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湊星空遊園 ⅲ
あ~あ、
僕って必要ないんだろうな。
ないこSide
「初兎、ちゃん…?」
仕事が終わって、
帰ってご飯にしようと思った。
でも、ふと、去年の今日。
近くの公園で、メンバーと
星を見て
「みんなを導く星になれますように」って、
願ったな。と、
思い出して。
公園に寄ってみた。
「湊星空公園」。
地域の子どもたちの、
要望から、名前が決まったらしい。
その公園は、人が少ない。
昼間でも、子供はいないし、
夜になっても人はいない。
治安が悪いこの町で
こうやって腰を下ろせる時間があるのは
恵まれたことだろう。
そう思いながら、重かった足を軽やかにして
公園に向かった、。
そこには、見慣れた、
白髪の男性が
ベンチに
座っていた。
「初兎ちゃん、…?」
そう、声をかけた。
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「ないちゃん…?」
がさがさで、裏返ってしまった声は
とても醜かった。
たしかに、今、
僕に声をかけてくれたのはないちゃんで、
答えたのは他でもない、僕だった。
こんな、夜中に、なんで、?
午前二時。
「夜中」っていうには
ぴったりで、
空に浮かんだ星は、禹《うざ》いぐらいに、眩しい。
桃)こんな時間に、何うしたの、?
白)ぁ、えっと、…
散歩、…?
急に聞かれて、
さっきのことを言いそうになった。
言ったら、厄介だし、と思って、曖昧な返事で済ませた。
桃)そっかぁ、笶
いいねっ、
白)ないちゃんって、…
この世に疲れたりしないの、?
自分の中で起きたことが、
良かったのか、悪かったのか。
自分にとって今の世界は、
今までより全然居心地の悪い世界で。
だから。これからどうなるかなんて、
誰もわからないけれど。
今はただ、生きるのを履帯《りたいあ》したかった。
自分とは違う。
そんなないちゃんに、
聞いてみようと思った。
聞いていいのかなんて
知る由は僕にはないけど。
桃)え、どしたの、急に、笶
…もちろん、昔も、今も、疲れてるよ、。
もう、死んじゃいたいなって、いっつも思ってる笶
予想外な言葉が返ってくる。
ないちゃんも、死にたいんだ、
消えちゃいたいんだ。
桃)でもね、。
これは初兎ちゃんが望んでる答えじゃないかもしれないけど。
俺は死にたい気持ちよりも
楽しい気持ちが勝っちゃうことが、多いの、笶
あ、。
やっぱりないちゃんは、
僕とは違う。
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タイトルは湊星空「遊園」なのに
本編は湊星空「公園」なの…?
と思ったあなた!!!
あとからちゃんとわかりますよ…ふふふふ!!!!!!
あと、この作品は確実に他メンバーも出てきます