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迷路とレミリア
「あら、迷路。来たの」
レミリアはそういった。
「何が悪い」
迷路とレミリアは親しい仲である。今日も迷路は、管理神たちに頼み込んで幻想郷へと来たのだ。
「あっ!迷路お姉ちゃん!」
「フランちゃん!久しぶり」
「紅茶、いれますね」
「あ、ありがとう」
迷路はフランにすっかり懐かれていた。能力を用いてクマのぬいぐるみをあげると大喜びで、かわいい。それに咲夜がいれたコーヒーとクッキーも絶品で、迷路は幸せだった。
すると、迷路は思い出したように咲夜にたずねた。
「咲夜、パチュリーと美鈴、小悪魔はどこか知ってる?」
「何故?」
「読みたい本があって」
「魔導書?」
レミリアがたずねた。
「幻想郷などのことを知りたいと思っていて。神だから」
「あんたももう少し気を緩めればいいのに」
レミリアが紅茶を飲みながら言う。ついでにクッキーもつまむ。
「義務的にはしてないよ。好奇心だけ。神だから、っていうのは言い訳さ」
「ふふっ」
「ねーねー、今度はウサギのぬいぐるみがいい!」
「いいわよ」
迷路はにっこりと微笑む。そしてぬいぐるみを生み出した。
「これでどう?」
「わぁー!かわいい!ありがとう!」
にっこにこのフランを見て、レミリアは
「ありがとね」
と言った。
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「パチュリー」
「その声は…迷路ね?」
「あったりー」
パチュリーの静かな返事が図書館内に響いた。
「今度は何借りてくの?魔理沙よりは迷惑じゃないけど」
「あれ、チルノとか大妖精、ルーミアは借りないの?」
はー、とパチュリーはため息を付いた。
「借りるわけないじゃない。さ、早く本を選んで」
「えー、冷たいなあ」
すると小悪魔が飛び出してきた。
「あっ、迷路さん!何読みます?」
「うーん…幻想郷について書かれてる魔導書かな」
「魔導書は結構揃えてるんですよ!」
小悪魔はぶ厚めの魔導書を迷路にわたした。
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「えー!もう帰っちゃうのー?」
「また来るからさ?」
アフタヌーンティーも終盤、というところ。
「今日は目当てのものも借りれたしね。俺も一応、これでも神なんだ。普通に働かなきゃだしね」
「やーだーやーだーー!!」
「じゃあ、わんちゃんのぬいぐるみでどう?これ、持ってきたんだ」
「…はぁい」
迷路は犬のぬいぐるみをあげると、フランに渡した。そして、去っていった。