ヒトコワ

愛　「学校きちー。そもそも中二からずっといじめられてもう四年経つんだが。」 愛　「なんか加害者の弱み握れねぇかなー。」 愛　「あ、インスタあるじゃん。加害者の裏垢探したろ探したろwww」 インスタをインストール 愛　「うちの学校の公式アカウントから探って...」 愛　「意外と同級生個人情報丸出しだな。アカウント名本名にするなよ。」 愛　「あ、加害者その1発見。フォロリク送ろっと。」 愛　「他にも何人か送ってみるか。こういう時本名だと絶対に誰だかわかるから安心できるんだよな。」 ▽ 愛　「で、インスタ入れてから3ヶ月。主犯が最近インスタ始めたことを知る・・・と。」 愛　「まぁいいや。もう学校も対処しないしこんな学校通うのしんどいし。」 愛　「・・・転学するか。」 愛　「でもなーバレたら面倒なんだよなー」 愛　「実際に私が不登校になる前まで仲良くしてくれてた花ちゃんは私がいなくなった途端にいじめられてそのまま転学しちゃったもんな。」 愛　「おまけにクソ加害者ども・・・松田とか山内とか余裕でdisりまくってて最悪だったしな。」 愛　「・・・先生と交渉するか。」 ▽ 愛　「よし。これでクラスメートには学校を辞めるってだけ伝わるから転学のことはバレない。」 愛　「そして、同じ部活の美久と梓、雪とラー（←あだ名）には転学するって伝えられたし。」 愛　「先輩にも伝えられたから良かった。」 愛　「心機一転新しい場所でも頑張るぞ！！」 ▽ 愛　「さてと、今日はクラスの奴らに私が学校を辞めるって伝わったわけだが・・・。」 愛　「ん？DM？誰だ？」 愛　「あ、暁斗か。洸の幼馴染の。洸とは今も仲良くしてるし、返信しとくか。」 チャット 暁　「愛ちゃんであってる？」 愛　「あってますよ」 暁　「学校辞めるって聞いて」 愛　「そうですね」 暁　「前インスタに病気？ってあげてたよね。辛いよね」 愛　「薬を飲めば落ち着くけど、飲まないと大変だね」 暁　「そっか。相談乗るからいつでも連絡してね」 愛　「ありがとう」 チャット終了 愛　「いいやつじゃん。」 愛　「まぁ、病気って言っても過敏性腸症候群と強迫性障害と適応障害だから治らないわけではなきにしもあらずって感じだけど・・・」 愛　「勝手に勘違いしてるならいっか。」 ▽ 愛　「何気に毎日暁斗からDM来ると流石にだるいな。しかもなんか匂わせ系多いし・・・」 チャット 暁　「愛ちゃんって好きな人いるの？」 愛　「今のところはいないよ」←先輩に告白されたけど返事してないので 暁　「そうなんだ。」 暁　「ねぇ、いつか遊びに行かない？」 愛　「洸でも誘うか？」 暁　「二人っきりは嫌？」 愛　「私ボカロしか歌わないし基本喋らんぞ？」 暁　「別に構わないよ」 愛　「じゃあ今月は予定立て込んでるから来月行こうね。」 暁　「ありがとう！」 チャット終了 愛　「う〜ん。なんかきしょいな。お〜いマイシスター」 妹　「何？」 愛　「このDM若干キモくね？」 妹　「微妙にキモいね。」 愛　「それなw」 ▽ 愛　「一週間暁斗とチャットしてるな。」 愛　「流石に返すのも面倒くさくなってきた。」 チャット 暁　「もう気付いてると思うけど、俺、愛ちゃんのこと好きなんだ。」 愛　「気持ちは嬉しいけど、私はまだ暁斗くんのことを詳しく知らないからまずはお友達から始めてもいいかな？」 暁　「付き合ってから知るのはなし？」 愛　「やっぱり、それなりに相手のことを知ってからの方が嬉しいかな」 暁　「そっか。急にごめんね」 チャット終了 愛　「うっわなんか告ってきた。」←うざいな 愛　「別に暁斗に全く興味ないし、最近先輩に告られたばっかだしだるい・・・」 愛　「マイシスター！！なんか告られたー！！」 妹　「モテモテじゃんwww」 愛　「嬉しくねー」 ▽ 愛　「さて、暁人からのチャットも落ち着いて・・・ないな。今度はなんだ？」 チャット ストーリーの写真と共に 暁　「スタイルいいね」 愛　「自分ではそうは思わないけどね」 暁　「いい方だと思うよ」 愛　「ありがと。」 暁　「喜んでるのも可愛い♡」 チャット閉じる 愛　「マイシスター。キモい。」 妹　「見せて〜。」 ・・・ 妹　「キモい。」 愛　「なんて返せばいい？」 妹　「ここは母の力だ。」 愛　「マイマザー！！なんか同級生からきもいDMがくるー」 母　「見せて〜」 ・・・ 母　「え、今の高校生ってこんなもんなの？」 愛　「わからん。」 愛　「あ、またチャット来た。」 チャット 暁　「ごめん。どうしても諦められない」 暁　「愛ちゃんと付き合いたい。」 暁　「なんでもするから」 愛　「別に何かして欲しいわけじゃないよ。」 愛　「それに、私のどこがいいの？」 暁　「声が素敵だし、イラストとかも上手いし、可愛いし、魅力をあげたらキリがないよ」 暁　「好きだからハグもしたいしキスもしたいしその先のこともしたい。」 チャット強制終了 愛　「まって。キモいキモいキモい。」 妹　「流石にこれは気持ち悪すぎ。」 母　「ごめん。私も返す言葉がない。」 愛　「マジでどうしよう。」 母　「よし。一旦ステイto nightだ。」 愛　「マイマザー？」 ▽ 愛　「今日もDM来てるな。さてさてどんな内容かな？」 チャット 暁　「実は元カノがめんどくさいタイプだから、このDMのことは誰にも話さないで欲しい」 愛　「わかった。言わないよ」←すでに母と妹に話している 暁　「ありがとう。」 暁　「やっぱり諦められないよ。」 チャット終了 愛　「スルー決め込むって大事だな。」 愛　「けどこれ一生続くの面倒だな・・・」 愛　「よし！みのり先輩に相談だ！！」 電話 愛　「もしもし」 み　「もしもし愛？どうかしたの〜？」 愛　「実はかくかくしかじかで」 み　「うっわ。きも。ブロックしなよ」 愛　「とは言っても親交ある人の友人なので安易にブロックもできなくて・・・」 み　「あ、じゃあ私が彼氏のふりするからそれ証拠にして送りなよ」 愛　「ありがとうございます！！」 電話終了 愛　「よし。これで証拠を作って・・・」 チャット 愛　「言うタイミング逃したから今言うけど、私付き合ってる人がいるの。暁斗くんの告白のちょっと前に告白されてね。だから付き合えない」 暁　「相手ってどんな人なの？」 愛　「私が辛かった時に支えてくれた習い事先の人だよ」 暁　「そうなんだ。いい人なんだね。」 チャット終了 愛　「そろそろ返さなくてもいいかな？」 愛　「てか、ここまで来たら連絡来なくなろだろう。」 ▽ 愛　「今日で三週間目。まだ連絡は続いております」 愛　「もうチャッピー（チャットGPT）くんに返信頼むか。」 チャット 暁　「やっぱり諦められない。」 暁　「それくらい君のことが好きなんだ。」 暁　「付き合えない？」 愛　「何度も言うけど、私は二股したくないんだよね。」 暁　「じゃあ遊びに行けない？二人きりで。」 愛　「カラオケとかショッピングとかってこと？」 暁　「でも、二人きりだと彼氏怒らない？」 愛　「そしたら間に洸挟むわ笑」 暁　「ほら、カラオケでえっちなことする人もいるじゃん？」 愛　「仮にそう言うことするつもりなら絶縁する。」 暁　「しないよ！でも、彼氏さん心配かなって」 愛　「じゃあショッピングにするか。」 暁　「二人きりで出かけたいってこと？」 チャット終了 愛　「うっわだっる。こちとら洸挟む言ってるだろ。」 愛　「最悪ショッピングなら家近だから両親近くに置いとけるし。」 愛　「ていうか毎日毎日いかがわしい内容のDM送ってきてキモいしメンタルに来るわ。」 愛　「よし。洸に相談するか。」 電話 愛　「ごめん洸。ちょっと相談したいことがある」 洸　「どうしたの？」 愛　「できれば他言無用で。」 愛　「実はかくかくしかじかで」 洸　「昔馴染みだけど、あいつはそう言うこと言うタイプじゃないんだよな」 愛　「脅されてたりしない？ほら、前陽太が松田と山内に脅されてたりしたじゃん。」 愛　「それに、私女だから男の気持ちわかんないし彼女持ちなんだから教えてよー」 洸　「ああ。俺別れた。」 愛　「え！？あ、そう。」 愛　（へぇ、主犯の田島と別れたんだ〜。ふ〜ん） 愛　「あとは元カノちゃん？わかんないけど、学校辞めちゃったし。」 洸　「明日学校だし、俺の方でも調べてみるよ」 愛　「ありがとう！感謝だわ。」 電話終了 愛　「あとは結果待ちか。」 愛　「それまで返信しないでおこう」 ▽ 愛　「月曜日は月曜日だよ〜♩」 愛　「さてと、洸のライン確認するか」 ライン 洸　「暁斗のインスタの名前がもし、自分の名前ならなりすまし。」 愛　「確認する」 確認した。 愛　「名前、暁斗だった。アイコンはよくわかんない黄色いキャラクター」 洸　「それは完全になりすましだ。」 洸　「一応警察に連絡して。」 洸　「それとブロック必須。」 愛　「りょ、了解。」 ライン終了 愛　「まって、なりすましって誰がやったの？きしょいって流石に。」 愛　「一部DMスクショってるけど、フルで文章スクショするか。」 チャット あっきー　「二人きりで出かけたいってこと？」 愛　「アカウント名・・・てか、アイコンも変わってるんだけど・・・？」 愛　「この人、誰？」 愛　「しかもフォローも外されてる・・・。」 愛　「ちょ、ちょっと待って、」 愛　「私の名前知ってて、学校辞めたこと知ってて、仮に暁斗じゃないなら、暁斗の元カノのことも知ってるってこと・・・？」 愛　「じゃあ、なりすました犯人は誰？」 その後、私はすぐに両親に相談した。 その結果、まずは学校側に問い合わせて暁斗くんが送ったのか、なりすましなのかの確認をすることになった。 もし、なりすましだったり、学校が対処しなければ警察に被害届を出すつもりだ。 これ以降、私は恋愛漫画やストーリーが怖くて仕方がなくなってしまった・・・。