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1月1日。彼らは世界にいなかった
「あけおめ、監督生」
「エース、あけましておめでとう。茨の谷で新年を迎えたらしいけど、どうだった?」
「それなんだけど、監督生さあ、この前言ってたじゃん。異世界では新年になった瞬間にジャンプして、地上にはいなかった的な遊びがあるってさ」
「ああ、うん。言った」
「『わざわざジャンプしなくても、空を飛べばいい』」
「あのね、僕の世界じゃ魔法なんて無い──」
「って、マレウス先輩が言ったんだよ」
「え? なんて?」
「監督生の世界ではジャンプする遊びがあるんだぜって、マレウス先輩に言ったんだよ、オレが」
「ふうん。なるほど。それ言ったら『空を飛べばいい』って返されたわけか」
「んで、日付が変わる前に、ほうき無しで一緒に飛ばされた」
「初日の出は拝めた?」
「しがみつくので精一杯で、日の出なんてほとんど見てねえよ!!」
「いやここ、朝まで飛んでるわけないだろっていうツッコミ待ちだったんだけど」
「……あっ」
「ていうか朝になるまで空にいたら、さすがに慣れるはずじゃん。なのに、なんでまだ『しがみつくのに精一杯』になるかなあ?」
「……」
「デートの口実にされた太陽の気持ちも考えろよ!」
リリアの誕生日は後でお祝いしました。