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全ての世界が狂した時
prolog
『また、同じ過ちを繰り返すの?』
『悪鬼は永遠に消えないんだよ?』
『一度君の心に住み着いた邪気は永遠に消えないんだ』
『それは君が闇に落ちた代償だよ?』
『───紫雲』
『俺は君を絶対にもう一度鬼にするよ』
『君は俺のお気に入りだからね』
『今度こそ、人間に戻るなんて馬鹿な選択をしないように』
『俺が本当の闇に染めてあげる』
───いつからだろうか。
きっと、きっと黒雪の記憶を消して人間に戻ってから少しした時から
毎日夢に出てくる悪鬼の主。
彼の言葉は毎回すぐに終わる。
今までの記憶を書き留めた紙を見て、ようやく今理解した。
きっと彼は───
また俺を悪鬼にするために何かをしでかすつもりだ。
彼は夢を見るたびに大きくなっている。
今はもう、子供なんかの姿じゃない。
きっと、彼の本来の姿であろう、俺と同じくらいの青年になっていた。
俺は───
いつから────────