公開中
クリームソーダと君の嘘⑴ 絡まない糸
まかろに
明るく慕われる少女と周りに馴染めない少女の物語。
ーーキーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、昼休みが始まる。
私、四宮葵は平凡な高校生である。手作りの塩むすびを急いで食べ、本を読む。これが私のルーティーンだ。みんな楽しく友達と話しながらご飯を食べている。どれだけ羨ましいと思った事だろう。友達なんていらないと思っていた自分を殴りたい。そんな事ばかり考えて過ごしている。
「ねぇねぇ、あの映画見た?!」
あの子は如月さん。長くて綺麗な髪に桃色の瞳。みんなに慕われてて、そして明るくて誰にでも優しく接してる。全く隙がない。私とは正反対の子だなぁ。まるで、**絡まない糸みたい。**
---
授業も終わり、放課後。みんなが部活に向かっている中、コツコツと歩き、私はとある所に向かってる。それは…、喫茶店。お客さんが少ない時間帯なので、ゆったり本を読みながらクリームソーダを飲むのが私の癒し。店の扉を開け、カランカランとドアの鈴が鳴る。
「いらっしゃいませ。少し待っててね」
いつもの店長の声。今日は珍しく満席だそう。
「あれ?四宮さん?」
毎日教室で聞く声。ふっと見ると二人席に座っているのは如月さんだった。
「あ、大丈夫です!この子も一緒で」
「四宮さん、こっちこっち!」
如月さんは笑顔で迎えてくれた。如月さんも私と同じクリームソーダを飲んでいる。
「あっ…ありがとうございます」
ありがたく座らせてもらった。緊張して気が気じゃない。
「きっ…如月さんってクリームソーダ好きなんですか?」
「うん!クリームソーダは大好きだけど、ここのがいっちばん好きなんだっ!四宮さんもよくここ来てるの?」
「はいっ。私もここのクリームソーダ好きで…。よく来るんです」
如月さんは無邪気な笑顔で私の方を向く。
それを見て私は思わず聞いてしまった。
『何故、私なんかと話してくれるんですか』
そして如月さんは照れくさそうに言った。
「だって…。ずっと話してみたかったし。でも、そんな軽いノリで話していいのかなって」
私は、自分で壁を作っていたのだと気づいた。
「私なんかよりもっといい友達が居るんじゃ…。」
如月さんは見たことのない少し寂しげな表情を私に見せた。
「あはは…。ここまで本気で向き合ってくれたのは四宮さんだけだよ」
「あっ、あの…それってどういう…」
如月さんは一気にクリームソーダを飲んで、
「中学の頃、仲良かった友達がいたの。でも、相手にとってはただの暇つぶしだったって…。
本気で友達だと思ってたのは私だけなんだーって。バカだよね、あたし」
私は気付かされた。私と同じ思いをしている人がいるって。当たり前の事だけど、まさか如月さんにそういう経験があるなんて思いもしなかった。如月さんの気持ち…考えられてなかった。
**「如月さんは、馬鹿なんかじゃないですっ!みんなを照らす、太陽みたいな人ですっ!」**「あっ…ごめんなさいっ。つい…」
恥ずかしくて我に返る。
「四宮さんって優しいんだね」
「裏切られるのが怖いから、みんなに優しく接して距離を保ってた。ずっと逃げてた。ほんと馬鹿だなぁ…あたし」
考えるより先に言葉にしてしまった。
「逃げたって立ち止まったっていいじゃないですかっ!みんな歩く速さも人それぞれです!本当に如月さんが笑えなくなっちゃったら嫌です…如月さんの笑顔、素敵ですから」
不器用な笑顔で私は笑った。でも、迷いが無いまっすぐな笑顔。
「あははっ…久しぶりに笑ったなぁ。人に変に思われないように笑うのはやめてたんですけどね…」
「私は笑う四宮さんも好きだけどね」
そんな事今まで言われてこなかったから嬉しかった。すっかり日が暮れる時間なので席を立ち、如月さんとお会計を済ませた。
「今日はありがとね」
如月さんは私の手をぎゅっと温かい手で握って言った。
「また、一緒にクリームソーダ飲んでくれないかな!四宮さん…じゃなくて**アオちゃん!**」
「あっ、アオちゃん?!」
仕返ししてやろうと言い返す。
「もちろんです!その…はなちゃん!」
如月さんは信号を渡る。こっちを振り返って等身大の笑顔で大きく手を振ってくれた。私は胸が暖かくなった。聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟く。
「こういうのも、悪くない」
こんにちは!まかろにです!クリームソーダ1話を読んでくださりありがとうございます!小説を書くのは初めてで誤字等あるかもしれませんが、これからもはなと葵を見守ってくださると嬉しいです♪