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ミラーワールドへようこそ 7
「…では、なぜこの町へ来たのか、話を聞かせてもらえますか。…言いたくないのであれば、無理に話せとは言いません。話せる限りで良いので…。」胡夜とスクエアは、『ブルーホォレスト町』にて、群青色の服を纏う、エメランと名乗る人物と、話していた。「えっと、僕たちは、いなくなった友達を探しているんです。それで、コンパスを見つけたので、この町に来たんです。」「それはそれは。この町まで来ていただいて、ご苦労様です。多分、そのコンパスは、小さな遺跡のようなところで見つけたのでしょう?」「そういえば、遺跡のようでもありましたね…。古びてたので、ちゃんとは分かりませんでしたけど。」「その遺跡は、この町の人が作ったもので、大切なものを保管したりするための場所だったのです。今は、更に大きな遺跡を作れるようになったので、使われていませんが。」「じゃあ、コンパスは大切な物だったってことですか!?ごめんなさい!持ってきてしまって…。」2人はとても焦ったが、エメランは、「そのコンパスは、この町の者が、冒険に行く時、帰ってこられるように置いてあった物で、昔は中々作れる物ではなかったのですが、今は一般人でも作れるほどの物です。今のこの町では、大量生産することができるので、平気ですよ。」その言葉を聞いて、2人は肩の荷が降りたというように、ため息をついた。「そうです、お二人の事を話してもらったので、私の事も話しますね。…聞きたいというわけではないでしょうけど、少しだけ、聞いていってください。」「いえ、僕達もせっかくなのでエメランさんのこと聞きたいです!」「そう言ってもらって幸いです。…では、話しますね。」 「私が、この町の人たちと肌の色が違うのは分かるでしょう?翡翠色に近い色です。私は、この世界に冒険に来ました。」「お話の途中ごめんなさい。どうやってこの世界に来たんですか?」「それは……………ごめんなさい、忘れてしまいました。覚えていたはずなのですが………。」「いえ、大丈夫です。こちらこそ、お話の途中に口を挟んでしまって。」「大丈夫です。そして、この世界を冒険しました。赤い森や、岩が剥き出しの山のようなところまで。たくさんの場所を回りました。最後に、ここ、青い森にたどり着いたのです。」 「ここは、元々町はありませんでした。でも、青い森を冒険しているうちに、肌が青緑色の小さな少女に出会ったのです。少女は呟いていたのです。『家も小さくて、買い物するにも遠くて…。部屋も大きくて、買い物にすぐ行けるところに住みたい』とね。私も小さい頃は家が小さかったので、その気持ちが分かりました。元々、建築したいなと思っていました。もちろん、そんな気持ちでできるものではないとわかっていましたが、やってみたかったのです。そこで、木を切って、質素でしたが、家を作りました。その後に、赤い森、岩の山、色々なところで取ってきた材料を使って、装飾やその他のことをしました。…ごめんなさい、省かせて下さい。そこまでで、2日、3日だったと思います。少女は毎日散歩をしているようだったので、会った時に、この家に住んでみないか、と提案しました。少女は家族と相談するね、と言い、帰って行きました。後日、家族と共に引っ越しを行なったようで、お礼の手紙が届きました。あの時は嬉しかったです。その経験をバネに、家をたくさん作り、買い物をする場所や公共施設を作りました。そして、段々住人が増え、色々なことが発展し、今の町ができました。」「これで大体以上です。長い話にお付き合いいただいてありがとうございました。しばらく滞在しますか。それなら、空いている家があるので、そこを使って下さい。食料は、今、渡しておきますね。パンと野菜、お肉などでいいですか。」「あ、はい!お願いします!」「では。何かあったらここに来て下さいね。」「は、はい!」2人はその場を離れると、「空いている家」とエメランが言っていた家に向かうことにした。先程地図ももらったので、迷う心配はなさそうだ。ふと、スクエアが口をひらいた。「あんなに色々な事を覚えていたのに、どうやってここに来たのか忘れているなんて、不思議に思うんだけど…。」「確かに、いろんな話してくれたしねぇ…。」胡夜も同意する。…だが、そこまで話したところで、続く言葉が思いつかなかった2人は、黙って歩き始めた。
読んでくださって、ありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+新しい小説もつくりたいけど、このシリーズもまだ落ち着いてないしなぁ…と思っている、純白凍土です(´・ω・`)少しだけ進みました!あと、過去最高くらいじゃないですかね?1792文字は!頑張りました!しばらく更新しない気がしますが、次回も読んでくださると嬉しいです(`・ω・´)