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白狐の護り#6
このシリーズの終わりが見えないです…(泣)
遅れに遅れてこれですよ(((((
ああ………頭が………がんがんと響く感じがする。
何か、別の「もの」が、そこに、すぐちかくに、いる。でも、見えない…
なんで……?
ああ、
きっと、
あたしの頭で響く怪異の気配は、
私の目の内側にいるか、ら………
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5年前
白御神町で、悲劇が起きた。
心中未遂。
加害者の女性は、「赤木 ささ」、被害者の男性は、「中野 英明」
赤木は、中野への愛情に溺れていた。
中野がいなければなにも出来ず。
しかもそれは一方的な依存だった。
赤木が凶行に及ぶ数年前まで、二人は付き合っていた。
しかし、二人は、別れてしまう。
原因は、赤木の、中野への異常なまでの愛。
この時から、もう既に赤木は狂っていた。
「お、おい………やめろ、や、や、や、めてく、くれ!?
さ、ささっち…
お前、なんで、それを…!!」
「ふ、ふ、ふふ…!
私を、私を愛してくれてる、のよね…?
目に入れても、口に入れても、痛くも痒くもないほど…?
本当は、私の指とかあげたかったんだけど……
ひでくん、綺麗、って、いってくれたし、し?
私の髪、あげる、長かったの、きったよ!
あげる、あげる……
食べれる、よね?」
「あ、あ、う、ううわあああああああ!!!」
赤木の異常さに恐怖を覚えた中野は、心中未遂事件の数年前の、この事件をきっかけにぱったりと赤木と連絡を取らなくなった。
赤木は、しばらくの間中野と連絡がつかない事に放心状態となるが、やがて、愛は恨みに変化し、それからしばらくして、どうしようもないほどの悲しみになる。
振り向いて欲しかっただけなのに。
いつの日から、こんな事に。
ああ、付き合い始めたばかりの、瑞々しく淡い光をまとっているような、そんな日々が、懐かしい。
朝起きても、食事中も、外に出ても、空を見ても、痛くても。
何故か、私は昔の事しか思い出せなかった。
でも、
それでも
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彼女は、自分の異常性に気づいていなかった。いつまでも、自分は正しいと、信じていた。
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英明は、自分を捨てたのか?
なんで?
高校の時、一生懸命、頬を染めて、告白して、笑顔で英明からも想いを告げられたあの日。
あの日から、私は、自分の、「英明への愛」を、日々、強めていったはずなのに。
愛は、大きくなっていったのに。
いいものじゃないの?愛は。
ねえ
なんで
なんで……
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赤木は、悲しみのあまり自殺を決意するが、彼女の中には、やはり愛が、捨てきれないほどの愛が残ったままだった。
彼女は、ありったけの愛を込めて、中野を刺した。
その一瞬後、彼女も自らに包丁を突き刺した。
自殺すると、中野に会えない。
なら、一緒に。
よくある、心中だった。
しかし、その当時赤木は極度に衰弱していて、刺す力も弱かった。
元々の男女の体力差に加え、赤木の栄養状態はひどいものだったため、「死にやすい」状態でもあった。
先に刺されても、中野はなんとか生き延び、赤木は、結果として一人で死んだだけとなってしまった。
黄泉の国に向かう途中で中野がいないことに気づいてしまったのか。
赤木は、戻ってきてしまった。
いつか、自分の長い髪を
食べてもらうため。
愛を認めてもらう、ために……
しかし、赤木は、中野に告白した当時の自分と同い年の少女たちが、「恋」という、たった2文字の発音をしただけで、過剰に反応してしまった。
あの、まあまあ幸せだった日々が。
愛が足りない、と思って、ありったけ注ぎ込む前の日々。
中野の自分を見る目が、恐怖に染まる前の。
そんな日々の記憶が刺激される。
中野への愛との相乗効果で、理不尽だとは頭の片隅で理解しつつも、本能に近い憎悪が頭を支配し、気がついたら、訳もなく、少女達に危害を加えようとしていた。
まあ、それでもいいか。
愛さえ、それさえあれば………
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「!?……
寝子よ、冗談ではなく酷い憎しみの感情がすぐそこに来ているのじゃ!?
恋音の「怪異憤怒」に引き寄せられたモノが早速いるかもしれないのじゃ!
少しばかり、妾が助けに行ってくる!!」
「ア、待って!?僕も、援護スルヨ!」
恋音の危機を肌で感じ取った二人は、即座に憎しみの感情の源泉へと向かうのだった。
がちでメンヘラの書き方をだれか教えて下さい(土下座)
「違う!」てなった方、その通りでございます。僕はメンヘラの描写をするの、生まれて初めてでございます。
どうかご容赦を。
そして、次の更新も遅くなるとは思いますが……
これも、ご容赦をおおおおお!
今回まあまあホラーでしたかね…?
もしよかったらファンレターで教えてくd(((((((
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!!