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おおあめ
投稿サボっててすみません…!
ひーくんが27歳、めめが4歳。
めめはもともと孤児で、ひーくんに引き取られて現在育ててもらっている。
→この設定で進んでいきます‼︎
めぐろside
あるひ。
ほいくえんでおえかきしてたの。そしたらね?
ざーっ、ざーって、あめがふりはじめたの。
かみなりもごろごろってなってて、みんなびっくりしてこわくなっちゃった。
しばらくしたら、せんせいが、
「お母さんかお父さんにお迎えに来てもらいまーす!みんな、偉い子で待てる?」
って言ったの。
れんはおもったの。ひかるくん、おしごとでいそがしいからこれるかな、って。
でも、そんなことかんがえるのはやめた。
ひかるくんいってた。
「いつでも蓮が一番だよ。一番大切。大好きだよ」
って。だから、きっといそがしくてもおむかえきてくれるよね。
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岩本side
俺の本業はカフェの店員。
たまに副業(?)でダンスの振り付けやったりすることもあるけど。
いつも通り、カフェで働いてたら、スマホに連絡が来て。
休憩がてら確認したら、蓮の保育園からだった。
大雨になっちゃったから、いつもより早めにお迎えに来て欲しい、って。
「うわ、やべー…」
シフトを確認すると、この時間は店長と俺、そしてもう一人しかいなくて、全くもって抜けられそうではない。
とはいえ一回確認するべき。
「あのー…店長、」
「んー?どうしたー?」
「大雨で、息子の迎え行かないといけなくて…抜けられますかね」
「…マジかー」
「マジです」
「今、僕以外に二人しかいないんだよね?」
「………はい」
「あと1時間後だったら全然いいんだけどー…」
「1時間…」
「流石に息子くん可哀想だよね〜…」
「…はい」
「よし。じゃあ30分で許そう。まだこんな雨の中で迎えに行くのもしんどいだろうし」
「ありがとうございます!」
蓮、待ってろよ…!
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めぐろside
「んー…」
ひま。
せんせいが、おむかえくるまえにきれいにしようねっておもちゃおかたづけしちゃったから、することない。
おともだちはみんなかえっちゃって、あとはれんがにがてなこばっかり。
「れんくーん?」
こえがした。
そっちをむくと、たまにいじわるしてくるこがれんをみてた。
「なーに?」
「れんくんって、おとうさんもおかあさんもいないんでしょ?だからおむかえいないもんね?」
「…!ちがう!れんにはひかるにいちゃんがいるの!」
「うそだー。おにいちゃんなんさいなの?」
「…にじゅう、ななさい、」
「えー!へんなのー!」
「へんじゃないもん、!おにいちゃんつよいの!」
「つよいからなんなの?」
「…うぅ、」
「おむかえにきてくれないんだね」
「…〇〇くんもきてないじゃん!」
「もうそろそろくるってせんせいがおしえてくれたもんね」
「…!」
「れんくんはかわいそうだね、ひとりぼっちで」
「ひっ、ひとりじゃないもん…!」
「おむかえこないのに?」
「っ…」
「かわいそーw」
「……もういいもん。ひかるにいちゃんはちゃんとくるから!!!」
「へー…w」
れんはくやしくて、へやのはじっこにすわって、ちっちゃくなった。
…ひかるくん、まだ……?
れん、さみしいよ…。
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岩本side
「岩本〜、お疲れ様。帰っていいよ」
「ありがとうございます!」
「あとこれ。よかったら」
「なにこれ…あ、チョコだ」
「今日余分に作っちゃって。もしよければ息子くんと二人で食べて」
「色々ありがとうございます、店長!」
「いいえー。早く行ってあげな?ちょうど雨も止んできたし」
「はい!」
急いで制服を着替え、荷物を背負い、傘を差して走り始めた。
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めぐろside
いま、とけいのみじかいはりが5になった。
みんなほぼかえっちゃって、のこりはれんとさっきのいじわるなこ…〇〇くんだけになっちゃった。
「…ふわぁっ、」
きょうはおひるねしてないから、ねむい。
「れんくん、ねむいの?」
「…んーん、ちがう!れん、ねむくない…ひかるにいちゃんがくるまでねないもん」
「ずっとあくびしてるのにね」
「かんけいないもん。みないで」
「へー」
そとをみると、まだしとしとってあめがふってて、でももうまっくら。
よるのじかん。
…れん、おうちにかえりたい。
おうちで、ひかるくんとあそんで、おいしいごはんたべて、あったかいおふろはいって、ふわふわのふとんでひかるくんとねたい。
おうち、どこ…?
れん、ねむい…。
ひかるくんは…?れん、ひとり…?
そうおもったら、きゅーってこころがなって、おめめのはじっこになみだがうるうるした。
「ぅぅ…」
「れんくーん???」
「…!なに?」
「ないてるの?」
「ち、ちがう!!なかないもん!!」
「なみだきらきらしてるよ」
「ちがう!れん、なかない!」
「よわいこなんだねー。れんくんのおにいちゃんもがっかりしちゃうね」
「…っ!」
ないたら、れんよわいこ…?
ひかるくん、がっかりしてれんのこときらいになっちゃう…?
また、すてられちゃう…?
「ちがうもんっ、!れん、なかないから…!」
「ふーん」
「…」
ぎゅって、そばにあったおふとんつかんで、なかないようにがんばる。
ひかるくんまだかな。
おそいよ…。
…もしかして、れんのこときらいになっちゃった?
きらいだから、おむかえこない?
それとも、れんのことわすれちゃった?
すると。
がちゃっ!
って、ほいくえんのどあがあいた。
ひかるくんだ…!
そうおもって、かおをあげると。
「うわぁ!ままーー!!!」
となりで、いじわるしてた〇〇くんが、うれしそうにいった。
「あ…」
いっきにかなしくなって、またなみだがこぼれそうになった。
「〇〇、ごめんね?おそくなっちゃって」
「ううん、だいじょうぶ!さいごじゃないから!」
「でもさみしかったでしょ?おともだちあんまいなくて」
「だいじょうぶ!まま、だーいすき!」
「ふふ、ママも〇〇だいすきよ」
「ふふっ、じゃーねー!ひとりぼっちのれんくん!」
ばたんっ、てどあがしまった。
れん、ほんとうにひとりだ…。
せんせいは、ほかのおしごとがあるからっていって、ほぼみんなしょくいんしつ。
ひとりのせんせいがおなじくらすにいるけど、そのせんせいもぱそこんをかちゃかちゃやってて、れんなんていないみたいにしてる。
「…うっ、……ふぇぇ、」
なみだがこぼれそうになって、あわててごしごしってした。
おそとはまっくら。
れんはひとりぼっち。
「かえりたい…ひかるにいちゃん…」
ずっとまどみてるけど、だれもほいくえんのところにはいってこない。
ねぇ、ひかるにいちゃん。
れんのこと、きらい?
れんのこと、わすれちゃった?
れん、さみしいよ……。
まだ…?
ごろごろごろっ!
そとで、おおきなかみなりのおとがして、れんはびっくりした。
「かみなり…!」
さっきのかみなりのときは、おともだちとか、せんせいがたくさんいたけど、いまはひとりぼっち。
いやだ…かみなりこわい………
おふとんのなかに、ぎゅってたいいくずわりする。
ごろごろーって、ずっとかみなりがなってて、もうやだ。
「ひかるにいちゃん…」
がちゃっ!
またおおきなおとがなった。
つぎは、…どあがあいたおと!
れんはおふとんからそーっとかおをだす。
すると、すこしかみのけがあめにぬれてて、でもかっこいい、れんのだいすきなおにいちゃんがいた。
「ひかるにいちゃん…!!!」
「蓮!」
ひかるにいちゃんは、ふとんにかくれてたれんをみつけると、すぐにこっちにきて、れんをぎゅってする。
「蓮、ごめんね?ひとりでさみしかったよね…」
「…んーん、だいじょぶ………」
「ごめんね、蓮」
「……ひかるにいちゃん、れんのことわすれてた?れん、きらい…?」
「!そんなことないよ。蓮のこと大好きだよ。お仕事が忙しくてね、なかなかお迎え来れなかった。…でも、ごめんねの代わりにチョコ貰ったよ!あと、ケーキも買ってきた!」
「…けーき!」
「ね?おうち帰ったら一緒に食べよ?」
「食べる…!……ふぇぇぇぇぇぇっ!」
「蓮、ごめんね〜…!」
「よかったぁ……ひかるにいちゃん、れんのこときらいになったのかとおもった〜……!うわぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
「不安だったよね、ごめんね」
「っ、ふぇぇ、…おうち、」
「おうち帰ろうね。疲れたもんね」
「だっこぉっ、」
「抱っこね」
おててをのばすと、ひかるくんはにこってしながら、だっこしてくれる。
ひかるくんはれんをだっこしたまま、くらすにいたせんせいにさようならってあいさつして、ほいくえんをでた。
ひかるくんがあるくと、ゆらゆらってゆれて、きもちいい。
れんはどんどんねむくなって、ひかるくんのうでのなかで、ねた。
そのひのゆめは、ひかるくんといっしょにけーきとちょこをたべて、いっしょにねるゆめだったんだよ!
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岩本side
(ちょっと時間バグります)
やっと保育園に着くと、蓮しかいなかった。
蓮はふとんのなかにくるまってて、俺を見るとぱあって笑顔になった。
「ひかるにいちゃん…!!!」
「蓮!」
俺は布団にくるまってる蓮の方へ行って、ぎゅっと抱きしめた。
「蓮、ごめんね?ひとりでさみしかったよね…」
「…んーん、だいじょぶ………」
そう言う蓮だけど、とても寂しそうな目をしている。
「ごめんね、蓮」
「……ひかるにいちゃん、れんのことわすれてた?れん、きらい…?」
まさかの発言。
蓮にこんなこと思わせちゃった、と思うと、きゅっと心が痛くなった。
「!そんなことないよ。蓮のこと大好きだよ。お仕事が忙しくてね、なかなかお迎え来れなかった。…でも、ごめんねの代わりにチョコ貰ったよ!あと、ケーキも買ってきた!」
「…けーき!」
「ね?おうち帰ったら一緒に食べよ?」
「食べる…!……ふぇぇぇぇぇぇっ!」
ぽろぽろ、と蓮の目から涙が一気にあふれた。
「蓮、ごめんね〜…!」
「よかったぁ……ひかるにいちゃん、れんのこときらいになったのかとおもった〜……!うわぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
「不安だったよね、ごめんね」
「っ、ふぇぇ、…おうち、」
「おうち帰ろうね。疲れたもんね」
「だっこぉっ、」
ぴょんぴょんと跳ね、手を伸ばす蓮。
「抱っこね」
蓮を抱っこし、先生に挨拶して保育園を出る。
外に出ると、蓮は相当疲れていたのか、こてんと眠りに落ちてしまった。
「頑張ったね、蓮。大好きだよ」
そう呟くと、心なしか蓮がふにゃっと笑ってくれた。
Fin.