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×××色に染まる君へ
「 」セリフ
( )心情
( 動作、状況説明
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「 今年も桜が満開の季節になりましたね 」
「 日本一美しいと言われる『|桜桜《おうざくら》通り』で
は、沢山のお花見客で溢れています。 」
ニュースキャスターの発した一言だった。
君の名前が用いられた桜並木がテレビの液晶に華々しく映し出されている。
もう遠すぎる所に行ってしまった君には二度と会えないけれど、君との思い出は鎖のように一生消えないけれど。
今年もまた、あそこに行かなければいけない。そんな気がしたんだ。
--- *** ---
『凪桜通り』は沢山の人で賑わっていた。
みんな、家族や兄弟や友達と楽しそうにお花見をしていて、独りなのは俺だけだった。
通りをどれだけ進んでも、桜は咲き誇ってる。
上を見なくともどこまでも続く桜が目に入る。
「 また会いたい. . . 」
そんな事をひとり呟いても君は返ってこない。
嬉しい時に満面の笑顔を向けてくれた、君
悲しい時に俺の胸に顔を埋めいた、君
驚いた時に目と口を大きく開けていた、君
そして
好きと伝えると頬が桜色になっていた、君
__殺した時に“俺色”に染まっていた、君__
君の全てが大好きで、今でも愛している。
君の事を思い出せる桜を見るのも今だけ。
貴重な時間を共に過ごせたら良いのに、そんな淡い期待はどこかの彼方へ消してしまった。
また秋が来れば、君のことを思い出せる。
「 『|楓《かえで》』の季節にまた会おうね。 」
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ここまで読んで頂きありがとうございます!
最後までよく分からない話でしたね。
他の作品も是非^ ^