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アパート
早く引っ越したいなぁー
そうずっと思っていた
その夢がやっと叶った
狭いアパートで4人暮らし
そんなわたしが大きな一軒家へ
自分の部屋もできた
ワクワクした
気合いをいれて新居の掃除をした
だけど
元のアパートへ戻ると
空っぽだった
わたしが12年間育ったあの家は
なにもなかった
まるで思い出をすべて消されたよう
あんなちっぽけな家に
借りている家に
わたしたちのものじゃないのに
そんな家に
12年間の思い出を詰め込んじゃったから
だから
こんなに苦しいのかな
もっと早く引っ越せば
こんな事思うこともなかったのかな
新居から見えるアパート
それはわたしが住んでいたアパート
もう電気はついてない
でも
鍵を開けたら
まだ暖かいあの家が
あの光景が
広がってそうで
どこか受け入れられなくて
妹や弟は
そこで生まれ育った
あのちっぽけな狭いかごで
だけど、引っ越してみたら
あの狭さが暖かくて
距離が近くて
心地よかったんだ
広いいまの家は
どこか寂しい
だけどわたしは
この広い大きな家に
あのちっぽけなアパートよりも
もっともっと思い出を詰め込みたい
アパートの思い出は
少しずつ心に積んで
きっと思い出は
形ではなく
記憶でもなく
魂に刻まれるものなのだと思う
だからわたしは
この経験も
アパートの思い出として
心に刻んで
あの広い一軒家に
新しい思い出を詰め込もうと思う