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1話
目が覚めた。
光が眩しい。
「此処、何処」
見覚えの無い場所。
「中也が居ない…」
中也を探そう。
さっき迄の記憶が曖昧だ。
「いたっ」
私は地面に尻餅をついた。
ぶつかって倒れた、という事を理解するまで時間がかかった。
「大丈夫か?」
私はその声に弾かれたように顔を上げた。
手を差し伸べられていた。
顔を上げると、少し草臥れた様な身なりをしている男性がいた。
良く分からず手を伸ばすと、
「ぁ、え?」
手が幼かった。
ハッとして、右にあったお店のショーウィンドウを見た。
私は七才ほどの見た目になっていた。
「どうしたんだ、急に」
声や雰囲気が織田作に似ているように感じた。
頬を暖かいものがつたった。
「!?」
止めどなく涙が溢れていた。
「なんで…ぇっ」
全部、思い出した。
「私の名前は、#名前#」
「私を、家族にして、ください」
気づけば、そう云っていた。