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鏡の花と未来④
「ねえ、未来。私達って週2000円給料もらってるじゃん?」
「もらってるねえ。」
鏡花が神都に来て一ヶ月。二人はとある屋敷の庭を掃除していた。
「あれさ、使い道なくない?」
「確かにないね。ご飯も服もタダだもんね。」
「そういう時は屋台へ行ったらどう?」
「あ、長じゃん。」
二人の後ろにはいつの間にか神都の長である稲荷が立っていた。
「屋台なんてあったっけ?」
「昼は昼、夜は夜で違うのが出てるよ。串焼きの鳥とか。仕事中に小腹が空いたら行くといい。」
いわゆる焼き鳥だ。
「今度行ってみよっか。」
「そだね。」
*
「あれ…私のお金どこだ…?」
さっさと掃除を終わらせて、二人は屋台へ行くため一度自室に保管しておいた今までの給料を取りに来た。のだが。何故か鏡花の分だけ見当たらない。
「もしかして…」
鏡花は怒りを顔に浮かべながら、宿舎の階段を上った。
*
「なんで私を疑ってんのよ。やる理由がないでしょう。」
鏡花が向かったのはこの間の嫌がらせをしてきた少女の部屋だった。
「やる理由しかないと思うんですけど。」
また来ると言っていたし、あの恨みがましい目は一度で済ませるとは思えない。
「部屋、見させてもらいますね。」
「はあっ⁉︎ちょ、ちょっと‼︎」
非難の声など聞こえないふりをして、鏡花はズカズカ少女の部屋へ入る。タンスや机を覗き、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「ありました。やっぱり盗んで隠してたんですね。」
「………」
少女は何も言わない。
「言いたくないならいいです。ただ、盗んだ動機は?」
「……ムカついたのよ。幽霊が見えて、未来が見えて、羨ましかった。私には何もない。ただ人の心が読めるだけ。それで辛い思いもしてきた。知りたく無かったことを知ってしまった。アンタ達みたいな役に立つ能力じゃない。だから…」
「そんな動機で?マジ?心読めるんですね。すごいですよ。」
「はっ?」
少女は面食らった様子でいる。
「役に立たないかもだけど、そういう能力ってあるだけすごいんじゃないですか?もっと誇っていいと思いますよ。じゃ、さよなら。」
「えっ、あっ、ありがと。」
塾行くバスの中で書きました。次回はどうしよう。