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【第一生】~ヒュプノスとタナトス~
朝…世界は今日も正常に動いている。
風が吹き、雨が降り、雪が降る。
そしてこの1日で数千人もの人達がこの世を去る。
人々は死後『天国や地獄に行く』『輪廻転生する』など様々な考えを生み出してきた。
だがどうなるのか誰にも分からない。
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「《志音|シオン》!早く起きなさい!」
母の大きい声で私は目覚めた。
「はぁ…」
私は億劫だったが体を起こした。
『ガチャ』
突然ドアが開いた。
「なあ、お前今日学校休みじゃなかったか?」
そこにいたのは身長175cm前後の大学2年生兄。
「……ノックぐらいしたら」
兄に苛立ちながら私はそう言った。
「そんなに怒らなくていいだろ〜」
「私の部屋来る暇あったら自分の部屋居なさいよ」
「相変わらず可愛くないな〜」
「いいから出てって!」
そう言って私は兄の背中を押した。
「……疲れた」
まだまともに歩いて動いてないのに、なぜこうも疲れが感じるのか
だが今日は高校の創立記念日、しかもこの日は金曜日つまり3連休。
家に引き篭もることが好きな私にとっては最高の日だ。
「それじゃあゲームでも…」
私がスマホに手を伸ばした瞬間ドアが勢いよく開いた。
「ちょっと何やってるのよ!外で友達が待ってるわよ!」
「え……?何言ってんの、今日は誰とも遊びに行く予定無いって昨日も言ったじゃん」
「あんたが忘れてるだけかもしれないでしょ!早く支度しなさい!」
母はそう言って私の服を出し、部屋を出た。
正直な話その時わたしは恐怖に押しつぶされそうになっていた。
まずまず私には友達はいてもそこまで仲良くは無いし、家は教えたこともない私には皆の前で誇って友達がいるとは言えない状態だった。
「どう言うこと……」
部屋からは幸い玄関が見えた。
私は心を落ち着かせながらも気づかれないよう慎重にカーテンの隙間から外を覗いた。
そこには確かに人がいた。見たこともあったこともない人がそこに立っていた。
だが私はその者たちについて行った。
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『次のニュースです。3月6日北海道で高校1年生の※※志音さんが行方を断ちました。
最後の目撃情報は……』
「ねぇ、見てよお兄ちゃん私失踪してる」
志音は兄の方を見ながらテレビを指した。
「え〜、マジじゃん〜、いっそのこと警察に言ったらどうだ私はここにいますよ〜ってさ」
志音の兄である《ルカ》は笑いながらそう言った。
「そういや、お前機嫌治ったんだな、昨日なんかすっごいピキピキ? してたのに」
「まあ、色々あったし…てっ今それどころじゃないでしょ。あとピキピキって何?」
「それは置いといて……お前、よくそんなにのんびりしながら言えるな」
その時の志音は床に座りながらスマホを横にし呑気にゲームをしていた。
昨日あんなことがあったとは思えない態度、さすがゲームバカだ。
「それでどうするんだよ。お前を訪ねてきた知らないやつ。ずっとあのままにはできないぞ」
ルカは呆れながらそう言う。
「それはまぁ……神様がどうにかしてくれるでしょ」
大丈夫、大丈夫と言いながら志音はゲームを続ける。
「はぁ…神様を舐めてると痛い目に遭うぞ。」
その態度が気に食わなかったのかルカは志音の頭を軽く叩いた。
「いった!何すんの!そんなことくらい知ってるっての!」
「はぁ…お前そんなんだから今回もすぐ死んだんだぞ。」
呆れた様子でルカは言う。
「うっ……分かってるよ……」
その時のルカには志音が少し落ち込んでいたように見えたのだった。