公開中
君となら
類瑞の死ネタです。自殺表現バリバリです。
救われなかった2人の話
私の願望でしかないのでなんでも許せる方のみどうぞ。
ニーゴワンダショない世界線です
変わらなかった、何も。ずっとずっと『あの目』。耐えてきた、無視してきた、自分の好きに、生きてきた。でも、高校でもこれならボクはもう終わらせたいんだ。救われたいんだ。
好きなアニメも、曲も、何もかもが刺さらなくなって、わからなくなって、悲しくて虚しくて、こんなことならいっそ、そう思ってしまった。でもボクにだって友人はいる。今日もあの場所にいるのだろうか。
ガチャ、とそっと屋上の扉を開ける。ドアを開けると安心感がどっと溢れる。ここが今のボクの居場所なんだと思う。ここには唯一の命綱がある。その命綱さえも、いつ切れてもおかしくはないのだけど。
「…瑞希じゃないか」
いつもの冷淡で、精神的に疲弊していそうな声が聞こえる。
「類、やっぱりいた」
彼がいるから、生きているからボクは多分まだ生きているんだと思う。彼がいなけりゃとっくに消えていただろう。ボクは類を置いてけぼりにして飛ぶことはできなかった。
「大丈夫かい?」
長身の彼は体育座りで前かがみになり、だらしない。サラサラの紫色の髪が風になびく。どこか哀愁漂わすその姿に、同じことを思っているのかもしれないと思う。
「ボクの心配するなんて、そんな余裕あるの?」
「さあね」
一呼吸おいて類はこういった。
「ここから飛び降りたら、どんなふうに見えるんだろうね?」
「え?」
「なんてこと、思っていたんだろう?」
「類にはお見通しか」
「君が悩んでいる所、一番近くで見ていたからね」
「ねえ類、どんなふうに見えるかな」
「さあ、どうだろう。案外綺麗じゃないかもしれないね」
「あはは、でも今日はすごくいい天気だよ」
「絶好の日かもしれないね」
「ボクたちどうしてこうなっちゃったんだろうね」
「さあ、わからないねえ」
散々言われてきた言葉が答えなのはもちろん二人ともわかっている。
「もうさ、ボク、疲れちゃったんだよね〜」
こんなに大変な思いして、こんなに可愛くなって、こんなに自分のために頑張った。それでも人の目というものは気になるもので、自分を中心とした生活にいつまでも集中できるはずなくて。最終的にこうなってしまうのなら、もっとずっと前に消えてしまいたかった。
「誰のことも気にしなくていい場所へ、行こうか」
「類はそれでいいの?」
「構わないよ、一人ぼっちで終えるショーなんて、寂しいだろう?共演者がいてくれるなら、きっといつでもよかったんだ」
「共演者って…類はどこまでも類だね」
硬く冷たいフェンスに夕日の影が落ちる。美しいオレンジ色の空を眺める。
今日で終わりだ。全部、全部。楽しいこともつらいことも全部終わり。そう、それがボクたちの救いなんだ。なにも、いらないんだ。
「フェンスって、案外登りにくいね」
「登るものじゃないからね」
苦笑しながら言う類も、どこか吹っ切れたような、いまから救われるという期待が混じったような表情をしていた。
フェンスを越えギリギリのところに立つ。ずっとここにいては怖気づくかもしれない。そう思ったから
「じゃあ行くよ!」
「えっ?」
類の手を掴んで思い切り飛び出した。
どうせ2秒くらいで地面だ。最後に思いっきり叫んだ。
「類!ありがと!」
類の驚いた顔が、最後になるんだと思ったら、おかしくて笑ってしまう。
しかしそれも一瞬。強い衝撃を受け、身体は痛いしすぐ気絶しないし、全然楽じゃないけれど、後悔なんてない。
自分の血で赤くなっていくグラウンドの土。目の先くらいのところでも、同じ事が起きている。
類は、もう、死んだのかな…。
類と、飛べて、よかった…
っぱバッドエンド好きなんだよね