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いろはな、結成
「紅葉」
「なあに、のばら?」
わたしの前の席では、紅葉さんと紅呂さんが、楽しそう_いや正確には紅葉さんが呆れ顔で、紅呂さんが楽しそう_にしゃべっていた。
「はーあ、あんな青春を送りたいのに」
ぽんっ。
「四葉さんっ…!」
「堅苦しい言い方せんといてや。理想は高いほどええっちゅうやろ、咲良?うちとしゃべったらええだけやろ?」
「…!」
木翠四葉さんだ。
「あ、四葉。今、わたしたちで会議をしています。よければ、グループに入りませんか?」
「グループ?」
「はい、先着2人」
紅葉さんがピースをする。
「あ、じゃあうち入るわ。咲良も入るよな?」
「よ、四葉さ…!あっ」
さん、と言う声を封じ込む。
「決まりじゃな。メンバーカラーじゃけれど…各々の名前に入っている色でええじゃろ」
「そうですね」
紫と、黄緑と、水色と、赤。
いろんな色、だな…
「じゃあさっそく、『いろはな部』の結成やな!」
「…け、結成!?」
いろはな部!?部活!?
「悪いのか?部活の内容は、学校に彩りと笑顔の花をあたえるための活動じゃ。悩み相談、雑用…どうじゃ?」
「まあ、悪くはないと思う」
「決まりじゃな!さっそく、部活結成届を出しに行くぞ」
「わかった!」
いろはな部…部員は5人必要なはずだけれど…
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「まあ、いいでしょう、受理します」
その声が校長室から聞こえ、しばらくして紅呂さんが出てきた。
「たっくぅ、四季映姫・ヤマザナドゥ校長先生のお話長すぎるのじゃ…。|教頭先生《小野塚小町》の助け舟はないし」
まあ、いい。とにかく、『いろはな部』の結成完了!