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【新連載】「目が合うたび、キミに溶ける。」③
【第3話】「甘い罠と、黒い独占欲」
さとみくんの部屋に連れ去られた私。
「裏」モード全開のさとみくんは、ベッドに私を座らせると、大きな体で覆いかぶさるように抱きしめてきた。
「ちぐ……やっと二人きりだ。さっきまで他の奴らと楽しそうにしてたでしょ。……お仕置き、必要かな?」
耳元で囁かれる甘い声。心臓がうるさくて、さとみくんの胸板の厚さに頭が真っ白になる。
でも、その時——。
コンコン、と静かにドアが叩かれた。
「さとみくん。ちぐちゃんを怖がらせちゃダメですよ?……開けますね」
鍵をかけていたはずなのに、カチャリと音を立ててドアが開く。
そこに立っていたのは、いつもの優しい微笑みを浮かべたるぅとくん。でも、その瞳の奥はちっとも笑っていない。
「る、るぅとくん……」
「ちぐちゃん、おいで。さとみくんに無理やり連れてこられたんでしょ? 僕が守ってあげますから」
るぅとくんが差し出した手を、救いを求めるように握ろうとした瞬間。
ぐいっ、と強い力で手首を引かれ、私はさとみくんの腕の中から、るぅとくんの胸の中へと引きずり込まれた。
「……っ、るぅと! お前、勝手に入ってくんなよ」
さとみくんが不機嫌そうに立ち上がる。けれど、るぅとくんは私を背中に隠すようにして、冷たい笑みを浮かべた。
「さとみくんこそ、ちぐちゃんを独占しすぎです。……ねぇ、ちぐちゃん? 僕はさとみくんみたいに、気分で態度を変えたりしませんよ。……ずっと、あなただけを逃がさないように愛してあげます」
るぅとくんの指が、私の頬を優しく、でも逃げられないように強く撫でる。
その冷たい指先にゾクッとする。
「……あ、あの、るぅとくん?」
「ふふ、そんなに震えなくて大丈夫。……でも、さっきさとみくんの目、じっと見てましたよね? 僕の前で他の男を意識するのは、許さないって言ったでしょ?」
るぅとくんの顔が至近距離まで近づく。眼鏡の奥の瞳が、獲物を狙う獣のようにギラリと光った。
「ちぐちゃん。……僕だけの『お人形』になってくれたら、優しくしてあげますよ?」
「……るぅと、調子乗んなよ」
さとみくんが再び私を奪い返そうと手を伸ばす。
でも、パチリ。……私と目が合った瞬間、さとみくんの瞳が「表」の冷徹なモードに切り替わった。
「……チッ。るぅと、その女をいつまで甘やかしてるんだ。仕事の準備はどうした」
「あはは、さとみくん。今は仕事の話、してないんですよ」
るぅとくんの黒い微笑みと、さとみくんの厳しい視線。
二人に挟まれた私は、逃げ場を失って立ち尽くすしかなくて……。