公開中
出席番号:2 井川風太
こんちゃ!俺の名前は|井川 風太《いかわ ふうた》!
去年から気に入らないやつをターゲットとしてこっそり
虐めてます!くそみたいなひねくれものです!
「井川~!おはよ~~!」
こいつは|浅間 明菜《あさま あきな》。
超・ポジティブ学級委員兼6年間同じクラスのやつだ。
俺のマブダチ。ま、明菜は俺の真実を知らないと思うが。
「風太~はよ~~!」
こいつは|福岡 雅太《ふくおか まさた》。
こいつも俺のダチだぜ。
雅太も相当のひねくれもの兼虐めっ子だ。
俺より相当ヤバいぜ。この前なんか2年虐めてた。
「ふーたーはよーーーー」
この声は|休屋 美里《やすみや みさと》。
こいつも6年間同じクラスだ。めちゃめちゃ声がでかい。
そして明菜と仲がいい。
俺は2人6年間同じクラスのやつがいる。
これは相当珍しいことらしいぜ。
そんな俺にも憧れの人がいる。
それは明菜だ。
俺もあんなポジティブ人間になりたいって思ってる。
あ、憧れって恋愛対象じゃねえぜ。
安心しろよ。
まあ明菜はめちゃくちゃモテるからなぁ。
もし恋愛対象で受け取っても無理ゲーだと思うけど。
あ、でも、この前俺の親友兼学級委員の|平道 翔都《ひらみち しょうと》
が「明菜に一歩近づけた!やった!」とか言ってたな。
さすがって感じだな。
5時間目の休み時間
「ねーねー今日遊ばない?」
いきなり声をかけられた。多分かけた相手は翔都だろう。
「いいぜ!遊ぼー」
と言っておいた。どちらにせよ俺今日習い事内から暇なんだよな~。
「あ、いつものメンバーと明菜と美里が来るけどいいよな?」
そういわれたから、
「いーぜ」
と言っておいた。てかダメなわけないだろ。
ちなみにいつものメンバーとは、
隣りのクラスの |磯山 弘人《いそやま ひろと》と、|中山 昭彦《なかやま あきひこ》と、
同じクラスの |加道 中人《かみち なかひと》と、|城山 良治《きやま りょうじ》のことだ。
いつもなんとなくこのメンバーで遊んでる。特に意味はない。
放課後
「おまたせーっ」
ちょっと集合時間に遅れてしまった。
「いーよいーよ」
翔都は優しいよな。
「別にいいよ、まだ美里来てないし。」
あ、明菜。そうなの?
「ま、美里はそういうキャラだからねぇ。」
確かに。
「おまたせ~~」
「めっちゃ待ちましたよ!じゃ、遊ぼっか!」
とみんなでほのぼのと遊んでいた。
--- それからちょっとして ---
「風太って浮いてるよな。」
「うん」
「マジでうざい」
どこかでこそこそ俺の悪口を言っている奴らを見た。
は?なんてこといってるんだ。
言っている主犯は誰だ?もちろん今日遊ぶ約束をしたメンバーではないはず。
それ、ただの悪口じゃん…。
でも、そうやって言葉にされるとめっちゃ落ち込む…。
それでも気になってしょうがなかったから、その後の会話を
陰で聞いてしまった。
その時、
「ねえ陰で風太の悪口?みっともないわよ。」
そこに現れたのは美里と明菜。
「あんたは、4年の |葉山 彦《はやま げん》でしょ。すぐ気に入らない人を虐める奴。」
と美里。「あんた」とは、おそらく主犯のことだろう。
「風太。大丈夫だよ、私たちやあいつらがついてるじゃん!」
と明菜。
「やっぱり明菜は優しいな。」と普通の俺なら言うだろう。
でも今この瞬間俺の心臓がバクバクしていた。
--- 俺はこの瞬間、明菜に恋をした。 ---
俺はこのことを胸の奥深くにしまっておくことにした。
どうせこの濃いが実ることはないだろうし、
べつに「明菜が欲しい」とかっていう感情はないからだ。
でも、一生明菜は人生のお手本だ。