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collaboration.10
ののはなさんとのコラボになります。
今回は少し短めです。
ルイスside
「──い、おーい、起きてくださーい」
ペチペチと頬を叩かれる感覚。
「……こ、こは」
見慣れない天井が、そこにはあった。
確か、僕は穴に落ちて──。
左上で目を擦り、ついでに髪の色を確認してみた。
金髪のままだ。
鏡花ちゃんのように色素の抜けた白髪にはなっていない。
長時間、穴の中にいたわけではないのだろうか。
「あ、やっと起きました?」
「君は──」
僕はゆっくりと体を起こした。
眠っていたベットの横には露西亜人。
どうやら僕は彼──|フョードル《魔人君》に頬を叩かれていたらしい。
ただこの世界の彼とは面識がない為、初対面を演じなければならないか。
しかし、そんな僕の思考は無駄になった。
「心配しなくても、僕はあなたのことを知っていますよ。ルイス・キャロルさん?」
「は、ま、ちょ……ゑ?」
「少し落ち着きましょうか」
動揺せずには居られなかった。
僕はまだこの世界に来て日が浅い。
つまり、情報がほとんど無い筈なのだ。
なのに僕のことを知っているということは、例の組織の裏で手を引いていたのは──。
「先に言っておきますが、僕が真犯人ではありませんからね?」
「心を読まないでくれる?」
でも、こういう時の彼は嘘をつかない。
別世界とはいえ、根本的なものは変わらない筈だ。
なら今の発言は信用できる。
「──で、《《コレ》》について質問しても?」
僕が右腕を動かす度に、ジャラジャラと音が鳴る。
魔人君の手と、僕の手が鎖で繋がれていた。
うん、本当に何でかな。
しっかりとした理由があるのならば、教えてもらいたいものだ。
「逃走防止ですよ。あなたは触れているものも一緒に転移させてしまう。なら僕も一緒に送られますよね?」
「あー、うん。理由は分かった。君が僕のことを知っているということもよーく分かった」
で、其処までして話したいことは何だ。
笑顔を浮かべ、少し殺気混じりに僕は問い掛ける。
しかし流石は魔人君か。
この程度では眉一つ動かすことがない。
「僕の作戦に、協力していただけないかと思いまして」
不敵に浮かべた笑みを、僕は忘れることがないだろう。
彼の通り名である『魔人』にこれ以上相応しい人間はいないことだろう。
それにしても、彼の“作戦”か。
探偵社とマフィアを潰すというものなら、今ここで止める。
「横浜を荒らして回る例の組織の真犯人、ではありませんが僕が裏で手を引いていたのは事実です。僕達の目標に、探偵社やマフィアにとってもあの組織は厄介です。なので太宰君達に潰してもらおうかと思いまして」
「……僕じゃなくて桜月ちゃんに頼めば良かったじゃ?」
「あくまで僕──否、《《僕達》》は裏で手を引くだけであって、堂々と味方でいるつもりではありません。それに|泉桜月《彼女》とはもう面識があるので」
あぁ、と魔人君は思い出したかのように話を少し変える。
「あなたをここにお呼びする為に、少々手荒な方法をとってしまったことをお詫びさせてください」
「少々じゃなかったけど?」
「あの光の異能で送る以外に方法がなかったんですよ。けど、短時間だったからか代償は少なく済んだみたいですね」
僕は首を傾げる。
髪色は変わっていない。
それなら、代償とやらはどこに現れたのか。
思考が単純すぎたせいか、魔人君は鍵で枷を外してくれた。
「ご自分で確認されるのが良いと思いますよ」
「え、あ、うん……?」
ベットから降り、僕はスリッパを履いて近くの姿見まで歩く。
一見、何の問題もないように見える。
でも不思議と違和感があった。
いつもと同じ服に、背丈も変わらない。
金髪で、鏡花ちゃんのように瞳の色は──。
「──うっ」
「大丈夫ですか?」
「心配、いらない……」
口元を押さえながら、僕は元のベットまで戻った。
僕の瞳は《《燃え上がる炎のような赤》》になっている。
元の緑色の面影など、どこにもなかった。
「……話を戻してくれて構わない」
「そう、ですか」
少しだけ心配そうな顔をした魔人君。
迷惑をかけてしまったな。
多分、僕の世界の魔人君なら容赦なくこういう精神攻撃をしてくる。
「じゃあ、詳しい作戦についてお伝えしますね」
フョードルside
「これから組織は第二軍をマフィア本部へ送ります。彼らは横浜を荒らして回る……まぁ、簡単に云うなら横浜を自分達のものにしたいんです」
つまり今の狙いはマフィア首領。
最上階に辿り着くまでそう時間は掛からないことでしょう。
「目的は異能開業許可証か」
「そんなところですね」
まさか彼が知っているとは思っていませんでした。
でも異能力を持っているならおかしくない、か。
それで、とルイスさんは問い掛ける。
「例の組織の長はいつ動く?」
「それは……」
正直、分からない。
何故ルイスさんをこの世界に呼んだのかも。
横浜を自分達のものにしたいのかも。
だからこうして探偵社とマフィアに潰させようとしている。
「──まぁ、何でもいいや。とりあえず首領と、福沢さんを守ればいいんだよね」
「はい。それじゃあ、少し移動しましょうか」
彼達と合流予定の時間ですね。
ルイスside
「だ、大丈夫?」
そう、僕は声を掛けた。
移動した先は、先程と違う部屋。
そこには道化師らしい人物と、桜月ちゃんがいた。
「えっ……? ルイスさん?」
「も~ドス君遅い!」
「計画通りですから」
僕のせいで計画が乱れたりはしてないのかな。
「け、計画? というかなんでルイスさんが此処に? というか何でここにフョードルが?」
「う~ん、細かい所はこの二人が居なくなってからにしようか。」
「は、はい……?」
「と言う訳で、じゃね~」
「一寸待てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
そこまで時間は立っていない筈なのに、とても懐かしく感じた。
桜月ちゃんと再会出来た事が、とても嬉しく感じる。
まさかのドス君とゴーゴリ登場☆
しかも仲間で本当にびっくり。
赤い瞳を見て嫌な気分になったのは、そのうち(組合戦)明かされると思います。
ドス君と面識があるんですよね、ルイス君。
でもゴーゴリは面識がないという。
どこまで書いて大丈夫か、めちゃくちゃ考えながら書いてます。
多分『英国出身の迷ヰ犬』のネタバレはない筈!
あったら済みません……
それではまた次回もお楽しみに!
ののはなさんの小説も、どうぞよろしくお願いします!
───
えっと、姿見で代償の確認をするシーンの詳細のURLを最後に貼っておきます。
内容が結構アレです。
苦手な方がいらっしゃるかもしれないので念の為、別の小説での投稿にしました。
https://tanpen.net/novel/3f309d1a-a4e4-46ba-9dc0-3c807c78a9bf/