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太宰治 曲パロ〖ようやく君が死んだんだ 〗
太宰治視点の夢小説です、
夢機能はなくあなたの名前は「夢」となっています
「ようやく君が死んだんだ」という曲のパロにもなっております
ぜひ本家の方もお聞きください
神曲だし泣けます
あと結構切ないです
楽しんでいただければと思います、
ようやく君が死んだんだ、
約束通り、君が先に死んだんだ
ゆら、ゆら、うだる夏に
きれいな顔で死んだんだ、
「ようやく君が死んだから、私もようやく自由に暮らせる。」
夢のお気に入りのマグカップをなるべく使わないように気を使うことも、
夢が仕事から帰ってきて抱きしめてあげることも、
もう、
しなくていい。
「ようやく君が死んだから、好きなだけ休日を謳歌しよう」
今日は気になっていた書店にでも寄ってみようか。
「ようやく君が死んだから、好きなものを食べて、暮らしてやろう。」
君の好きだったお菓子も、もう食べて無くしてしまえ。
「ようやく君が死んだから、飼えずじまいだった猫も飼ってやろう。」
夢は猫アレルギーだと言っていたから。
「私より先に死なないで、」
君に聞こえないような声で囁いた。
「ようやく君が死んだから、夢以外の女の子とも遊べる、」
もし夢が生きていたのなら、泣いて怒っていたのだろうけど。
ようやく君が死んだんだ、
早く眠らなければ夜がくる、
独りだけの、寂しい夜が。
『・・・私ね、治が他の女の子喋ってるの、凄く、嫌・・・・』
『・・・・そんな軽いことで嫉妬なんてしないでくれ給えよ、』
『っ、軽いこと、なんだね』
『何が言いたいのだい?』
『治にとっては、私以外の女の子と親しくするのも・・・
軽いこと、なんだね・・・
もういいよ、私もなんだか疲れてきたんだ』
ようやく君は死ねたんだ、
死にたいくらい辛い苦しみから遠く、
さよならなんて言わないよ、
「すぐ迎えに行くからさ、」
涙が、無意識に頬を伝い落ちた。
「ようやく君が死んだから」
なんて割り切れないくらい君が好きで、
『私を独りにしないでね』
君の言葉が、今更になって蘇る。
私を置いて自殺して逝った君の、言葉が。
「・・・・・・・・あ」
気がつくと、私はビルの屋上のすみに立っていた。
「・・・・・ああ・」
ようやく、
ようやくだ。
足を、空中に運んでそう呟いた。
「ようやく君に会えるんだ、」
何よりも大切な君に。
私が自ら傷つけてしまった、君に。
さよならなんて言わないよ、
「すぐ迎えに行くからさ、」
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