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第1話.前噺

初めまして、こんにちは。あるいはこんばんは?おはようでしょうか。 読者の皆様に、まずはこの物語、「化物花」について説明いたしましょう。 いきなりこの話を聞いてもらうのはお勧めできないので…。 舞台は異世界。植物が世界を司っています。 皆様が「植物」と聞いて思い浮かぶのは、「花の名前」が多いのではないでしょうか。例えば、「桜」だったり、「たんぽぽ」だったり。 皆様の世界の「植物」は、水分や日光などで成長していきますよね。 しかし、この世界は違います。 この世界の植物達は、人間や獣、「生命」を糧にして成長していくのです。 流石に、元から生命を糧にしていた訳ではございません。 最初は皆様の世界とおんなじ、一般的な植物でした。 ですが、とある狂った男が、自身の家の庭に植えていた食虫植物に、自身の血肉を少量、与えるようになりました。 少しずつ、少しずつ。植物が養分として分解できる程度の量を、与えていきました。 やがて、その植物は、虫ではなく、人間の血肉しか摂らないようになっていきました。 その狂った男は、他の植物にも自分の血肉を与えていきました。 そしたら、神様は何と残酷なのでしょう。 ある植物の中心に、赤子程度の大きさの手が生えてきたではありませんか。 しかも、血を垂らしてみれば、手から口が浮き出てきて、血をどんどんと吸っていくのです。 面白くなった男は、今までは植物に水を与えていたのを辞め、自身だけでなく、他の人々の血を水の代わりとして与えるようになったのです。 植物はどんどんと成長していきました。 そして、種を飛ばして、色んな所に自身の子種を遺して枯れました。 飛んだ種からできたその植物は…。 元の種の見た目ではなく、中心に手が生えた、まるで「化物」のような植物だったのです。男は、その植物達を「化物花」と呼ぶようになりました。 さらに、男はその植物の種を人に食わせると、化物花に依存し、一生血肉を差し出してしまう、という恐ろしいことに気づいてしまいました。 そこからが、世界の終わりの始まりでした。 男によって種を食わされた人々は「化物花」をどんどんと増やしていき、さらには「化物花」達は人々を喰うようになってしまったのです。 人類はどんどんと少なくなっていき、絶滅の危機に陥ってしまいました。 そんな人類に、神は手を差し伸べたのでした。 人類は、「魔法」という特殊な力を発現したのです。 そこからはその知能を使い、どんどんと「化物花」を追い込むことに成功し、「化物花」達を世界の各地に封印することが出来たのです。 そこで、この話は終わり、に見えましたが。 封印は何千年も前のこと。 当然、解けかかっていないわけが無いですよね。 化物花達は、幾千年もの間、自身の力の蓄え続けていたのでした。 力を蓄え、凶暴化した化物花達は、一体だけでも自衛隊が倒せるかどうか、という程には強く、人々の魔法は跳ね返されてしまいました。 また封印するにも、あまりにも凶暴な為、近づくことさえできません。 そんなときに、とある人間が言いました。 「化物花を封印していた魔法を、取り込んでしまえば?」 この発想は、かなり狂ってはおりましたが、一番、手っ取り早くできる方法でした。 魔法を取り込むには儀式が必要なのですが、それは生贄がいないと発動しません。 人々は魔法を取り込ませる人間を、丁度その日、産まれたばかりの4人の赤子にしたのです。 儀式は無事、成功しましたが、予想外のことが起きました。 4人のうち誰も、封印魔法を持っていなかったのです。 人々は失望し、4人を責め続けました。 そして、化物花達を4つの森に何とか閉じ込め、そこに4人を各森に1人づつ閉じ込めたのでした。 これで一旦、お終いお終い。 ここまで聞いてくれてありがとうございました。
ここまで見てくれてありがとうございます。スクロールお疲れ様でした。