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学級裁判 後編
瑞希「みのりちゃんが犯人なら説明してよ、どうやってあの密室を作り上げたの?」
みのり「それは…」
みのり「そんなこと…どうでもいいよね…!?」
みのり「は、犯人だからってなんでも教えないといけないの…!?」
瑞希「うーん、そういうわけじゃないけど…でもなんで話せないのか気になるなぁ…」
類「まさか瑞希…花里さんは犯人じゃないとでも言うのかい…?」
瑞希「だとしたら?」
類「あり得ないね、薬を入れ替えてる以上、間違いなく犯人は花里さんだよ」
奏「本当…かな」
奏「本当に花里さんが…?」
奏「なんか…不自然だよ…」
類「…不自然って…どういうことだい?」
奏「だって、あんなに目立つような足跡を残すとか…」
奏「あからさますぎて…変じゃない?」
瑞希「そうだよね、自分から怪しんでくれって言ってるようなものだし…」
みのり「それは…その…」
みのり「緊張してて…足跡に気づかなかったんだよ…!」
瑞希「気づかなかった?」
みのり「う、うん…だから仕方ないよね…」
瑞希「…ねぇみのりちゃん、もう少し詳しく説明してくれる?」
みのり「な、なんで…!?そんな必要は…」
奏「私からもお願いするよ…花里さん」
みのり「…わかったよ」
瑞希「それじゃあ、化学室に薬を取りに行ったところから話してもらおうかな」
みのり「えっと…まず私は最初にCの棚に行って…毒薬を取り出したんだ」
瑞希「棚の前に粉末を撒いたのはその時?」
みのり「うん…棚から薬を出す時に、うっかり落としちゃって…」
みのり「次に…Aの棚にプロテインを取りに行って、そこで薬を入れ替えたの…」
みのり「入れ替えが終わった後は…私は毒薬が入ってるプロテインの容器を持って化学室から出て行ったんだけど…」
みのり「そこで…プロテインを入れた毒薬の瓶を…間違えてAの棚に戻したせいで…」
みのり「全部バレちゃって…終わりだよ…」
奏「………」
奏「ねぇ花里さん…」
奏「今の話だと、最初にCの棚から毒薬を持ち出した後、Aの棚にプロテインを取りに行ったんだよね…?」
奏「つまり、Cの棚からAの棚に移動した…」
みのり「う、うん、そうだけど…」
奏「…もう一度聞かせてくれるかな…?」
絵名「奏…何回聞くの?」
雫「結果は変わらないと思うんだけど…」
みのり「私は最初にCの棚に行って、毒薬を取り出したんだよ」
瑞希「棚の前に粉を撒いたのはその時でしょ?」
みのり「うん…棚から毒薬を取る時に、うっかり粉の入った瓶を落として…」
瑞希「それで、そのあとは?」
みのり「CからAの棚に移動して…」
奏「花里さんは、最初にCの棚に行って、そこで粉末を撒いたんだよね?」
みのり「それがどうかしたの…?」
奏「現場にあった足跡は、CからAの棚に向かってなかったよ…」
奏「これって矛盾してるよね…?」
みのり「え…?」
愛莉「足跡を偽装するためにわざと遠回りしたんじゃないかしら?」
奏「それはないよ、花里さんは言ってたよね」
奏「緊張してて足跡に気づかなかった…」
みのり「あ…っ!」
司「ど、どういうことなんだ…?」
みのり「えっと…それ、は…」
瑞希「みのりちゃん、嘘ついてるよね?」
瑞希「だってこの足跡を見る限り、みのりちゃんの行動は…」
瑞希「粉末が撒き散らされた後に化学室にきて、そのまま直接Aの棚に向かった…」
瑞希「つまりみのりちゃんは、Cの棚には行かず、Aの棚だけで何かをしてたみたいだけど?」
みのり「あ…えと…」
みのり「………」
類「どういう…ことなんだい…?」
瑞希「それに、みのりちゃんの証言でおかしいのは、足跡の件だけじゃないよ」
類「なっ…!」
瑞希「それを説明するために、新しい証拠を出してもらうね〜」
類「あ、新しい証拠だって…?そんなのどこに…」
瑞希「え?それをくれたのは類でしょ?」
類「僕が…?」
瑞希「さっき類がくれた瓶の中に、その証拠が隠されてたよ」
瑞希「こんな大事なものに気づかないなんて、致命的な見落としをしてるね」
類「………」
類「じゃあその証拠って…なんだい?」
瑞希「これだよ…」
奏「これ…ガラスの破片?」
瑞希「瓶の底に紛れ込んでたんだよね」
瑞希「おかげで謎が解けちゃった!ありがとっ!」
類「な、なんだい…その破片は…」
瑞希「あれ、まだわかんないの?」
瑞希「奏ならわかるよね?」
奏「え、わ、私…!?」
奏「あ、えっと…多分その破片は、娯楽室の割れた窓ガラスだと思うよ…」
類「窓ガラスだって…?」
奏「私が割った娯楽室の窓ガラスも薄水色だったし…」
瑞希「そうだね、だからこそおかしいんだ」
瑞希「なんで娯楽室の窓ガラスが毒薬の瓶の中に入っていたんだろうね?」
えむ「どこがおかしいの〜?」
奏「いや…どう考えてもおかしいよ…だって花里さんの証言によると…」
奏「毒薬の瓶は化学室のAの棚に置いてきた…って言ってたよね」
みのり「え、えっと…」
奏「でも、あの毒薬の瓶の中に娯楽室の窓ガラスが入ってたってことは…」
冬弥「あ…花里さんの証言は嘘ってことになるな…!」
奏「そう…毒薬の瓶は、本当は娯楽室にあったんだよ…」
奏「少なくとも窓ガラスが割れるまで…つまり、密室が破られた時までね…」
奏「じゃないとあの瓶の中に窓ガラスの破片が入ってたことの説明が付かない…」
瑞希「そして、それは密室が破られた後で、化学室の棚に戻されたんだよ!」
瑞希「逆に現場に落ちていたプロテインの容器…あれが娯楽室に持ち込まれたのは…」
瑞希「おそらく、密室が破られた後の事…つまり、遥ちゃんが死んだ後だね」
類「話が飛躍しすぎじゃないかな…?」
類「確かに毒薬の瓶は密室時の娯楽室にあったかもしれないけど…」
類「でも、プロテインの容器が持ち込まれたのは密室が破られた後だとは言い切れないはずだよ…!」
類「それに、桐谷さんが毒を飲んだのは…毒が入ったプロテインの容器を渡されたからじゃないのかい?」
類「プロテインの容器が現場になかったんだとすると…桐谷さんはどうやって毒を飲んだのかな?」
瑞希「そうだね…それも説明しないとだよね」
瑞希「だけどその前に、みんなに確認するけど…」
愛莉「確認?」
瑞希「そのプロテインの容器に関してなんだけどさ」
瑞希「遥ちゃんの死体を発見した後、誰かあれ蹴飛ばしてない?」
類「…何の話だい?誘導尋問?」
瑞希「いいから答えて!」
類「僕はしてないはずだよ」
奏「私もしてないよ…?」
穂波「私も、覚えありません…」
司「オレもやってないぞ!」
みのり「わ、私も…蹴飛ばしてなんかないよ…?」
瑞希「なるほど…うん!これでわかったよ!」
瑞希「やっぱり、あのプロテインの容器が持ち込まれたのは、密室が破られた後だったんだよ!」
冬弥「どうしてそう言い切れるんだ?」
奏「現場に落ちてた容器の周りに、ガラスの破片が散らばってたのは知ってるよね…?」
絵名「奏が割った窓ガラスの破片だったっけ…それがどうしたの?」
奏「あの破片が散らばってたのは、プロテインの容器の周りだけじゃなかったんだよ」
奏「あの破片は…容器の下にもあったんだ」
類「っ…!?」
奏「ガラスの破片が容器の下にあったってことは…」
奏「プロテインの容器が置かれてたのは、窓ガラスが割れた後ってことになるんだよ…」
奏「つまり、密室が破られた後…だね」
類「そういうことだったのか…」
類「さっき瑞希があの容器を飛ばした者がいないかを聞いてたのは…」
瑞希「破片の上にあったのは、誰かが容器を動かしただけかもしれないじゃん?」
奏「その可能性を前持って潰すためだったんだ…」
瑞希「お陰ではっきりしたよね?」
瑞希「密室だった娯楽室にあったのは毒薬の瓶だけ。プロテインの容器は、あの部屋にはなかった…」
瑞希「だけど、それは密室が破られた後に入れ替えられた。その結果…」
瑞希「プロテインの容器が娯楽室に置かれて、毒薬の瓶が化学室に置かれることになったんだよ!」
みのり「………」
類「だとすると、桐谷さんが毒を口にしたのはなんでだい…?」
類「毒入りのプロテインを受け取ったから、毒を飲んだんじゃ…」
奏「ううん…そうじゃなかったみたい…」
奏「きっと桐谷さんは、毒薬の瓶から直接口にしたんだよ…」
瑞希「密室時の現場にあったのが、毒薬のビンだけとなると、それ以外の可能性は考えられないかな?」
類「じゃあ…桐谷さんは毒と知りつつ、その毒を飲んだのかい…?」
類「そんなはずは…」
瑞希「あったんだよ、それがね」
類「………」
類「話してくれないかな…?」
瑞希「うん、まず最初にはっきりしておかないといけないのは…」
瑞希「密室時の娯楽室にあった毒薬のビン…それを化学室の棚から持ち出した人物についてだよ」
雫「みのりちゃんが持ち出して…遥ちゃんに渡したんじゃないの?」
瑞希「…奏はどう思う?」
奏「私は…桐谷さん自身だと思うよ」
絵名「殺された桐谷さんが…自分で毒薬を持ち出したの…?」
みのり「な、何言ってるの?そんなわけない!」
瑞希「いや、遥ちゃんが化学室に行ってるのは確かだよ。しかも毒薬のあるCの棚にね…」
みのり「嘘だ…そんなの嘘だよ!」
みのり「なんで…!なんでそんな嘘言うの!?」
奏「花里さん…桐谷さんの足の甲に黄色い粉末が付いていたのは知ってる…?」
みのり「…足…?」
奏「この黄色い粉末…確か化学室の棚の前に撒き散らされていたのも黄色い粉末だったよね…?」
奏「つまり、桐谷さんの足の甲に付着してたのは、あの化学室の粉末だと思うんだけど…」
みのり「あっ…!」
絵名「でも…なんで化学室の粉末なんかが足に…?」
司「しかも足の甲だよな…」
奏「…あの粉末が撒き散らされた時、桐谷さんがその場に立っていたからじゃないかな…」
奏「つまり、桐谷さんがCの棚で粉末を撒き散らしたんだよ…」
みのり「っ…!!」
奏「桐谷さんがあの瓶を落とした時…桐谷さんは粉末が撒かれた方向の反対側に立ってたんだよ…」
奏「だから直撃は避けられたけど…」
奏「でも、その際に舞った粉末が、桐谷さんの足の甲に付いた…」
奏「そう考えられるはず…!」
瑞希「じゃあ、どうして遥ちゃんはCの棚に行っていたのか…」
瑞希「毒薬を取り出す以外に考えられないよ!だって、あの棚にはそれしかないし…」
みのり「ち、違うよ!私が…私があの毒薬を…!」
みのり「だって…だって!」
みのり「犯人は私なんだよ!」
奏「違う!花里さんは犯人じゃない…!」
奏「犯人は…桐谷さんを殺したのは犯人は…」
奏「桐谷さん自身なんだよ…!」
みのり「うっ…!」
愛莉「遥自身が…犯人なの…?」
えむ「つーまーりー…自殺ってことだ!」
穂波「信じられませんよ…そんなの…」
奏「確かに信じられない…ううん、信じたくないけど…」
奏「でもそう考えたら、全ての辻褄が合うんだよ…」
奏「桐谷さん自身が毒薬を取り出して、それでその瓶から毒薬を口にしたのは…」
奏「自らの命を断つことだったから…」
奏「それで解けない密室の謎…あれは解けなくて正解なんだよ…」
奏「あの密室は、部屋の中にいた桐谷さん自身によって作られたもの…」
瑞希「きっと、邪魔を防ぐために作ったんだろうね」
瑞希「遥ちゃんは、その密室に持ち込んだ毒薬を飲んで、そこで息絶えた…」
瑞希「そして、その毒薬のビンは密室が破られるまでは娯楽室に転がっていたけど…」
瑞希「密室が破られた後、ある人物によって娯楽室から持ち出されてしまった…」
瑞希「それがみのりちゃん…だよね?」
みのり「うぅ…!」
瑞希「全ては捜査のかく乱のため…そうでしょ?」
瑞希「遥ちゃんの死体を見つけた時、みのりちゃんはドア付近に立ち尽くしたままだったよね」
瑞希「その理由は、みのりちゃんは既に…遥ちゃんの死を知っていたから…」
瑞希「それと、そのドア付近に毒薬の瓶が転がっていたから…」
奏「花里さんが毒薬の瓶を拾ったのは、あの時だったんだね…」
奏「死体を発見した私と瑞希の目を盗んで…」
瑞希「それに今思うと、その後のみのりちゃんの行動も何かおかしかったよ」
瑞希「みのりちゃんはみんなを呼びに行くって言ってたけど…」
瑞希「本当は容器の入れ替えをする為に、化学室に行くのが目的だったんじゃないの?」
瑞希「それで化学室に行ったみのりちゃんは、すぐにプロテインが保管されてるAの棚に行ったんだよね」
瑞希「そこで、娯楽室から持ち出した空の毒薬のビンにプロテインの中身を移し替えると…」
瑞希「空のプロテインの容器だけを持って、化学室を後にしたんだよ」
瑞希「そう考えると、あの足跡のつじつまも合うはず!」
奏「その後急いでみんなを集め、娯楽室に戻ってきた花里さんは…」
奏「みんなの視線が桐谷さんの死体に向けられてる隙に、プロテインの容器をこっそり現場に落としたんだよ…」
みのり「………」
奏「あの時気付くべきだったのかも…」
奏「本来の花里さんなら、誰よりも真っ先に桐谷さんのところに駆け寄るはず…」
奏「あの状況で桐谷さんの死体から離れるわけないんだよ…」
みのり「………っ」
瑞希「遥ちゃんは自殺だった」
瑞希「みのりちゃんはその事実を隠す為、一連の偽装工作をしたんだよ…」
瑞希「死の真実が隠せるなら自分が疑われても構わない…そう思っていたんじゃないの?」
瑞希「だから、証拠をあえて現場に残したんじゃないの?」
瑞希「粉末に残った足跡や、入れ替えた後の毒薬のビン…それらの重要な証拠をね」
類「じゃあ…花里さんは自分が犯人だと見せかける為に、偽装工作をしていたと言うのかい…?」
みのり「………」
みのり「ちが…うよ…」
みのり「私が殺したんだ!!私が遥ちゃんを殺したんだよっ!!!」
奏「花里さん…もういいよ…もう…終わったんだよ…」
みのり「違うっ!!終わってなんかない!!」
奏「終わったんだよ!!」
みのり「…((ビクッ」
奏「いや…終わらせないとだめなんだよ…!」
みのり「っ…!う…うぐ…っ!」
奏「桐谷さんは…自ら命を絶ったんだ…」
奏「花里さんは、その事実を隠す為に…自分が犯人だなんて…言ったんだよね」
みのり「………」
モノクマ「こらこら!これでオチがつきました…みたいなムードになってるけどさ…」
モノクマ「オマエラったら忘れてない?まだ投票タイムが終わってないよ!」
瑞希「あー…そうだったね」
モノクマ「ほんとに忘れてたの!?」
モノクマ「うー…テンション下がるなぁ…」
モノクマ「でもさ、こーゆーのってお決まりだからさー…一応やっておかないとだめなんだよね」
モノクマ「じゃあ面倒かもだけど…お手元のスイッチを押して投票してくださーい…」
モノクマ「投票の結果…クロになるのは誰なんでしょー…」
モノクマ「その答えは…正解なのか…不正解なのか…」
モノクマ「どうなんでしょーね…」
--- 遥に投票される ---
…………
………