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天才ちゃん!9
「悠ちゃーん。もうそろそろだね。」
しずちゃんだ。
「? 何?」
「え?嘘でしょ?3年生の体育祭以外の唯一の行事があるじゃん。」
「あぁ、校外学習ね。うん、もうすぐあるね。」
「なんでそんなにサラッと過ごせるのぉー!?」
「え…だって、正直どうでもいい。」
「何故!?うちらが楽しめる残り少ない行事だよ!?学校という檻から逃げられるんだよ!?煩わしい人間関係からも一時期外れられるじゃん!?」
「まぁそうかもね。」
**「めっちゃいいでしょ!?」**
「かもしれないね。」
「もう…**何でそんなに反応が薄いのぉ!?**」
「普段と変わっているように思えないから?かな。みんながソワソワしているのは分かるけど。」
「じゃあ気にしなさいよ!」
「あら~静香ちゃん怒ってるわぁ。」
「そりゃ怒るよ!いろはちゃんも悠ちゃんの言を聞いたらわかる。」
「そうかなぁ?」
「そう。」
「違うと思うよ。しずちゃんは変なこと…じゃないどうでもいいことで怒っている。」
「うーん。うちは、どっちにも賛成できかねるなぁ。」
「何で!?」
「どうして?」
声が被った。何で!?がしずちゃんだ。
「静香ちゃんは押しつけているけど、悠ちゃんはまず理解さえしていない。」
あるかも…。
「うち、押しつけてた?」
「うーん、そんな感じに聞こえる、て言うだけやよ?」
「よかった…」
「おーい。いいか?じゃ、今日は、校外学習の班を決める。男女混合がいいが…。まあ無理だろう。女子だけは禁止だが、男子だけは許す。人数は4人〜6人。男女比が極端に偏らなかったらいい。決まったらどこ行きたいか話し合っとけ。」
先生の発言を皮切りに、みんなが班を作っていく。
「悠ちゃーん。やろう?」
「しずちゃんならやりたい!」
「私は?」
目、輝いている…
「乃蒼ちゃんもだよ!あれ?いろはちゃんは?」
「うちもちゃんとおるよ。」
「じゃ、一緒だね。けど…古宇利ちゃんと江東ちゃんが二人…」
「うーん、まあしゃあないと思うけどなぁ。」
てってって。走っていく。
「二人はどうするの?」
「わたしたちは、2人で組むつもりだよ?」
「大丈夫?」
「うちらは問題ないから安心して!」
そっか。良かった良かった。
さて?あとは男子だ。どうしよう?
選択肢的に二人のところだよね?
うーん…みんな3人くらいでいる。
あ!
「高麗くん達、私達と組まない?」
「金糸雀さんは何人?」
「4人いるんだ。大丈夫かな?他に2人でいるところがあまりなかったから来たけど…」
「お前はいいのか?」
「うん。問題ない。」
「よかったー。しずちゃん、これで決まったね。」
「だね。__いやはや高麗くんを引っ張ってくるとは…恐ろしや恐ろしや…__」
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「あいつに高麗くん取られた。」
「またたぶらかしている。」
「さっさと誘えばよかった。」
「どうする?2人のところもうないけど?」
「仕方がない。2と2に分かれよう。」
「了解。私たちもたぶらかすか。」
「いいね。」
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「どこに行きたい?」
高麗くんが最初に発した。
「私は、博物館とか美術館とかそういう学べる系。」
「「え?」」
「あぁ~。まあ、悠ちゃんだもんね。」
と、しずちゃん。続いて乃蒼ちゃん。
「うん。だよね。」
「やなぁ。」
「あ、そうなんだ…。」
そして呆れたようにいう大貝くん。
「他の人は?」
また高麗くんが仕切ってくれた。
「うちは、本音を言えば遊びたいけど、まあ無理だし、科学館とかそういう遊べる所がいいな。」
「私も!」
乃蒼ちゃんも賛成していた。
「うちは、この前の博物館が結構面白かったし、どこでもええなぁ。」
「僕は…もうどこでもいいや。ところで譲は?」
「俺は、特にないな。ということは、遊べる系の科学館、はくぶつかん らへんってことだな?」
みんなそれぞれで頷いている。
「じゃ、どこに行こうか?」
「うーん…遊べるところだったら…科学館はどこ行っても遊べる。で、美術館だと遊べないし、けど、博物館だったら…」
一つ思い当たることがあって、パソコンを取り出す。
「ねぇ、こんなのがあるんだけど、どう?」
それは、トリックアート博物館だった。
「あ、いいじゃん。面白そう。」
「で、近くには、こに科学館もあるから、2つ楽しめるよ!」
「ふうん。いいんじゃね?なあ、快真もよさそうだよな?」
「うん、僕もいいと思う。」
「うちもいいよ。」
「じゃあ、全員賛成で、こことここに決定な。…何でこんなのがすぐ出てくるの?」
「え?ここらへんにある〇〇館は、全部行っているから、かな?」
「そんな時間どこにある?」
「放課後。私、たいてい一人だったからね。」
「そうなんだ…。じゃ、先生に出してくる。」
「ありがとう、高麗くん。」
「ほいほーい。」