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第漆話【詰】
どこかから声がする。寒い気がする。これは、床。体が動かない。叫んでるのは誰?静にして。このまま寝たい。うるさい。
「__助けて!__助けて!**助けて!**」
その声を聞いて、私__シラハは意識を取り戻した。目を開こうと、接着剤で止められたような瞼を無理やり開いた。急に見た眩しい光に目を細める。見ると、カエデが金髪の男性__ノルエ様に連れて行かれるところだった。シラハは慌てて起き上がると、駆け出した。
「ノルエ様!カエデを離してください!」
シラハが叫ぶと、ノルエ様はきょとんとした表情を浮かべた後、いつも通り微笑んだ。
「おはよう。早かったね。」
ノルエ様の声にシラハはめまいを憶える。………そうだ。発火した人がいて、ノルエ様が来て………。
「仕方ない。君も、来なさい。」
ノルエ様の唐突な命令にシラハは逆らえず、ノルエ様に着いていった。
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お祈りの場の椅子の裏。地下の扉をノルエ様は開き、押しやるようにして、シラハとカエデを中へと入れた。そして、自分も中に入ると、扉を閉めた。階段の先は地獄を投影したような場所だった。
`「殺し………て゛………。」`
牢屋から手を伸ばし、必死で言った言葉。耳を塞ぎたくなるような言葉から数々。憎悪と諦めの感情が詰まったような場所。カエデは途中で別の牢屋に入れられた。そして、シラハは真っ直ぐいった先のモニターの前の椅子に座らされた。中には数人の人と、真っ赤な花を持った一人の人。死んだ魚のような目をした数人の人の鼻に、花を押し付ける。花を持った人が出て行って、数分後に変化は起きた。苦しそうに息をし、壁にもたれかかる人。目を押さえ、うずくまる人。体を九の字に曲げる人。倒れ、はいつくばる人。そして、一人が発火した。連鎖するように、次々と発火していく人達。そこからは、地獄絵図だった。皮膚は焼けただれ、黒い燃えかすのようなものをボロボロと落とす。髪は額に張り付き、だんだんと焼かれ、焦げる。
`「熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!」`
最後に残った人が皮膚をかきながら叫ぶ。皮膚が「ベリッ!」と音をたて、剥がれる。尚もかき続ける。肉が焼ける悪臭がこっちにまで漂ってくるように思える。だんだんと、骨が見えてきた。所々黒ずんでいる骨は、炎に包まれ、黒焦げになった。「ビチャッ」音がして、その人の腕が血だまりに落ちた。血は広がる。腕のところに見え隠れしている骨を恐ろしく思う。触れてしまったら、壊れてしまいそうな真っ黒な骨。その人は片方に手で、喉をかきむしり始めた。嫌な音がして、喉から血が出てくる。もう、喉は焼けてしまっているのだろう。話そうとすると、風をきる音が喉から発せられる。それでも、無理やり話そうとするその人。
`「ガァ゛………い“………ヴ………“。」`
激しくせき込み、大量の血を吐いた。そして、血だまりに倒れ込んだ。モニターが途切れる。呆然とするシラハの腕をノルエ様__ノルエは掴み、無理やり立たせると、一番奥の牢屋に連れ込み、鍵をかけた。
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます!
やっぱりグロい表現下手だよ……。一応、R18だけど。
次回も読んでくれると嬉しいです!