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ついに、直接対決の時が来ましたよ…!
林間学校6日目。午後8時55分。裏庭に着くと、そこにはすでに春野さんがいた。
いつも私を睨みつけているその目は、どこか遠くを見ているようだった。
「春野さん」
そう声をかけると、ビクッ!と肩を震わせた。まるでいつもの私みたいに。
「あの…何、?」
「私、アンタに謝りたいことがあって」
そう言うと春野さんは、黙ってしまった。つられて私も。
春野さんが口を開くまでおよそ10秒、私には何時間にも思えた。
「今まで酷い事したなって思ってる。でも、気づいた時にはもう戻れなかった。本当にごめんなさい」
手が震えてる。相当勇気が必要だったんだろう。でもそれで、「はい、いいですよ」って言えるほどまだ、私は人間ができていない。
「…なんで?ついこの間まで私のことあんなに言ってたのに」
「ここに来てわかったの。学校では、もともと友達がいたから、あんなことをしても楽しく過ごせた。でも、仲良くなる前にアンタをいじめてるってことを知られたら、距離取られるだけだって。少なくとも今、アンタと同室の2人は、ほとんど私と喋ってくれない」
「それって、自分が居心地よくなるために謝ったってこと?」
「違う!そう聞こえたかもしれないけど、ホントに違う!」
「じゃあなんで、?」
「…れいれいが、過ごしにくいだろうなって」
「え、れいれい…、?」
「だって、アンタたち私と喋んないでしょ。それはいいの。今までやってきたことの結果だし。でも、れいれいが私と一緒の部屋班で、私と一緒にいてくれるせいで、アンタたちと話せないのはオカシイなって、」
驚いた。春野さんが人のために謝るなんて。しかも、まだ会って一週間も経っていない。
私がこの林間学校に来て変われたみたいに、春野さんも何か、変化が起こったのかな?
「うん、わかった。普通に話そっか」
「え?もっと『何言ってんの?』みたいなこと言われんのかと、」
「だって、人のために謝ったのに、『元通りで』なんてそんな事言えるわけ無いじゃん。でも、『普通に話す』ってだけで、『許す』ってわけじゃないから」
「うん、私も今までのことが許されると思ってなかったし」
「そっか、これからよろしくね、あおちん」
「こちらこそ、れん」
これ、クッソ悩んだんですよ。
私、もともと嫌がらせされたのに許すのなんで??派の人間なんですよ。
少女漫画のちょっと嫌がらせしてくる当て馬とかなんで許すの?って。
でも、みんな仲直りするってことはきっと、みんなはそれを求めてるんだろうなぁって思って。
イロイロ考えた結果、中立というか、カタチ的には「友達」というポストに収まるけど、精神的に?は「許さない(というか許せない?)」みたいな感じにしてみました。
どうなのかな?感想教えて欲しいです!
追記4/14
次、第一章完結です!