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『に』古いお城にて。
薔薇と鋭いトゲの生えたツルに覆われた光の入らない古いお城にて。
ある少女が、お城の奥の奥。
まるで王女様が住んでいたかのような豪華な薔薇が彫られた壁に、埃は被っているもののふわふわ漂う『ナニカ』によってきらきらと淡く輝くシャンデリア。
女の子が夢見る素敵なお部屋とは、このことなのではないかというほど、幻想的な空間。
そんなお部屋のベットの上。
少女は、色褪せた桃色の布団の上に横たわっていた。
シャンデリアに灯る『ナニカ』達が、少女の周りに集まってくる。
そんな『ナニカ』達を牽制するかのように、声のような摩訶不思議な音が響く。
「あタシがシんだノ何回メ?¿」
『ナニカ』は隠れるかのように、シャンデリアの中に飛び込んだ。
少女はパチリ、とその瞳を開いた。
目に入ったのは、まるで人形のようなモノだった。
まるで目のような、取れかけたチェック柄の大きなボタン。
ツギハギが沢山ある、薄汚れた色とりどりのワンピース。
片方だけたれたウサギのような大きな耳。
まるで捨てられた人形のよう。
少女は声を出そうとしたが、喉が焼けるような激痛がし、声が出せなくなってしまった。
さらには、人形のようなモノを見ているうちに、ぐるぐると目が回ってきた。
身体は重く、起き上がることすら出来ない。
そのうち、だんだんと睡魔に襲われていった。
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▶ 少女は、眠りについた !
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