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「じゃ 行くか」
と神さんが言い、クルッと回れ右をして歩き出し、魄は
「え?今のスルー?!」
戸惑いながら言った。そんなことは気にせず、神さんはズカズカと古本屋へ向かった
「え…えぇ〜」
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「重い」
俺は今、地球上にある海洋プラスチックをかき集めたような量の本やグッズを持っている。重い。さっき神さんに「落としたら殺すぞ♡」と言われたので精神的にも重い。俺は思った、「今、人類で一番軽トラが使いたいと思ってるやつは俺」だと。
と考えているうちに秋葉原駅の切符売り場に着いたみたいだ。そして神さんは俺の財布を抜き取って(おい)
444円切符(神さんはこの切符を「2月鉄道|444《スリーフォー》」って名付けてた)を2枚買って改札へ向かった。
--- 電車内 ---
「じゃあ乗ってる間に基礎的な魔力の使い方でも教えようかな」
しれっと神さんが言うと、魄は
「ん?基礎的なやつならわかるよ?」
と、口にした。すると神さんは
「ううん。お前は基礎は分かってるんだろうが、基礎ができていない。できると分かるは別物だ。授業の内容を頭に入れただけで、テストができないようなもんだ」
よくわからないことを言って、魄は
「なんでできてないってわかったんだ?」
「あいつを殴る時、アニメのエフェクトみたいに魔力がもれてたからだ。物に魔力を込めるってのは、スポンジに水を含ませるみたいなもんだからな。スポンジから水がもれてちゃいけないんだよ」
「ほほう」
「問題ッ!」
「いきなり問題出してきた!」
「攻撃する時には物に魔力を込めますが、魔力を保存するときはどこに保存するでしょうか?」
「えっと…空気中?」
「違います」
「答え言って」
「嫌です」
「な…なにぃ…」
「少しは自分で考えて♡」
「ググる」
「魔力の保存方法なんて調べても、出てこないと思うよ」
「やってみんと分からんではないか!」
「やってみろ!」
「ググるぜ!ポケットからスマホ出すぜ!電源入れるぜ!パスワード打ち込むぜ!パスワード打ち間違えたぜ!5分間待つぜ!待ったぜ!グーグル開くぜ!開いてたエロサイトがあってビビったぜ!削除!検索バーに『魔力の保存方法』って打ち込むぜ!変換間違って『馬力の保存蓬蓬』って打ち込んじまったぜ!修正するぜ!改めて調べるぜ!なんか『小説家になってみろ!』と『野菜の保存方法』が出たぜ!ウィキペディアで調べるぜ!記事がないぜ!ヤフーで調べるぜ!グーグルと同じだったぜ!」
「出てこないだろう!」
「認めない!」
「恥ずかしく思うことはない、間違いは誰にだってあるものだからだ。テストで5点笑顔満点だ。」
「3点だ」
「まあ、お前は0点だ」
「今の若い子はその歌詞知ってる人少ないよ!」
「有名な曲だから知ってる人いるんじゃないか?それに今の若い子には人生 宇宙 全ての答えがわかるものがポケットに入ってる!」
「その答えはどうせ43だよ!」
「残念!42でした!」
「1の差だろ!」
「1違うだけで世界が変えられないよ」
「野球、俺やってない!」
「巨人大鵬卵焼きだろ!」
「古いよ!」
「1960年だぞ!」
「60年前だよ!」
「私が10歳の時だ」
「見え見えの嘘!」
「いや、これは本当だ」
「と…と言うことは…神さんはロリババアだったのか!」
「誰がロリじゃ。身長低いだけだ」
これじゃあ神さんはロリババアが嫌いなように聞こえるが、それは大きな間違いで本当はすごく萌えて食べちゃいたいぐらいだと。
「ふおぉぉぉ!萌える!」
これじゃあ俺がロリコンのように思えるがそれは正しくはない。ただ俺が多趣味なだけだ。
「変態め」
こんな言葉で興奮しないわけではない。
「話を変えるが、お前ババアつったな」
神さんの口調が変わった。あえてナウシカ風に言うなら『大気が怒りに満ちている』だ(ナウシカ風ってなんか違和感ないな)
「ババアなど言っていない!ロリババアと言ったのだ!」
そう言うと…というかロリのリのRの発音のところで俺のこめかみに銃弾のようなものが当たり、俺の体は吹っ飛び電車の壁を突き破った。そして俺は車外に出て地面に着くまでの間、神さんが
「ババアと言った罰だ。この森の中に霊食怪がいる。そいつを狩ってこい、魄。」
と命令した。
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しばらくの間俺は線路沿いの森を歩いた。1人でやれだと?霊食怪を初めて見て戦ってすぐ1人で?無茶言うんじゃねえ。
『おい人間。どうした?悶々と歩いて?』
と誰かが話しかけてきた。いや『誰』という表現は正しくない。だってそいつは2メートルぐらいの大きさのジンベイザメだったからだ。さらに驚くべきことにそのジンベイザメは木の中を泳いでいた、水が木と置き換わったような感じだ(木と木の間も問題なく泳いでいた。と言うか、魚が木を泳いでいる時点で問題だ)。そいつは木から少し顔を出し言った。
『人間…とは少し違うな…なんと言えばいいものか…人外というか…なんというか…人間の霊波長とは違う…あぁあぁ鬼だ鬼の霊波長だ…じゃあなんで俺たち霊食怪以外の冥界の産物がいるんだ?そこが疑問だ…ああ、あれなら説明がつく…50年ぐらいにここら辺に住み着いた物好きの自称神かぁ…あいつは化物みたいなのを集めている…あいつが教えるんならこいつも…今のうちに食うか…』
この魚、木の中を泳ぐ上に独り言もすごい。よくポクポク喋る木魚だな。
『おい鬼ィ、今からお前をど突き殺してお前の魂食う。「つきあってください」と言うやつだ』
「『つきあってくださいは」殺しあうことじゃないぞ」
『まあ、食事の前だ、細かいことは無し』
「ジンベイザメはうまいのか、検証していきます」
『レッドリストに入っているから、今ジンベイザメは食べられないぞ。』
「あッ!ここに合法的に食べられるジンベイザメがッ!」
『うるさい鬼だな!ど突き殺すだけじゃ気が済まん!この口で噛み砕いてやる!」
「ジンベイザメはプランクトンを食べるから歯がないんだぜ!」
『あッ!そうだったァ…自分のことを自分よりも相手の方が知っているってこう言うことかぁ…』
木魚がしゅんとしてポクポク言わなくなったので荒っぽいけど…とりあえず…
殴ることにした。殴ろうとした。神さんに言われたのもあったし。この行動に深い意味はない。しかし、その拳が木魚にとどくことはなかった。なぜなら当たる直前にさっきと同じように
開門
自分と木魚の環境が、線路沿いの森の景観が、花の景色が、青い大きな水槽の中に変わった。水槽と言っても中に水は入っていない、水揚げしたての魚のように新鮮な感じの水槽だった。その水槽の中に、さっきは2mぐらいだった木魚が異形と化して30mぐらいの大きさになって、俺の正面に浮いていた。見た目がジンベイザメ(の異形)だったので浮遊というよりかは遊泳だった。
『ここで誰かと戦うのは10年ぶりだなあ…それも10年前、最後に戦ったのと同じ種族とは…縁とは不思議なものよ』
「同じ種族?」
『おまえさんと同じ、鬼だよ。俺を再起不能になるまで追い込んだ。10年前は今より血の気が多く力もあったというのになぁ。まあ今は落ちぶれているが、結構強かったんだぜ、俺。』
でも、それを今思うと弱いものいじめの過信だったかもしれないなあ_と木魚。
『鬼、ギリギリまでやろうぜ。昔の過信が自信になるように。自信がつかないような弱いものいじめ状態になったら。』
--- もういじめじゃねえ。拷問だぞ。鬼ぃ。 ---
信じられないほどの遅筆!
リョナ好き「魄くんの拷問シーン。見たい!」
作者「見せません」
アンチ「おまえ3ヶ月ぐらい投稿してなかったけど、おせぇんだよ」
作者「実のところ1〜6部まで大体の構想終わってます」
アンチ「……はよかけ」