんやろ?接近戦とかしたら、怪我しやすいんちゃうか…?」
と、ゾムが気を遣って話してくれたのだろうか。でも、僕にはもうそんな気遣いはいらない。女としてではなく、男としてみてほしい。
「大丈夫やでゾム。"俺"は心配せんでも平気や!やから訓練とか頼むわ。」
「シッマも染まったね〜。敬語使ってたどたどしかったシッマが別人としか思えんくなってきたわ…w」
「敬語使ったらキスされるんやったっけ?」
「ばっちり聞かれてるんやけど…」
「うりうりシッマ敬語使えよ〜w」
「そうだぞ〜?敬語使わなくてもキスしちゃえよ〜w」
「大先生はあんさんのこと本気で好きらしいで〜?応えてあげたらどうや?」
あんまり揶揄われるのは苦手ではある。でも、大先生はしっかり俺に好きと伝えてくれた。
俺は、言葉で伝えるのが苦手だ。だから行動で示すしかない。
「シッマは大先生のこと嫌いなんちゃう〜?w」
「えっ!?そうならそうって言ってねシッマ!?」
「あれやで大先生。お前が無理やり連れてきたんやから追い出すとかはなしやからな」
「せやぞ大先生〜」
「あれ、恋愛経験ないロボロくんがなんか言ってるね〜??」
「なんやお前殺るか????」
「ヒェッッッ」
そこからみんなが笑って話してるところに、「まぜて」なんて言えない俺は、一言「嫌いじゃないよ。大先生」と言えばみんながこっちを向くもんだから、やってやろうと思った。ほっぺでも、手の甲でもなく、しっかりと好きな人に向けてのキスを。
「I fell in love with you too.
お返しはまた今度でいいよ。鬱君」
とウィンクも付けて言った自分は部屋を出た。
ちょっと面白そうな日々が始まりそうな予感がしたから、期待ながら俺は何か違う明日を待つ。
「作り笑いはもうごめんやからな。」
今日の雨は、気分が悪くならない雨だった。
長くなりました。スクロールお疲れ様です!
読んでくださってありがとうございます、、
本当に次からリクエスト書きます…コレがあるのを忘れてまして…それでは、ぐっぱいまる!