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これでも太宰の相棒です
いつかの夏。
大きな任務だったのだろう。
だがその記憶はない。
何故だろうか。太宰はそれを話したがらないのである。
太宰side
5年ほど前の夏。その年は冷夏だった。
『麗華さん、任務三人でですって。』「へー、三人で。珍しいね」
その時の双黒はまだ連携があまりとれていなくて強くはなかった。
「太宰、僕が死んだら君は中也と二人で生きてね」
麗華は急にそんなことを任務直前に言いだしたのだった。
敵組織の名前は月燐の騎士団。あとから聞いた話だが麗華さんがマフィアの前にいた組織だったらしい。東京で有名な組織ということもあってかなり強かった。
マフィア幹部で死者を出したのは今のところこの時だけだ。
『、ふ…これぐらい全然…。ぼくのせ、いめいりょく、舐めないでくれる?』
「麗華さん…!!!」私もこれ以上に必死になったことはないだろう。
『いつもそうだ、僕は勝つ側につくのだから。安心しな…さ、い』
安心できるわけがなかった。
勝っても、いや負けたとしても麗華さんが居なければ何の意味も持たないから。
『そろそろお迎えかなぁ…笑、』「いやです、麗華さん…!泣」
『太宰が泣いたら駄目だろう?最期ぐらい愛らしい太宰を見せてくれよ』
自分でも麗華さんは【最期】という言葉を使っていた。
だけど彼女は何もなかったかのように生きている。私の隣で仕事をしているのだ。
死んでいなかったのだと思うだろう。これは断言できる。彼女は、麗華は、
確実に死んでいた。
脈も呼吸も体が冷たくて本当に死んでいた。
だが彼女は生きていたのだ。
_何故?
そんなこと私にはわからない。わかったところで、なのだ。
だが麗華本人に聞かれた時はほんっとうに困る。
麗華死んでたよなんて言えるわけがあるまい…。しかも死に敏感な麗華に…。
というか何故麗華はこの職に就いたのだろうか?
私の中から純粋な疑問が生まれたのであった☆めでたしめでたし☆