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神様神社 10話
あの二人――加藤さんと葛西君、だっけ
もうあの二人には会いたくないかもしれない・・・でも、学校に潜入して、あの二人と神様を懐柔しないと・・・
灰色のビル群の上を走っていく。そして一番高い等の頂点では、あの子が待っている。
「あ、凪無くん!こっちこっち~」あの子が僕を呼んでいる。「|月《つき》ちゃん、遅れてごめんね」黒いセーラー服の少女――月ちゃんが嬉しそうな顔をする。と言っても、口元しか見えないけど。
「じゃぁ、みんなのところに行こうか」「うん!」
「遅いぞ、凪無」「ごめん、|正夢《まさゆめ》」藤色の髪に両違いの瞳―赤色と青色のオッドアイの少年が、口をとがらせて僕を非難する。「|逆夢《さかゆめ》もごめん」「ボク気にしてないから、大丈夫」正夢の隣りに座っていた、顔の良く似た、うぐいす色の髪の少年―黄色と青のオッドアイだ―が言う。「逆夢は優しいね・・・正夢と違って」「月、うるさい」
--- 「それで、結果はどうなんだ」 ---
凛とした青年の声。「|主《あるじ》様!」「|千《せん》君!」「千」声の主は灰色の髪に、灰色の瞳。色彩を一切失ってしまったような、真っ黒な服装。僕たちの主の千だ。
「今のところ懐柔は無理そう・・・こっちのことを話すしかないっぽいね・・・」「まぁそうだよな」「ボクたちは『貘』だしね」僕の返答に、正夢と逆夢が応える。
「やはりこちらのことを話すしかないのか・・・?」「で、でも千君!」月ちゃんが焦った声を出す。「あたしたちは貘なんだよ!?こっちのことなんて話したら、祓われるに決まってる・・・!」「それが駄目だから、協力が難しいんだ、月」かすかに震える月ちゃんの頭を、千が撫でる。「安心していい。きっといい案が見つかる」「そうだぞ月、主様の言う通りだ」「だから、一回落ち着こうね」「うん・・・そう、だよね!きっとそうだよ!」月ちゃんがやっと明るい表情を取り戻す。
--- 「まぁ、バラすよりほかは無いか」 ---
「やっぱり・・・」千が腹をくくったみたいだ。「凪無、近々バラせ。その後は正夢と逆夢がこっちに転送する。いざとなったら戦闘しか無いが、そうするしか無いだろう。その時は凪無、月、頼むぞ」「了解」「おっけー!!」
静かな夜に、少年少女の笑い声は響いて、風に流された。
1000行きませんでした964文字でした!!!
更新遅くてすいませんでした
受験生なので許してくださいッッ!!