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堕天使は神にからまれるらしい
それはとある日のこと
ルーシィ達は買い物をしていた
ルシファー 「ねぇベル、あそこのイヤリング見てもいい?」
べリアル 「イヤリング…か。ピアスじゃなくてか?あっちにピアスあるぞ」
ルシファー 「ピアスは痛いからヤダ。僕はイヤリングで充分」
他愛のない会話をしながら、自分の好きなように過ごす
平和な一日は残念なことに今日も続かない
?? 「わールーシィくん達だ~」
偶然か必然か
べリアル 「チッ…めんどくせぇのが来やがった」
毘沙門天 「[めんどうなの]じゃなくて、キチンと【毘沙門】って呼んでよ」
彼らの嫌う【神】と出会ってしまった
それも、最悪なことなに【|毘沙門天《イカれ野郎》】に
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毘沙門 「で?君達は何してたの?」
べリアル 「何自然に溶け込んでるんだよクソ神」
べリアルが悪態をつこうとも、毘沙門天は気にしない
むしろ楽しそうだ
毘沙門天 「あはは。そこで空気になってるルーシィくんも、僕と一緒に話そうよ」
ルシファー 「…気にしないで下さい」
べリアルの服の袖をぎゅっと掴むルシファーは、毘沙門天の顔を見ようとしない
べリアル 「っうか、なんでここに居るんだよ神が。あいつはどこに…」
毘沙門天 「あいつ?…あぁカラスくんのことね~。カラスくんから逃げてきちゃったんだよね⭐」
べリアル 「はぁ!?保護者から逃げんじゃねぇし」
(知らないところでカラス君に被害が出てるけど気にしないで⭐)
毘沙門天 「まぁまぁ、で?ルーシィくんはあのイヤリングが欲しいんだっけ?」
べリアル 「あっ、テメェふざけんな!馴れ馴れしくルーシィに触んな!」
ルシファーの肩に触れる毘沙門天
あと、殺意に溢れたべリアル
ルシファー 「…!?」
毘沙門天 「大丈夫だよ~。ルーシィくんの欲しいイヤリング買ってあげるよ」
ルシファー 「大丈夫です…。ベル~」
べリアルの肩に顔を埋めるルシファー
犬のような仕草を毘沙門天に見られるのは屈辱的だが、今はそうしておきたい
ルシファー 「帰ろ?…あの人嫌だよ」
べリアル 「だな。あんなクソ神は放っておいて買い物続けるか。イヤリングなら別の所で見ようか」
毘沙門天 「仲間外れはやめてよ~…なんて☆」
額に青筋が浮いているべリアルは、雑に毘沙門天を引き剥がす
そして、ルシファーを「よしよし」と撫でる
嬉しそうに笑うルシファー
べリアルは毘沙門天にも目もくれずルシファーを誘導する
べリアル 「少し遠くなるが…あっちの店にイヤリング売ってたぞ」
ルシファー 「本当?行こうベル!」
べリアル 「だな」
これで終わればいいが、やはり|こいつ《毘沙門天》は空気を読まない
毘沙門天 「僕も混ぜてよベ~ルくん」
べリアル 「お前がそれで呼ぶなシバくぞ」
毘沙門天 「君にそこまでの実力あったっけ?それに人も沢山いるから、下手に殴りでもしたらすぐバレちゃうよ?」
べリアル 「ウゼェなゲス野郎」
毘沙門天 「あはっ❤ひどいなぁベルくん、泣いちゃうよ~☆」
しくしくと泣き真似をする毘沙門天を、きょとんとした顔でルシファーが見る
ルシファー 「…キモ」
そのまま(言葉の)毒も吐いた
普段のルシファーより口が悪い
ルシファー 「正直、|これ《毘沙門天》を|カラスさん《マルファスさん》に返品したい」
べリアル 「拒否するだろ」
ルシファー 「それもそうだね。このドMにはなにしても通じないのがムカつく」
毘沙門天 「よく言われるよ~。嬉しいな❤」
べリアル 「こういうところだよ、分かるかクソ神?」
そういうと、べリアルは毘沙門天に向かってナニかを投げた
それは小型で手に収まるぐらいの―…炎だ
毘沙門天は避けることもせず、正面から受ける…というかキャッチする
毘沙門天 「あつ~い❤」
平然とした様子で炎を受けているが、手は火傷している
毘沙門天 「周りが普通にしてるとこからみて、人には見えない炎かな?痛くないケド★」
べリアル 「チッ…めんどくせぇなあ?さっさとくたばれクソ神が」
毘沙門天 「ざんね~ん❤君じゃ僕を殺ろせいよ?弱いんだもん堕天使って。あ!みんな弱かったか~♪」
毘沙門天これでも全く煽っているつもりはない
ただ事実を言っているだけらしい
べリアル達にとっては煽りにしかならないが
ルシファー 「やるなら…場所を変えましょう。ここだと人間に被害が出ちゃう」
殺る沢山、殺意も満タン、ならばいざ尋常いに勝負…かと思いきや
毘沙門天 「あ!時間だぁ~。そろそろ帰らなきゃ~」
わざとらしい毘沙門天の発言で殺し合いは
なしになった
毘沙門天 「それじゃあ、バイバ~イ❤」
そそくさと帰ってしまった毘沙門天
ルシファー 「なんだったのアレ?」
べリアル 「知るか。…ハァだから神は嫌いなんだよ」
ルシファー 「…買い物…しよっか?」
べリアル 「そうだな。しっかりイヤリングも買おうか」
ルシファー 「うん!」
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このあと、三日月のイヤリングを買った