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君のいない明日に咲く花へ
君を呪ったのは誰だ。
おとなしくて、いつも本ばっかに目を向ける真綾。
明るくて、どこまでもみんなに追いかけられる成海。
二人ともニコニコ笑っていて、
本当の親友で、私みたいな部外者すらもずっとそばで見てきたような気分になる。
だけど、二人は友達。彼女たちは二人で話している間だけの親友だった。
そんなのは本人たちが一番わかっているようで、
話終わって二人が離れていくと、ずっと苦しそうに、悔しそうに唇を噛む。
みんなに話しかけられる子と、みんなと話さない子。
その差は大きくて、天と地の差とはよく言ったもの。
そんな中。明るい…成海が転校することになった。
私としては「あれまぁ。」としか思わないし、思いたくない。
けど、涙目になってさよなら会をする真綾にはちょっと罪悪感。
私だけ通常モードでごめんなさいっていうか…。
でもさ、真綾ちゃんよ、こんなに心細くて明日とか大丈夫なのかな。
でも、案外通常通りにできたり?
「ねえ、悲しいかもだけどさ、切り替えてこ!」
「…!そうだよね!」
花のようにぱあっと笑う君が優しくて、ほんわかしてて、なんだか心が温かくなって。
その瞬間、この世で一番可愛く見えた。
「なんだ、明るいじゃん。」ってちょっと見直しちゃったりね。
転校して次の日。まだ成海ちゃんの机はあるものの、ないように扱われて、
もう成海ちゃんのことは忘れてしまったみたいに。
それは元クラスメイトとしても、一応の友達としても悲しい。
そして、一番驚いたのは昨日まで悲しんでいた真綾ちゃんは成海ちゃんの席をチラッと見ながら、
クラスのみんなに積極的に話しかけるようになって、心なしか前より明るくなった気がしたこと。
もしかしたら、真綾ちゃんの成長を妨げたのは
真綾ちゃん自身じゃなくて、成海ちゃんだったのかもしれない。
『成海ちゃんは真綾ちゃんのあの性格が大好きで
ずっとそのまま下を向いておけとでも言わんばかりに…。』
なんて妄想が過ぎたかな。
君のいない明日に咲く花よ。
ずっと元気に咲き誇れ。
そう私は祈りを捧げた。
久しぶりにかけました!!