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脅迫文
オレと類が旧館を出た時、驚くべき光景を目の当たりにした
司「冬弥と…花里?」
みのり「あ、司さん!」
珍しい組み合わせだな…
2人ともじっと目を凝らして何かを見ている…
司「…何やってるんだ?」
冬弥「外から床下に入れないか調べているんですよ」
司「床下に…?」
冬弥「床下に入れるかどうかによって、事件の真相は大きく変わる…気がするんです」
類「なるほど…その考えは無かったよ。流石だね」
司「…?どういうことだ?」
類「ほら、思い出してごらん」
類「宵崎さんの死体があったテーブルの下には、床に敷いた絨毯が届いていなかったよね?」
類「それに、あの大広間の床は、木と木の隙間がかなり開いていたはずだよ」
司「ならば…犯人は床下から宵崎を刺し殺した可能性もあるってことか?」
みのり「でも、ここからじゃ頑張っても入れないんです…頑丈な柵が邪魔してて…」
類「かといって、旧館からも無理だよね。床下に入れる場所なんてなかったし…」
司「だが、どこかに隠し穴があった可能性も…」
類「いや、それはないよ」
司「そ、そうか?」
類「とにかく、外から床下には入れないんだね。それを聞いてホッとしたよ」
司「ホッとした…?どういうことだ?」
類「外から床下に入れてしまったら、その時点で容疑者は1人になるだろう?」
司「む?」
類「パーティーに参加していなくて、その間のアリバイもない人物…」
司「…そうか!彰人だな?」
冬弥「実は…俺もそれを疑っていました…」
冬弥「…と言うのも、俺が見張りをしていた時、一度だけ彰人がここに来たんです」
司「彰人が…?」
---
冬弥「…ん?彰人?こんなところで何してるんだ?」
彰人「うぉ…っお、お前こそここで何してるんだよ…」
冬弥「俺はモノクマが入ってこないように見張りをしている」
彰人「そうか……」
冬弥「…彰人はパーティーには参加しないのか?」
彰人「はっ…こんな状況で仲良しこよしのパーティーなんて、参加するわけねーだろ」
冬弥「ふむ…本当は彰人も参加したいんじゃないのか?だからここに来た…とか」
彰人「は!?ん、んなわけねーだろ…!散歩してるだけだっつーの…」
彰人「それとも、何をするにも誰かに報告しなきゃいけねーのか?」
冬弥「いや、そう言うわけではないが…」
彰人「と、とにかく、俺はもうコテージに戻るからな」
---
司「そんなことがあったのか…」
類「彼がどうしてここに来たのか…理由は分からないけれど、疑う理由はもうないみたいだね」
類「さてと…そろそろ宵崎のコテージに向かおうか」
彰人「…なんすか?」
司「彰人…モノクマの放送は聞こえたか?」
彰人「聞いたに決まってますよ…殺されたのは宵崎さんらしいっすね」
彰人「…もしかして、俺を疑ってるんですか?」
司「い、いや、そう言うわけではないぞ…!」
司「オレ達がパーティーをしている時に、何をしていたのか教えて欲しいだけだ!」
彰人「アリバイ確認か…」
彰人「何もしてないっすよ。ずっとコテージでくつろいでただけです」
司「ずっと…?」
司「だが、冬弥が旧館の前で彰人に会ったと言っていたぞ?」
彰人「…確かに、少し散歩はしましたね、その時たまたま旧館の前を通ったんですよ」
司「そうか…ありがとな」
彰人「……っす」
---
ガチャガチャ…!
司「む?鍵が掛かってるみたいだな…」
類「こういう時は…」
類「おーい、モノクマー!」
モノクマ「はいはい!呼びましたか?」
司「お、お前…いつからモノクマを飼い慣らしたんだ…?」
類「君にお願いがあるんだ。少し調べたいことがあってね…」
モノクマ「おやおや、どこに向かって話しているのかな?そちらは残像ですぞ…」
モノクマ「くっくっく…ボクが本気を出せば、残像だって生み出せるんだ!」
モノクマ「これならサッカーも1人でできる!」
モノクマ「まぁ、1人でやるサッカーなんてつまんないけどね!」
司「いいから、早く宵崎のコテージの鍵を開けてくれ…」
類「これは、今後の学級裁判でも必要なことなんだ。頼めるかい?」
モノクマ「学級裁判に…必要?」
モノクマ「ふむ、学級裁判に必要とあれば断る訳にもいきますまい」
モノクマ「では、扉を開ける呪文を…」
モノクマ「ぱっ、ぱっ、ぱるす!」
カチャ…
モノクマ「ほら、開いたよ!あとはオマエラの自由に調べるといいさ!」
なんで呪文で開くんだ…
司「…とりあえず、中に入るか」
---
テーブルの上に、封筒のようなものが置いてあるな…
司「誰かが、宵崎に宛てた手紙か?」
類「差出人の名前はない…これは怪しいね…」
類「中身を確認したほうがよさそうだよ」
司「あぁ、そうだな…えっと…」
--- 警戒せよ。今晩最初のコロシアイが起きる ---
--- 必ず誰かが誰かを殺す ---
司「…は?」
類「これ…犯罪予告?」
類「いや、《《警戒せよ》》ってことはむしろ脅迫文かもしれないね…」
司「だ、誰がこんなものを…!?」
類「そうか…もしかして、宵崎さんが急にパーティーをすると言い出したのは、これが原因だったのかもしれない…」
司「え…?」
類「今晩最初のコロシアイが起きる……彼女は、そんな脅迫を受けたからこそ…」
類「みんなを一ヶ所に集めたり、やたらと危険物を気にしていたんじゃないのかな?」
司「…あいつは、こんな訳のわからない手紙を信じたってことか?」
類「万が一だとしても、彼女はその可能性を見過ごすことはできなかったんだよ」
類「宵崎さんは、1人も犠牲者を出させない…そう言っていただろう?」
司「その約束を守るために…万が一の可能性でも見過ごさなかった…?」
司「そんなことなら…オレ達に相談してくれればよかっただろ…」
類「できなかったんだろうね…それもまた、万が一の事を考えてさ」
類「この手紙の内容がみんなに伝わってしまえば、それが嘘だろうと本当だろうと…」
類「僕達は疑心暗鬼になって、それこそ取り返しのつかないことになる…」
司「だから宵崎は…1人でなんとかしようと…」
類「彼女の責任感の強さからして、そうとしか考えられないよね」
司「……………」
司「と、とにかく…この手紙を送りつけた奴が犯人って事でいいんだな?」
類「いや、これはただのいたずらで…宵崎さんの死に本当に関係しているとは限らないし…」
ん…なんだ?急に歯切れが悪くなったな
あぁ、そうか…類は、オレ達の中に犯人がいるなんて信じたくないんだな
だが、ここまで来たらそうとしか考えらないはずだ…
この手紙を書いた奴が、宵崎を殺した犯人なんだ
だとするとそいつは…
宵崎の考えを完全に先回りし、あいつに手紙を送ったという事だな…
類「司くん、学級裁判までの時間は、もうあまり残されていないはずだよ」
司「…そう、だな」
類「………………」
類「あっ、そういえば、司くんは日野森さんに何か頼み事をしていたよね?」
司「あぁ、停電直前の皆の立ち位置を割り出してもらおうと思ってな…」
司「そろそろ終わった頃かもしれないな。お前も来るだろ?」
類「………………」
類「すまないけど、そっちは君に任せるよ」
司「えっ?」
類「少し自分の考えをまとめたくてね。1人の時間が欲しいんだ」
司「そ、そうか…」
類「あ、それと、旧館に戻るなら朝比奈さんの話も聞いたほうがいいかもしれないね」
類「彼女の検死も、ある程度結果が出ている頃だと思うよ」
類「それじゃあ…また後で」
…………?
あいつ、青白い顔をしていたような…大丈夫なのか?
司「とりあえず、旧館に行くか…」
---
雫「あっ、司くん!」
司「どうだ?何か分かったか?」
雫「うん…」
司「む…?どうしたんだ…?」
雫「ええと、これを見てほしいの…」
雫「停電直前に撮った2枚の写真から、みんなの立ち位置を割り出してみたんだけど…」
雫「そうしたら、こんな図になったの」
司「これが皆の立ち位置…当たり前だが、大広間に集中しているな」
雫「あの写真を見て作った図だから、間違いないと思うわ!」
やはり、宵崎が立っていた位置は、あのテーブルからかなりの距離があるんだな
とてもじゃないが、あの暗闇を移動できる距離ではない…
司「…む?これはなんだ?宵崎が殺されたテーブルから伸びてる線は…」
雫「それは卓上ランプの電源コードよ〜、念の為書いておいたの!」
卓上ランプの電源コード…?
そのコードが宵崎が殺されていたテーブルから伸びてるということは…
雫「どうかしら…何か分かった?」
司「うーーーむ……まだはっきりした事は…」
雫「私もよ…自分で書いたのに分からなくって…」
雫「手掛かりになりそうな気もするけど…無駄な労力だった気もして…」
司「いや、それはあり得ないぞ!」
雫「え…?」
司「まだはっきりとは分からんが、ここに手掛かりが隠されているのは間違いないはずだ!」
雫「…ありがとう、司くん!」
司「あぁ!」
司「朝比奈さん、少し話を聞きたいんだが…いいか?」
まふゆ「うん、大丈夫だよ」
司「検死の結果を教えてもらいたくてな…」
まふゆ「わかった。えっと…できる範囲で奏の死体を調べてみたんだけど…」
まふゆ「奏の胸や腹部には、無数の刺し傷があって…」
まふゆ「その傷が、肺や内臓にも達してて…」
まふゆ「おそらく、直径5ミリくらいの…細くて鋭利な何かで…」
まふゆ「何度も何度も刺されたんだと…思うよ」
まふゆ「……………」
司「朝比奈…?大丈夫か?」
まふゆ「あ…その…話してるうちにちょっと…」
司「無理はしなくていいぞ、話の内容は大体分かったからな」
まふゆ「…ありがとう、心配かけちゃってごめんね」
それにしても、直径5ミリとは…
かなり細いよな、アイスピックや千枚通しレベルの…
冬弥「ふむ…やっぱり、旧館の中からも床下に入れるところはないみたいです…」
類の言う通りか…
とすると、花里の髪飾りはもう諦めるしかなさそうだな
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咲希「あっ!トイレが開くようになってる!」
司「む?咲希と一歌か」
司「そういえば…パーティー開始直後から、誰かがトイレを使ってたって…」
一歌「確か…朝比奈さんが言ってましたよね」
咲希「結局停電の後も、ずっと鍵が掛かってて開かなかったんだよね…」
咲希「それで、やっと開放されたのは…宵崎さんの死体が発見された後だったかな?」
一歌「うーん、誰が入ってたんだろうね…」
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キーンコーンカーンコーン…
モノクマ「はーい!時間でーす!そうです!学級裁判の時間です!」
モノクマ「では、集合場所をお知らせいたします…」
モノクマ「ジャバウォック諸島の中央にある島に、愛らしいボクの顔が彫り込まれた岩山があります」
モノクマ「その名も、《《モノクマロック》》でーす!」
モノクマ「そこに隠された秘密の入り口から、エレベーターで地下へとお進みください!」
モノクマ「うぷぷ、じゃあまた後でねー!」
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中央の島にある、モノクマの顔が彫り込まれた岩山…?
…行くしか、ないよな
絶対に犯人を突き止めてみせる…
生き残るために…やるしかないんだ…!