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友達 #2
二日目、果たして主人公はクラスに馴染めているのか?
今日からお昼もあるので、お弁当交換も期待してしまう主人公。
さて、昨日は自己紹介だけで終わってしまったが…まぁ、今日は授業もあるので、仲良い人は一人でもできるだろう。残念なことに、同じ中学の子は他クラスなので離れてしまった。てか、俺はボッチ確定なのでは?この流れだと絶対そうだよな。え、大丈夫かな?
ー1限目&2限目&3限目&4限目 学活ー
校舎のザットした説明をされ、校内をぐるぐる回った。その後は、高校の規則、過ごし方を確認して終わった。次はついに…お昼!!
ーお昼ー
さーてと、俺の人以外はぜーんいんなじめてるのはなーんでだ???
いや、陰キャかよ。コミュ障かよ。恥ずかしい。とりあえず、トイレとまでは行かないが、漫画で憧れていた場所がある。校内を回っていたときにしっかり目をつけておいた。そう、小・中と実験の時しか上がったことのない屋上だ!憧れの外でのご飯。えっと、たしかここを上がれば屋上だよな。
「え、」と思わず声が出てしまった。ここは中学校か?でっかく立入禁止と書いてあるぞ?
『ダンダンダンダンダンダン』
しかも先生が階段を上がってくる、入学二日目で大事になったら溜まったもんじゃない。隠れたほうがいいと思ったけど隠れる場所がない…素直に謝るしか…
『ダン』
「すいません!憧れていた屋上が閉まっているなんて知らなかったので…え?」
こんな漫画の世界のようなことを見たことがない。根崎さんが目の前にいた。
「えーと、ごめん。同じクラスのひとだよね?名前がまだ覚えられていなくて。」
「あ、岸部蒼汰。蒼汰でいいよ。はー、なんだ、先生かと思った。」
「あはは、必死に謝ってたもんね。笑っちゃ悪いからおさえてたけど、面白かったよ。」
「ところで、根崎さんはなんでここに?」
「鈴でいいよ。ここに来た理由は蒼汰くんと同じだよ。憧れてた。」
「高校って理想を潰しに来るよな。なんか思ってたのと違うっつーか。」
「そう?屋上は残念だったけど、他にもっとあるんじゃない?」
『ダンダンダンダンダンダン』
また足音がする。今度は本当に先生が来たと思ったので、根崎と慌てた。
『ダンッ!!』
「うわっっ!!」
自分から飛び込んできたくせに、驚いていたのは面白い。来たのは先生ではなく、中田悠真だった。
「え、ちょ、まって。邪魔した??」
バツが悪そうに聞いてくる中田に対して、俺たちは目を合わせて笑った。
「同じクラスのー、えっと、」
根崎がつまずいてしまっているのをサポートするように「中田さんだよ」と優しく言った。それがかえって恋人っぽく見えたのか、中田は焦っていた。
「俺は岸部蒼汰、蒼汰でいいよ。あと、さっき知り合ったばっかだから。」
「なんだよ。そうならそうと早く言えよ。俺は中田悠真、好きに呼んで。」
「ごめん、びっくりさせちゃったよね?私は、根崎鈴です。私も好きに呼んでほしいな。」
「てか、立入禁止かよ。蒼汰と鈴も弁当食いに来たのか。」
いきなり友だちが増えて嬉しい。しかも名前呼びされたことに感動でしかない。
「そうなんだ。夢を潰された。」
「私も」
「じゃあ、階段でくおうぜ。ここまで来たんだし。もったいないと思いたくないだろ?」
「さり気なくかっこよさだすなー中田。」
「あはは、あ!みんなケータイ持ってる??」
「「持ってるけど」」
はもった。しかもあの中田と。
「出して出して、マイン交換したい。」
さすが女子。すかさずマイン交換することで、いつでも話せる。さすが女子。
「二人とも交換できた。ありがとう。」
「根崎は仲良い女子作れたか?」
俺が質問を投げかけてみると、動いていた手がピタリと止まり、深刻そうな顔で「まだ…」と一言、悲しそうにいった。
「ま、別にいいじゃん。俺たちが友達だし。な?蒼汰。」
「あ、ああ。そうだな。」
はっきり言って、男子二人に対して女子が一人だけ入ってくると周りの反応が良くないと思う。そんな事言われたら、根崎が可愛そうだ。まぁ、今の段階で言われてなければそれで良いのかな?
「あ、そろそろ時間だ。授業に遅れちゃうよ?」
「ああ、そろそろ行くか。蒼汰、行くぞ?」
軽く「ああ」と相づちをして、二人の背中を追いかける。その時だった。
『ドン!!』
急な衝撃で目を丸くしてしまった。俺の体が誰かとぶつかってしまい、お互い尻餅をついた。その音に気づいたのか、中田と根崎が駆け寄った。
「あ、すいません。前を見ていなくて、その、怪我、とかないですか?」
俺がそう言って相手の方を見ると、相手は女の子だった。上履きの方に目をやると、一つ上の学年の先輩だった。この学校は、学年ごとに上履きの色が違う。そして、屋上がついている棟は、二年生と三年生の棟なんだ。しばらく沈黙が続いた後に、ぶつかってしまった先輩が口を開いた。
「ごめんね、私もよく見てなかった。もうすぐチャイムなるから帰りな。」
「すみません。」
そう一言言い残して俺たちは去った。名前を聞いてお詫びをすればよかったと後悔したが、また会えるだろうと信じて寝ることにした。いい夢見れそー…
『スパーン!!』
え、俺の頭痛い。起き上がった瞬間に教科書を丸めている先生と目があった。
「まだ学校だから寝るなよ。岸田!」
「いや、俺、岸部です。」
それと、おまけにクラスのネタ枠に入った。悲しいが、自然と周りに人がいることが嬉しかった。夢ではありませんよーに。すー…
二日目終了!!
お弁当交換は先かもしれないけど、徐々に周りの人に溶け込めている様子が最後にありましたね。
なにか変なところがあれば、ファンレターにて、意見&アドバイスお願いします!
岸田は単なる打ち間違えから生まれたものです、笑
※マインはラ◯ンと思っていただければ幸いです。