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僕と同じ、この海で
あははははははっは。今が、何月何日かって?知らないよおおおおお。はい。申し訳ありませんでした。悲願花企画の小説になります。本当に申し訳ありませんでした。
青空の下、海を僕は画用紙に書く。鉛筆の音と波の音が耳に心地よい。
耳にしたイヤホンからは僕の大好きな音楽が流れている。
僕の過ごすこの時間ほど幸せなひとときは無い。
後ろの車道からは車の音が聞こえた。
「一生、こんな時間のままだったらいいのにね」
誰もいない隣に向かって話しかける。
まあ、そんな上手くいくはずがなく。
毎日、新しい朝は来る。
今日ぐらいは、なにも考えないで過ごしたいな。
*
ズボンの裾をまくり、海に足を付ける。
静かに向かってくる波が、僕を飲み込んでくれそう。
どこからか流れてきた貝を何個か拾い、一番良いものを決めるのが日課。
一番とか、順位を決める必要なんてないと普段は思っているけど、結局一番は決めたくなる。
人は都合のいいように出来てるんだね。
少し肌寒い風が吹き、絵を描くのを再開する。
使う色は、二色だけ。
ピンクと水色。
とっても不思議な絵になることもあるけど、それが好き。
不思議な、自分だけの世界をかけるのが好き。
軽快に手を動かし、海を描いていく。
「...できた」
今日の海は、ちょっと寂しい海。
透き通った青の水に、燦々と降り注ぐ太陽の光。
そして、誰もいない砂浜。
色々な貝殻たちが、誰かを待っている。
自分で助けを求めることはできず、誰かに期待している僕と同じで。
でも、貝殻には仲間がいる。
同じ境遇の仲間たちがたくさん。
僕の周りには、僕を特別な目で見る人ばっかり。
嫌になっちゃうよね。
「|渚生《さお》!こんなところで、何してるの?早く帰るよ」
「姉さん...!ちょっと待って。すぐ片付けるから」
今日の楽しみは、ここまでらしい。
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この翌年の1月。
物資輸送の拠点を作るため、海は埋め立てられた。
終わり方雑にしただろと思ったそこのあなた!そんなことはありません。
一生懸命に書きました。頑張って書いたんです。それだけは認めてください。
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https://tanpen.net/novel/c91a177d-b3de-42b9-8ded-cfc40f14d3d3/
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