無頼派　迷い鳥は夜踊る　３

（痛い…） 　椅子に首を預けたまま、勢いづいて動く首に鋭い痛みが走る。 　その痛みをこらえながら声の主を探る。 　彼は泉葵、という青年だ。特徴といえば…裾の長いベストと、ひどく仕事熱心なことだろうか… 　「警察に投げられた仕事はどうなんですか！全然手についていないでしょう！」 　「警察に投げられた仕事に、喜んで飛びつくほどアタシ等は鹿狗犬じゃあないさ。」 　「じゃぁ俺が馬鹿犬だって言いたいんですか！」 　肩をすくめ、さぁねといいたげな殺目。 　葵は悔しそうな表情を浮かべるものの、引き下がった。 　「でも。」 　葵は、仕事に戻りながら言葉を続けた。 　「仕事をしないで、困るのはそっちですよ。」 　つまり、給料のことを言いたいのだろう。 　「仕事…するか。」 　「仕事しましょう！」 　いやいやながらも仕事を始める二人。 　「業務開始、か！」 　平穏で、乱暴で、そんな街で。事務所で。 　事務所長、幸田佑梨は、今日も迷いながら。 p.s.　続きます！ 　というかここからです！