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学級裁判 中編
瑞希「まずは杏からだね」
瑞希「そもそも、杏が殺されたのは一歌ちゃんより先だったのか、後だったのか…」
絵名「2人が殺された順番は…わんだほい☆ハンマーが証明してるじゃん!」
奏「いや、ハンマーの順番が殺された順番とは限らない…」
奏「と言うより、それ自体が犯人の偽装工作だと思うよ」
愛莉「あのハンマーの番号が犯人の偽装工作という事は…」
愛莉「実際に殺された順番は、白石さんが先で、星乃さんが後という事かしら?」
類「その根拠はあるのかい?」
奏「殺された白石さんの腕時計だよ」
奏「針が6時過ぎを指した状態で壊れてるよね?」
瑞希「おそらく、犯人に襲われた時に壊れたんだろうね。だって昨日の晩見た時には…」
瑞希「しかも、昨日の夜の時点で壊れていなかったとなると…」
瑞希「杏が襲われたのは、今朝の6時過ぎという事で間違いない」
奏「つまり白石さんは、その時刻に殺されたんだよ」
遥「だけど、朝の6時過ぎとなると…一歌が殺されたのよりずっと前だよ…」
奏「それに、最初に日野森さんが襲われた、朝の7時過ぎよりもね…」
瑞希「そう…杏の殺害は、どの事件よりも早く起きていたんだよ」
奏「それを、私達は勘違いしてた…」
奏「あのハンマーのせいで、事件が起きた順番を誤認していたんだよ…」
類「犯人がわざわざ凶器に番号を振ったのも、凶器を徐々に大きくしていったのも…」
類「事件がハンマーの番号通りに行われてると、誤認させる為だったという訳だったんだね」
瑞希「しかも、杏の殺害時刻が朝6時過ぎだとすると…杏の殺害時には全員のアリバイが適用されなくなる」
瑞希「だって、彼女の事件が起きたのは、ボク達が食堂で合流するより前って事になるんだからね」
遥「確かに、杏の殺人に関してはそうかもしれないけど…」
遥「一歌が殺された時は、私達全員にアリバイがあるよ」
みのり「そっか!確か天馬さんが殺された時って…」
みのり「保健室から一歌ちゃんの悲鳴が聞こえた時、雫ちゃんと瑞希ちゃん以外は全員一緒にいたんだったよね!」
みのり「その後、みんなで保健室に駆け付けた所で…一歌ちゃんの死体を発見したんだよ…!」
えむ「ほんとだ!アリバイがあるねー!」
雫「分かったわ!悲鳴をラジカセに録っておいて、それを時間差で流したのよ…!」
絵名「ラジカセなんかどこにあるの…?」
雫「それは…知らないけれど…」
絵名「適当な事言わないでよ!」
司「と、とにかく…一歌の悲鳴が聞こえた時は、オレ達にはアリバイがあったんだ!」
司「だから、あの場所に居たオレ達は…一歌の殺人は不可能になるな!」
志歩「不可能なのは一歌の殺害だけじゃない…その後の死体消失の件もそうだよ」
志歩「保健室から一歌の死体が消えた時…私とみのりは、一緒にトイレに居たし…他のみんなも物理準備室に居たんだよね?」
志歩「それに、物理準備室から死体が消えた時もそうだった…」
志歩「あの時、私達は一歌の死体消失の件で全員、保健室に集まってる」
えむ「まぁあたしは、ずーーっと物理準備室でバタンキューだったけどね☆」
雫「じ、じゃあ…ジェノサイダーなら、絵名の死体を運べたんじゃないのかしら?」
類「白石君の死体運搬は可能でも、保健室に居た星乃さんの運搬は不可能だよ」
類「星乃さんの死体が無くなった時も、えむくんは物理準備室で倒れていたからね」
えむ「まぁ…どっちも殺ってませんけどね!!」
冬弥「つまり、星乃さんの殺害も…その後の2人の死体消失も俺達には不可能だったんですね」
志歩「逆にそれらが可能なのは、姿を隠していたお姉ちゃんか暁山さんだけだよ」
奏「瑞希…どうするの…?」
瑞希「このまま"誰が"やったかを話し合っても話が堂々巡りするだけだね…」
瑞希「じゃあ"誰が"じゃなくて、"どうやって"で考えてみようか」
瑞希「特に一歌ちゃんの死体運搬については話し合う必要がありそうだからね」
奏「そうなんだよね…いくら調べても、星乃さんの死体の運んだ方法が分からなかった…」
奏「しかも日野森さんの証言によると…」
奏「星乃さんの死体は、日野森さんと花里さんが目を離したほんの1分程度の間で消えたんだよね」
奏「でもあんな短い間で…1階の保健室から3階の美術倉庫まで運べるかな…?」
穂波「そんなの不可能ですよね…」
瑞希「それを可能にする方法がある…と言ったら?」
司「なに!?あるのか!?」
瑞希「うん…死体自身に移動してもらえばいいんだよ!」
奏「え……?」
愛莉「それは…死体が勝手に動いたってことかしら…?」
絵名「ゆ、幽霊…!?」
類「いや、恐らく瑞希が言ってるのは…」
類「死んだと思っていた星乃さんが…実は生きていた可能性があるって事じゃないかな?」
みのり「い、生きていた…!?」
遥「一歌は運ばれたんじゃなくて…自分の足で動いたって事…?」
愛莉「じゃあ…あの死体はなんだったのよ…?」
類「死んだフリ…になるね」
志歩「まってよ…そんなのあり得ない…」
奏「星乃さんが生きてた可能性…
奏「そんなの…ほんとにあるの…?」
穂波「最初に保健室で見つけた時の一歌ちゃんは、生きてた可能性があるってことだよね…?」
志歩「そんな訳ない…一歌は間違いなく死んでたよ」
瑞希「どうしてそう断言できるの?」
志歩「暁山さんも死体発見アナウンスを聞いたでしょ?」
志歩「あれは一歌の死体を発見したから…」
奏「…あの時の死体発見アナウンスって、星乃さんの死体を発見したせいで流れた物なのかな…?」
志歩「当然だよ、一歌を発見した後に流れたアナウンスだからね」
奏「でもそれは…白石さんの死体を発見した人達も同じだったと思うよ?」
類「そうだね…僕達は白石君の死体を発見した後、あのアナウンスを聞いている…」
奏「つまり、私達は勘違いしてたんだよ…」
奏「白石さんの死体発見アナウンスを、星乃さんの死体発見アナウンスだと…」
愛莉「そもそも、死体が2回見つかったら…アナウンスも2回流れるはずよね?」
志歩「モノクマが横着して、1回にまとめただけでしょ…」
類「モノクマ…その点はどうなんだい?」
モノクマ「とってもセンシティブな問題だから…詳しい事は言えませんが…」
モノクマ「そもそも死体発見アナウンスっていうのは!」
モノクマ「3人以上の人間がその死体を、最初に発見した時にだけ流れるのです!!」
雫「答えになってないわ…横着したかどうかを聞いているのに…」
類「いや、今ので十分だよ」
雫「え…?」
類「死体を“最初に発見した時にだけ”流れる…という事は…」
類「同じ死体を何度発見しても、アナウンスは流れないんだね?」
類「だとすると、あの時の死体発見アナウンスってなんだったんだろうね?」
えむ「あの時ってー?」
奏「私達は今回の一連の事件で、2回死体発見アナウンスを聞いているよね…」
奏「2回の死体発見アナウンス…」
奏「1回目は保健室と物理準備室で、同時に死体を見つけた場面だった」
奏「そして2回目…美術倉庫で2人の死体を見つけた時…」
奏「あの時はアナウンスまで気が回らなかったけど、これはモノクマの言葉と矛盾してるよ…!」
類「死体を“最初に発見された時だけ”流れるなら、死体を再発見した時に流れるはずがないからね…」
奏「じゃあやっぱり…」
奏「私達が2人の死体を再発見した時…どちらか片方の死体は、実は初めて発見された状態だったんだ…」
冬弥「つまり、最初に保健室で発見された星乃さんはまだ死んでいなくて…」
冬弥「俺達が本当に星乃さんの死体を発見したのは、美術倉庫の時だったという事だよな…」
絵名「でもさ…保健室にいた星乃さんが死んだフリをしてたなら、あの血はなんだったの?絵の具かなにか?」
瑞希「保健室の冷蔵庫に、輸血用の血液が保管されてたから…それを使ったんじゃないかな?」
瑞希「それに、一歌ちゃんが生きていたとすると…杏の死体消失にも説明が付くからね」
瑞希「誰が杏の死体を運んだのか…分かるよね、奏?」
奏「…星乃さん…だよね」
愛莉「私達が保健室に集まってる隙に、物理準備室から白石さんの死体を運んだのね…」
奏「そうすると、美術倉庫に鍵が掛かってた件にも説明が付く…」
絵名「鍵…?」
みのり「2人の死体が消えた後、みんなはすぐに2人を探したでしょ?」
みのり「その時、私は遥ちゃんと真っ先に美術室に行ったんだけど…」
遥「そしたら、美術倉庫に鍵が掛かってたんだよね…」
司「それに美術倉庫のドアの鍵って…倉庫側しか掛けられない造りになってるんだよな…」
絵名「つまり…みのりちゃん達が美術倉庫に行った時…」
瑞希「その中には、誰かいた…という事になるね」
愛莉「それって…白石さんの死体を運んだ後の星乃さん…よね?」
瑞希「そう。一歌ちゃんは死んだフリをする事でみんなを欺き…その隙に、杏の死体を美術倉庫に運んだんだよ」
奏「つまり星乃さんは…単なる被害者じゃなく、加害者として事件に関与していた…」
穂波「そんな…信じられないです…」
瑞希「信じられないなら…もう1つの根拠を見せようか?」
雫「まだあるのね…」
瑞希「うん、一歌ちゃんが事件に関与していた事を示す…最大の根拠が残ってるよ」
キリ悪いですが長くなったので終わります
もうすぐ学級裁判も終盤…
楽しみにしていてください