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愛という名の呪い。 6話
山からまたワープしてカンタービレシティに繋がる駅に戻って来た。
(駅の詳細は3話参照)
そこからさらにもう1つ駅を戻って、資料館前駅に着いた。
駅を出るとすぐ近くに資料館があった。
入館料金を払って、早速資料を読み始めることにした。
「ここ、ゴッドナイトの人の出入りが多そう。警戒しておかなきゃね。」
「確かに。ここで生神のことを調べる奴らも多そうだ。
混んでいないからすぐに見つかるかもしれない。警戒しておこう。」
とりあえずで資料を見てみると、こんなことが書いてあった。
”生神とは人々に幸福をもたらし邪神の計画を止める光の神、
邪神とは人々の病みの気持ちを具現化させて世界を壊そうとする闇の神。
だがここ10年近くその2人の神の安否は分かっていない。
一部では2人の神は私たち人類の知らない間に戦って相討ちになって
この世から消えてしまったという仮説も立てられている。”
”今まで姿を変えてきた生神と邪神。
今までの生神と邪神の見た目の共通点は赤い目と、黒い髪。”
”私は子供の頃に生神と一緒におままごとをして遊びました。
証拠として今もその子が映ったロケットペンダントの写真があります。”
「へぇ、生神が普通の人と一緒に遊ぶってことはその頃の生神は
子供だったってことなのかな?」
「おままごと、小さい頃はよくやってたよね、えみり。」
「そうだね。私はよくお母さんの役をやってたよ!」
そう話していた時。
白い装束をした5人組が資料館に入って来た。
「あれってもしかして…!」
「そうみたいだ。」
「ゴッドナイト、だっけ。」
「あぁ。逃げよう。」
すぐに逃げたつもりおかげで、ゴッドナイトには見つからずに済んだ。
そのまま私たちは資料館を出た。
「え、ここは…商店街かな?」
資料館を出た先には商店街があった。
「夢街商店街って言うんだってさ。」
「アロマにミルクにベッド…睡眠を大切にしてるのかな?」
「名前は聞いたことある気がする。時間はあるし…色々見てみるか。」
「そうだね。」
それからみんなでいろんな店を見て回った。
その中でも行列ができていたお店があった。
「うわぁ…すごい行列だね!アイヌと私の住んでた地元の行列とは
桁が違う!あ、でも何だっけ、あのお店は同じぐらいの行列になってたよね…」
「なんだっけな…あれだ、飴屋だ。」
「それそれ!買ったことあるよ。」
地元にあった飴屋はとっても人気があったことを思い出した。
金太郎飴や金平糖、ぺろぺろキャンディーなどかわいい飴がいっぱいあって
女子学生に人気だったとか。
私は人が多い所は得意じゃないから行ったことはなかったけれど。
「で、ここは何屋なんだ…?」
会話を聞いていた店員が答えてくれた。
「ここは見たいと願った夢を見れるようになるおまじないの店、
”ドリームミスト”です!」
夢?霧?どういうことだろう。
「なんでこんなに人気なんですか?」
「魔法使いである店長と副店長に見たい夢を伝えると、
おまじないをかけてくれて、その日の夜にその夢を見ることが出来ます!
それがこの睡眠を大事にしている人々に人気なんです!
あなたたちもやってみませんか?」
「…どうする?アイヌ。」
「みんなやりたいのか?」
「もちろん。人気があるってことは店員さんの言っていることは
きっと嘘じゃないってことでしょ?試してみたらいいじゃん。」
「やってみたい!」
「私も気になる!お願い!」
「…はいはい、分かった。」
1時間くらい並んでやっと私たちの番がやって来た。
「次の方、どうぞ」
部屋の中の人に呼ばれて入った。
「こんなに大人数で来てくれるなんて…!ありがとうございます」
中には黒い髪、赤い瞳をした男性と女性がいた。
黒い髪と赤い目って…条件が生神、邪神と同じじゃないか!
まぁ、私とライヴもその2つの条件に当てはまってはいるけど…」
「では、お名前を1人ずつ伺っても?」
「清藤ライヴです。」
「双葉めありっていいます!」
「妹の双葉えみりです!」
「音瀬ラキです。」
「美藤アイヌ。」
私が名前を言った瞬間、男性と女性がはっとしたように顔を見合わせた。
「え、どうかしました?」
「いいえ、なんでも…」
「駄目。確認しなきゃ。もしかしたら私たちの…」
そこから先は聞こえなかった。
「…分かった。」
「あと少しで閉店なので、おまじないをかけ終わったら
そこの待合室で待っててくれませんか?確認したいことがあって。」
「は、はい。」
何がそんなに引っかかったんだろう。
「では早速おまじないを始めていきましょうか!音瀬ラキさんから、どうぞ」
「え、えっと。僕が見たい夢は僕の奏でる竪琴でみんなが元気になる夢。」
「いい夢ですね。では、模様の描かれたこの紙をじっと見つめてください。」
ラキの前に謎の模様の描かれた紙が差し出された。
ラキがそれをじっと見つめ始めた。
「じゃあ、僕から。『|騙り《ディシーブ》』。」
模様が赤く輝いた。
「『|夢の霧《ドリームミスト》。』」
赤い霧がこの部屋を包んだ。
「わ、なにこれ…!」
少し時間が経って。
「『|解除《ノーマル》』。」
「終わりです。これで今日の夜、あなたの願った夢が見れますよ。」
「ありがとうございます。」
「お姉さん、お兄さん!今のって特選能力?」
「僕らには特選能力が2つあるんだ。今のがそのうちの1つだよ。」
「特選能力が2つって…相当の魔法使いなんですね!」
「よく知ってるね、清藤ライヴさん。
でも私たちはこの店を受け継ぐという使命があるの。」
「使命…なんだかかっこいいな。」
「ありがとう。」
そうやって5人ともおまじないをかけてもらい、待合室へ行った。
そして30分ほどゆっくりしていると、女性が私に話しかけてきた。
「美藤アイヌさん。例の確認したいことです。来てください。」
「はい。」
確認って…本当に何なんだよ。
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