公開中
モノクロシキサイpart14『伝える』
更新おっそ
圧倒的説明回
ふわぁ~
眠い…昨日全然寝れなかった!
布団がいつもと違うのもあったけど……
2人の緊急時に、僕は固有能力を使えなかった、それが心残り。
でも、言えないよ…
僕が悩んでいると、ミドさんが声をかけてきた。
「シロ、どないしたん?暗い顔しとん、心配やねんけど…」
「ああっ、別に何でもないです。ほら、今日もニコニコ笑顔ですよ!」
そんな調子で、いつもの笑顔を作る。
「そう?大丈夫ならええんやけど…なんかあったら、すぐに相談するんよ?」
「わかってますよ。」
ミドさんは、どうやら用事があるらしい。
外に行ったのか…大丈夫かな?
まぁ、多分大丈夫だろう。
それにしても…
誰かには固有能力のこと伝えなきゃな。いつかは全員に言わなきゃいけない、だからこれはそのための第一歩なんだ。
僕はしばらく考えた後、その人のところに行った。
「ムラさん、お話があります。」
ムラさんは僕のいつもと違う声色に気づいて、やっていたことを止めた。
止めちゃったけど大丈夫だったかな…?
「で、シロ。話って何だ?」
「えっと、質問なんですけど…」
思っていた話じゃなかったのか、ムラさんは目を丸くした。
「質問?何だ?」
「ムラさんとミドさんは、固有能力ってありますか?」
「固有能力、か。確かにその話はしてなかったな。クロを呼んでこい。ミドは…まぁ用事だしいいか。」
僕は頷いて、言われるがままにクロを連れてくる。
「よし、それじゃあ固有能力についての話を始めよう。」
---
「魔法はもうわかってるよな。
お前らも使い方をわかってきている。
それで固有能力っていうのはな…
『そいつが生まれ持った才能』
この一言に限る。」
才能…
「魔法は鍛えれば十分使えるようになるし、最初からできなくても努力次第でどうにかなる。」
だから僕らは最初全然できなかったけど、今は結構ものになってきてるのか…
トウの魔法も、シュシュもチャチャも凄かったし…もともとできていたのにさらに努力を重ねたから凄かったのかな?
「だがな、固有能力だけはどれだけ努力しても変わらない。能力の限界とかではない。発現した最初から最期まで、ずっと能力の上限は変わらない。まぁでも、特例はあるがな。」
特例?どういうことかわからず尋ねた。
「特例…まぁ例えば、トウとかか。トウの固有能力は自分と同じ姿の分身を作りだすものだ。だが、いつ特訓したんだが知らんが…
『自分の分身の姿を自由に変える』
ことができるようになったんだ。」
あれって特訓してたの?!
もともとじゃなかったんだ…
「そんな感じで、所持している固有能力に関連していることならそいつ次第で可能性はある。まぁ限りなく0に近いがな。」
トウはかなり努力家なんだなぁ…
ちょっとそこは感心する。
「ま、固有能力の説明はこのくらい……あ、まだあったか。」
一体なんなんだろう?
僕が質問しようとしたら、クロが質問した。
「それはな『四大精霊能力』というものだ。」
それ、トウも言ってた…!
「この四大精霊能力は、世界で4人しかいない。もちろん伝説と言われた能力だ。後にも先にも4人しかいない。いくら人間でも、そんな能力がバレたら超高額の賞金がかかる。」
四大精霊能力という能力の詳細が聞きたくて、僕は質問した。
「四大精霊能力はな、その名の通り四大精霊の能力だ。四大精霊の力をそのまま使えると言った方がいいか。
炎の精霊サラマンダー
水の精霊ウンディーネ
風の精霊シルフ
地の精霊ノーム
この4つだな。」
水の精霊ウンディーネ…?!
僕の固有能力の詠唱に入ってる…
もしかして僕のって四大精霊能力?!
いや、でもトウも僕の能力のこと四大精霊能力って言ってたからそんなに驚くことでもないか…
でも世界に4人って…!
「あぁ、あと。その四大精霊能力が発現したら、対応する精霊が見えるようになったり、ついてきたり、話したりできる。」
ん?なんで確定してるかのように話すんだ?
ってかウンディーネさんの姿見たことないんだけど…
「ま、そんなこんな話したけど固有能力はそういうことだ。」
あっ、そういえば…
となって僕はムラさんとミドさんの固有能力について質問する。
「俺とミドの固有能力、な。そういえば最初の話題はそれだったな。俺の固有能力は
『地の精霊ノームの力を借り、地を操る』
と、いうものだ。」
え、ムラさんも四大精霊能力…?!
「ミドの固有能力は
『風の精霊シルフの力を借り、風を操る』
だな。俺らが四大精霊能力、保持者のうちの2人だ。」
それじゃあ、僕も含めて四大精霊能力の保持者3人?!
この時代やばいよ…クロの固有能力はなんなんだろう…?
「これが、固有能力。わかったか?」
僕とクロは首を縦に振った。
クロは呼ばれる前の場所に戻り、魔法の練習を再開した。
それを確認してから、ムラさんは口を開いた。
「それで、シロ。お前、固有能力が発現したんだろ?」
う、やっぱりバレてた…
「そうなんです、それでその固有能力が……」
「四大精霊能力だったと、そういうわけか。」
なんでそこまで見透かしてるの!?
「まぁ、地を伝ってノームが教えてくれる。精霊が現れる話したろ?お前がさらわれた時、ノームに頼んだんだ。」
「なるほど、だから知ってたのか!」
「それで、サラマンダーとウンディーネのどっちだ?」
「ウンディーネです。」
僕は今までにない真剣な顔で伝えた。ムラさんはやっぱりか、というような顔をしていた。
「そうか、ならこれまで以上に魔法頑張らなきゃな。トウの他にもシュシュやチャチャがいる。四大精霊能力を使えるのがトウに知れているならおそらく、あの2人にも知れている可能性が高い。頑張れよ。」
そういってムラさんは僕の肩トントン叩いてもといた場所に戻った。
それが僕にはどうしようもなく置いていかれるように見えてしまった。
次回『どうしたの?』