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相対的に、早退手厳しい! 天国編
半年振りにこの日記帳を開きました。
半年前の僕の日記を見ることができません。
何を境にか、僕は全てが上手くいかなくなったのです。
半年前の自分に今の自分を見られたくないし、今の自分は半年前の自分のことを思い出したくないのです。
人間不信をテーマにしたアニメにとても共感してしまいました。
まず誰に謝れば良いでしょうか?
その次に誰に謝れば良いでしょうか?
最近何も無いのに、ごめんなさいと言ってばかりな気がします。
特に何てこともないときにも、ありがとうと言っていた頃に戻りたい。
「こんな遅くに何してるんだ?」
扉を半分開け、父が覗いていた。
電気が点けられる。
日記帳を引き出しに隠そうと急ぐと、余計に怪しまれてしまった。
父はその日記帳を取り上げ、有無を言わせないまま読み始めた。
それも最初、僕がまともだった頃の記録から読み始めたので、今この瞬間だけ時間を繰り上げられないかと本気で手段を考えた。
日記帳を大袈裟に閉じるのが聞こえた。
怒っているだろう。
しかし父の顔は失望が溢れていた。
一番嫌な表情だった。
僕は必死に父に謝った。
次の日の朝食の卓は、僕のことについて主に両親が話していた。
朝飯は嫌いな食パンだったし、全く喉を通らなかった。
「お前より辛い奴は沢山いる。そいつらに申し訳なくならないのか?」
なってるよ。だからずっと謝ってるんだよ。
「もういい」
父は椅子を引き、どこかに電話した。
僕はそれを横目に自室に籠もる。
あ、今日学校あるじゃん…。
支度をしなくては。
親と顔を合わせたくなかったので時間ギリギリになってから部屋を出る。
玄関には余所行きの格好をした父がいた。
「行ってきます」
自分でも聞き取れない細い声で、素早く家を出る。
「まあ、待ってくれ」
父が呼び止める。
「学校には連絡しておいた。ちょっと用事に付き合ってくれ」
学校を休めるのは好都合だったし、何より父に逆らうのが怖かったのでついていくことにした。
交差点を今まで曲がったことのない方に曲がり、着いたところは展望台だった。
受付の人にハーネスを付けてもらい、展望台…展望穴と言った方が正しいかもしれない。を覗き込んだ。
「ほら見ろ。地上ではこんなに辛い人がいるんだ。お前はあれだろ?羽がちょっと不揃いなだけじゃないか」
天使の少年は飽きることなく地上の人間を観察していた。
相対、早退、絶対的