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リアル人狼
心地よい風が外に吹き、小鳥がピイピイ鳴くうららかな春の日。
わたしはカーテンをしめきり、明かりを灯した。そしてため息をつく。
そう、わたしは不登校だ。
眠い。でも、不登校なうえ夜型人間なんて、ダメ人間過ぎる。
こんなときはネットだ、ネット。
そう思い目をこすりながらパスワードを打ち込む。そして、いつもの小説投稿サイトを開く。
…はずなのに。
「404 エラー」と書かれているサイトにつながった。まあ、よくあることなのだけれど、おかしかった。
白地に黒いカブトムシのはずが、黒字に赤いオオカミになっている。あちこちに赤黒くて生々しい血のイラスト。不気味だ。
🌸「な、なんでよお!!」
そう叫び、画面に手を触れる。
🌸「きゃあ!」
ぬるっとした生ぬるい感触で、どんどん柔らかな、弱いブラックホールに吸い込まれていくような、気持ち悪い感じで。
そして、パソコンに吸い込まれていった…
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とん、とん!としりもちをつく。つるつるの床がすべりそうで怖い。でも、白い大理石ではなくて茶色い。まわりは村。冒険系ゲームの「はじまりのまち」みたいな。
🌸「ど、どこなの!?ここ!」
前には丸いちゃぶ台。その上にさっきのサイト。でも、オオカミが西洋のホラーにありそうな仮面になっている。
🍀「なんや?どしたん!」
🌙「ねえ、そんなに詰め寄らないであげて!」
2人、わたしくらいの女の子がいる。
👻「きっと、おばけの仕業だよ!」
🕊「嘘よ、魔法のせい!」
何が、どうなってるんだろ?
しーんとしている人も数名。
突然、パソコンが動いた。画面が真っ黒になる。何?
💻「ココには、人狼がいる。ワタシはゲームマスター。今から、ミナサンには人狼ゲームの要領で人狼をあぶり出してもらいマス。」
男でも女でもない、無愛想で鼻にかかった甘ったるい感じで、聞きたくない機械的な音声。
💻「役職は以下のトオリ。
市民 役職ナシ。3人。
占い師 誰かひとりを市民か人狼かウラナウ。ひとり。
騎士 誰かひとりを人狼からマモル。ひとり。
霊媒師 死んだ者が市民か人狼かシル。ひとり。
人狼 夜、誰かをクウ。ふたり。
狂人 人狼の協力者。占いでは白とデル。ひとり。
何者か 勝ち方不明。ひとり。
市民陣営は市民、占い師、騎士、霊媒師。人狼をすべて追放したら勝ち。狂者は関係ナシ。人狼陣営は人狼、狂人。人狼の数と市民陣営が同数になったら勝利。何者かがいるときも、ひとりとカウント。何者かは不明。」
おっそろしい…
💻「食事は左にある部屋に、ビュッフェ方式で用意され、トイレは個室に完備。大浴場は奥にアル。右に廊下がある。それぞれの個室があるので、他人の個室には許可されても入らないコト。」
いいホテルじゃん。
💻「ポケットに紙切れをしこんだ。役職が書いてある。それでは1日目、スタート。」
説明が長くなりましたね。
節分ですね。