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好きな色
ナオハ
あなたが好きな色は何?
好きな色…それが能力になるセカイ
そんなセカイのある変わった少年のお話
僕はラカア
このセカイは、自分の好きな色がそのまま能力になる
みんな、友達は好きな色があって、能力がある
でも、僕は違う
僕は能力がない
つまり、好きな色がないということ
僕はそれが理解できない
僕から見るセカイは、あふれるぐらいの灰色で満たされてるのに
僕の心は暗い、濁った青紫なのに
僕はそれでも好きな色を探し続けている
この灰色のセカイで、僕から見える一つの希望を
僕は家を出てもう3年も経った
まだ、色が見つからない
まだ、セカイが灰色のまま
早く見てみたい、希望の色
見つけた色は熱い情熱の赤だろうか
冷静で大人な青だろうか
明るい光のような黄だろうか
そうやって僕はいつも考えている
そもそも見つかるのだろうか
そんな事を考えた瞬間、現実を見る
僕は今日も、見つからないのだろう
そう思っていると、急に場所も知らないのに
勝手に足が進んでいった
まるで、友達の家に遊びに行くような感覚だった
そうして歩いていくうちに、ついたのが
お花畑だった
灰色の花たち
ここに来たって、好きな色は見つからないよ
小さい子供をしつけるかのように
心のなかで自分に言い聞かせた
たった一輪、目に入った
僕はその花を見た瞬間、不思議な感覚になった
嬉しさや、それがほしいと思う気持ち
僕はその花を取って、見てみると
きれいで、汚れ一つついていないような
白い花だった