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プロブレム・ガールズ 4話(メグ編)
先生「さあー、この間やった物理の単元テストを返すぞー。」
「えー」「やだー」など、口々にクラスメイトの声が挙がる。
先生はそんな生徒たちの私語を制し、テストを返し始める。
先生「―――結城さん、また学年1位だよ。流石だな。」
あたしの番になると、テストを返すと同時に先生が小声でそう言った。
あたしは少し微笑み、こくりと頷いてテストを受け取り、席についた。
98点――でも、嬉しくもなんともない。
どうせ、お母さんも褒めてはくれない。
学校では、先生は褒めてはくれるものの、あまり嬉しくはなかった。
あたしは、欲しがっていたんだ。お母さんが褒めてくれることを。
お母さんじゃない人に褒められても、嬉しくはない。
だけど、お母さんは褒めてくれない。
あたしは、テストにの点数について誰とも話すことなく、小さく折りたたんで机の中にしまった。
月日は経ち、あたしはもう高校生。それももう2年生。
中学に入ると同時に、あたしは人と関わることを避けた。
人と関わると、つい自慢したくなってしまうからだ。
もう、自慢するのはやめた。
期待するのはやめた。
ただ、必要最低限のことを頑張って、普通に過ごす日々。
中学も、そんな平凡な生活を送り、あっという間に中学校生活は終わった。
高校だって同じだ。
あたしは、ただ誰とも関わることなく影薄く過ごすだけだった。